「海」と「ダイビング」を熱く本気に考える男のブログ ~JAWS SHU~

「海」を本気に考えます。「海」を本気に案内します。抜群の多良間の海で本気に海を感じてみませんか。

多良間島&水納島の海 ダイビング ~宝の海に・・・~

2015-05-18 23:47:45 | Weblog
毎年盛大にとり行われる海の豊年祭「スツウプナカ」。

数年前までは島外から移住した自分にとってはなかなか入りきれずにいたが、
今では諸先輩方に海の大切さと想いを聞きながら自分の中でも神聖な行事として参加させてもらっている。

毎年ながら多良間の海への想いを感じ、とても気持ちがいい時間を過ごすことができる。

今年も盛大に参加している最中、連絡が入った。

「こんな大切な行事の中、あんたは何で潜っているかぁ~!」

「・・・」

話が見えなかったが、

「すみません。。自分は海座としてSTAFFみんなで参加していますが・・・」

「沖で潜っている船があるさ・・」

「????」

どこからかの遠征船であろう船がアンカーを打ち潜っている。
恐らく行事でうちの船が出ていないことも分っての事だろう。。

苛立ちもあるが、ただ同業者として寂しく感じた。

自分たちがどうに思われるかなんてことではなく、海への気持ちのなさがただただ寂しく・・・

何でこんな時にと・・

確かに海は凪であったが、島が一つになり海に出てみんなが頑張っている時に、
ビジネスであろうが普通にそういうことができる気持ちがわからない。

27歳でこの島に入り、右も左も言葉も分らないまま自分の感情で動いていた自分を見つめなおし、
小さな島で一つの産業を成功させ、気持ちを持って島に感謝することを教えてもらい、
12年がたち少しづつではあるが本当の大切さの意味が分かってきた。


自分は島外からの移住者であるが、島の方々はそんな自分を受け入れてくれていつでも温かく指導してくれる。
僕の子供たちはこの島で生まれ育ちいずれは様々な想いの中でたくさんの行事を担っていかなくてはいかない。
だからこそ自分がその基盤を築き、子供たちに伝え生涯この島を大切に生きていきたいと思っている。

同じ仕事をしている人たちに時に言われるが、
「すごいね~」
「良く頑張っているね~」
「自分にはできないよ」
と・・・・
どこか想いが欠けている気がしてならない。

沖縄といえども今は観光ビジネスが拡大し、ダイビングも大きな産業として成功をしている人も多いが、
海への気持ちは一緒でなくてはならないのではないだろうか。

自ら選び、生活する島を大切に想いをよせながら頑張っていくものだと自分は思っているが、
こそこそとやってきて逃げるように帰っていく船を見るとがっかりする気持ちしかない。

前にも書いたかもしれないが、プロのガイドであればどこでもそれなりのガイドはできるだろう。
でも、その海に対する気持ちとその海に精通するまでの経験は計り知れなく、そんな簡単にできるものではない。
みんな身を削り、一生懸命取り組む中で、簡易的に観光ビジネスとしてやっている人をプロとは言えない。

その時に当たれば
「すごいね!また来よう!」
その時に外れれば
「たいしたことないね」
と。
海はそんな簡単なものではない。
毎日の海を見て、その時のお客さんをみて、その時その時に海と向き合ってPOINTを選び全力で案内するから感動が生まれるものなのではないだろうか。

遠征も一つのビジネスプランであり、沖縄のダイビングは今や主流となってきているかもしれない。

もともとダイビングビジネスは、船やタンクやコンプレッサーと大きなシステムが必要でなかなか独立として成り立たせるには難しく、
30代に入る一流のガイドたちも壁にぶつかり、独立か足を洗うかのはざまで苦しんできた。
今では、船屋ができ、タンク屋ができ、車と自宅があれば簡易的に独立ができる時代。

それはそれで若きプロたちが華を咲かせるには幅が広がったが、大切な経験と感情が欠けてしまっているのではないだろうか。

我々はただ海があって仕事をしているわけではなく、そこに来るお客さんにこの海の魅力をどれだけの気持ちで伝え、
感動を共感し、想いを届ける仕事で、そのためには1回、2回潜っただけでお客さんを連れて伝えることはできないはずだ。

何千本と潮の時間を変えて、一つのPOINTの魅力を感じ、何千本と潜って自信を持って安全にその海を案内する。
体は悲鳴をあげようと、とにかくその海を潜ることで感じてもらえるように全力で取り組む。
時にはうまく伝わらないこともあれば、感銘してくれることもあるだろう。
ただ、いつでも変わらないことは真剣に自分の向き合う海を想い、そこに人生を注ぎ、プロの仕事として自信を確立していくこと。
それはこの仕事をするには当たり前の事ではないだろうか。

毎年こんなことが一つ、二つあるが、当初のようにその業者と向き合って話すことすらバカらしく感じてしまう。

島の人はこの海をそんなに雑に感じていない。
島の人にとって海は宝だ。

だからこそ、雑に来て、雑に扱わないでほしいと心から思います。

盛大に行われた豊年祭。
また自分の中で生まれてくる感情を胸に、この海を大切に仕事をしていきたいと思う。

これからトップシーズンがスタートする中で何度も寂しい気持ちになるかもしれないが、
島の方々から教わってきた海への想いを、自分の想いを大切に多くの方に感動を与えていきたいと思います。

今年もまたたくさんの事を教わった豊年祭でした。

海への想いがまた一つ大きくなり、
これから来る方々に最高のパフォーマンスでご案内していこうと思います!!