「いのちとくらしをまもる熊本ネットワーク」(共産党県委員会も参加。県労連など15団体)は、「7・12」災害後、泥だしボランテア、個々方面による要求聞き取りと解決のための、県、阿蘇市等との交渉、4回の「支援物資配布会」などに取り組んできました。
3月5日午後1時半から、これまでの取り組みを踏まえて、蒲島知事あての申し入れ、と交渉(懇談・協議)を行いました。昨年11月に続くもの。
蒲島知事の「歴史に残る災害対策を」という割には、残された課題は山積です。
以下、申し入れ文です。
2013年3月5日
熊本県知事
蒲島 郁夫 様
いのちとくらしを守る熊本ネットワーク
代表 上田 たか子
楳本 光男
久保田 俊平
九州北部豪雨災害被災者支援に関する申し入れ
この間の復旧・復興のための活動に心より敬意を表します。
九州北部豪雨より、7ヶ月が経過しようとしています。被災自治体・被災者みなさんの懸命の努力にも関わらず、依然として生活と生業の再建には大変な苦労をされています。数ヶ月後には、梅雨の時期を迎え、不安な思いも抱えています。
以下の点について、要請いたします。
≪申し入れ項目≫
1.住宅再建支援制度の拡大(独自施策の実施)
床上浸水による家屋・家財の被害を受けた世帯の多くは、衣服、寝具、家財、電化製品などの多くを喪失し、元の生活を取り戻すために、多大な負担を強いられています。支給された災害見舞金及び、義援金の配布だけでは、十分ではありません。
阿蘇市では、市独自に「災害救助法に基づく応急修理」に準じた支援制度を実施しています。熊本県におきましても、被災者の実情に寄りそう積極的な支援を実施することが求められています。
半壊世帯(床上浸水含む)にも、生活再建支援制度による大規模半壊世帯への支援金と同様(複数世帯で基礎支援金50万円と住宅の補修等に加算金)の支援金を支給するなど、独自の支援策を実施してください。
また、独自支援策を実施している自治体に対する援助を行ってください。
2.仮設住宅の環境改善について
①4世帯8人、3世帯7人が3K一部屋に居住など、劣悪な居住環境を改善すること。
②物置の増設、風呂の追い炊き機能、駐車場の増設、屋根の庇を長くする、隣家との目隠しの塀の設置など、入居者の要望を集約し、改善すること。
以上の申し入れを昨年11月にも行っていますが、何ら改善されていません。不自由な暮らしを強いられている被災者に向き合わない不誠実・無慈悲な姿勢はあらためるべきです。
早急に、入居者の要望を集約し、改善されることを強く要請します。
3.今後の豪雨災害に対する備えに関して、想定と対策の実施計画を明らかにしてください。
数ヶ月後には、梅雨の時期を迎えます。鹿児島県奄美大島では、平成22年、平成23年と2年連続での人的被害、浸水被害、土砂災害に見舞われ、さらに平成24年にも台風15号により被害を受けています。
熊本県におきましても、同規模の降雨がある可能性を前提に、被災地及び県内全域にわたって必要な対策がとられるべきです。
昨年の豪雨により、大きな被害を受けた阿蘇市、南阿蘇村立野地区などで、土石流対策等、急ピッチですすめられていることは評価できますが、どのような想定に基づき対策がとられているのか、また、県内全域にわたってどのような想定・調査・対策がとられているのかについて明らかにしてください。
4.大津町の「上井手」の改修計画を明らかにしてください。
大津町の「上井手」は、市街地中心部よりも標高が高い「天井川」となっています。昨年の豪雨により一部、越水もしいています。現在、改修がすすめられていますが、どのような計画となっているか明らかにしてください。
5.菊陽・大津地域の総合的な治水対策(川幅拡幅、河床掘削、遊水地、輪中堤、宅地嵩上げなど)を具体化してください。
以上