大矢野原演習場(熊本県美里町)での日米共同訓練、訓練へのオスプレイの参加、分基地化中止の申し入れを、25日、西部方面総監部で、小野寺五典防衛大臣あてに申し入れました
申しいれ文は以下
防衛大臣 小野寺五典様
2014年8月25日
日本共産党熊本県委員会
委員長 日高伸哉
県議会議員 松岡徹
日本共産党宇城地区委員会
委員長 山本伸裕
日本共産党熊本市議団
団長 益田牧子
日本共産党熊本県地方議員団
大矢野原演習場での日米共同演習、オスプレイの参加中止等についての申し入れ
1、オスプレイの飛来・訓練、日米共同訓練中止を
①沖縄県の米軍普天間飛行場のオスプレイ(垂直離着陸輸送機MV22)の訓練分散の対象の一つとして、熊本県内の大矢野原演習場(山都町)があげられていると伝えられています(8月2日「産経」)。
さらに、地元紙「熊日」(8月16日付)は、12月、陸上自衛隊西部方面隊と沖縄駐留米海兵隊が、大矢野原演習場で、日米共同実動訓練を計画していること。それへのオスプレイ参加が検討されていると報じています。
また、防衛省が2014年度に購入する最新式の地対艦誘導弾16台を西部方面隊に集中配備することも明らかになっています。
オスプレイの佐賀空港配備発表に続く、こうした動きは、県民の安心安全にとって重大この上ないことであり、多くの県民から、「これから、日本は、熊本はどうなっていくのか」「集団的自衛権行使がなされるなかでの熊本での軍事力の強化、訓練基地化は、攻撃した相手側から、熊本が報復攻撃の対象になるのでは!心配だ」等々の声が寄せられています。
②オスプレイの分散訓練は、大義も道理もなく、県民の安全を脅かすもの
*貴職は、7月7日の記者会見で、「沖縄の負担軽減のために、本土での訓練移転を検討していきたい」と述べています。しかし、これは沖縄の実態を偽るものです。
政府は沖縄東村高江で、リパッド(着陸帯)建設を進めており、計画の6ケ所中、すでに2ケ所を完成させています。
*米軍嘉手納基地では、在来機のF15などが移転しても、外来機が飛来・訓練し、2013年度の年間騒音発生回数は、前年度比で、約9000回増加しています。
*オスプレイは事故を繰り返しており、オスプレイが、大矢野原演習場で訓練し、熊本
の上空を飛来することは、県民の安心安全を極度に脅かすものです。
オスプレイ(米海兵隊・MV22)の最近の「クラスA」事故
*クラスA事故 200万ドル以上の損害または死者が発生
2013年6月21日 訓練で着陸時に地表が燃えて胴体に引火、機体炎上
2013年8月26日 訓練中に着陸失敗、機体炎上
2014年5月19日 訓練中に後部ドアが開いて兵士落下、1人死亡
2014年6月27日 普天間基地で落雷により破損
*オスプレイが事故を多発させるのは、「ヘリコプターと固定翼機併せ持つ」構造に起因しています。
「プロペラの向きを変えるときに機体が不安定になる」「主翼の両端に2つのプロペラとエンジンがあり、電気系統が長く複雑で、故障しやすい」「飛行中にエンジンが停止した場合、安全に着陸する『自動回転』(オートローテーション)機能を持っていない」(日本の航空法では、この機能がない回転翼機の飛行はできない)」などの点が問題視されています。
*オスプレイの被害は、事故だけではありません。オスプレイが発する低周波音が、普天間基地周辺では、心理的・物的影響の基準値を超えています。ペースメーカーへの影響なども指摘されています。
また、離着陸時の激しい吹き降ろし(ダウンウオッシュ)による事故、離着陸時に排出する高温の排ガスによる火災も指摘されています。人口密度が高く、森林面積も広い日本での訓練、飛行などとんでもないことです。
*日米両政府は、オスプレイの配備に当たり、「安全」に関する日米合意(2012年9月19日)を交わしています。
「可能な限り学校や病院を含む人口密集地を避ける」「基地外では、プロペラを上方に向けた『ヘリモード』や、プロペラを傾けた『転換モード』では飛行しない」「22時以降の訓練飛行は、『運用上必要と考えられるものに制限』し、『必要最小限』とする」等ですが、これらを乱暴に踏みにじる違反飛行が、沖縄では常態化しています。
③安倍内閣は、憲法9条を内閣の解釈変更によって、180度変えて、日本を「戦争を
する国」にしようとしています。そうしたなかでの日米共同訓練は、日本の自衛隊が米
軍とともに、海外で戦争をすることの訓練にほかなりません。そんな危険な訓練を大矢野原演習場で実施することなど、断じて容認できません。
熊本県には、約1万人の自衛隊員が居住しており、その家族も、県民として、生活し、働き、学んでいます。熊本県民のなかから「戦争による死者」を1人も出してはなりません。県民と県土が、報復の武力攻撃やテロに見舞われる事態は、絶対あってはなりません。
日本共産党は、県民と県土を戦争に巻き込む、日米共同訓練、オスプレイの飛来と訓練、軍備増・強化に厳しく反対します。
2、日本共産党は、次のことを強く求めます
①日米共同訓練の中止すること。中止すればオスプレイに訓練参加の検討など必要ありません。
②大矢野原演習場をオスプレイの分散訓練場とする「計画」を撤回すること。
③西部方面隊への地対艦誘導弾(SSM)の集中配備など、九州、熊本の軍事化を中止すること。
以上