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韓国の保守派新大統領、光州記念式典を祝う異例の行動

2022-06-18 10:34:05 | 翻訳記事 Translation

 

韓国の保守派新大統領、光州記念式典を祝う異例の行動

<記事原文 寺島先生推薦>

South Korea’s President Demonstrates Unusual Behavoir
(韓国大統領の異例の行動)

投稿元:New Eastern Outlook

著者:コンスタンチン・アスモロフ( Konstantin Asmolov)

2022年5月31日

<記事飜訳 寺島メソッド飜訳グループ>

2022年6月17日



 尹錫烈(ユン・ソクヨル)新大統領に捧げる記事を書く際に筆者が常に強調しているのは、彼を典型的な保守陣営の代表として認識するのは誤りであるという点だ。もちろん、政党「国民の力(PPP)」の候補として大統領になったことが彼の政治を規定している部分もあるが、多くの問題に対する彼の個人的な立場は、学生活動家として政権掌握後の全斗煥(チョン・ドゥファン)将軍の公開裁判に参加した時代に根ざしている。最近彼がとった行為は、そのことを確認する上で非常に重要なことだ。しかし、まず最初に次のことを確認しておこう。

 韓国は今年5月18日、1980年に当時の全斗煥大統領の軍事独裁政権に反対するために起こされた光州市の蜂起の記念日を迎えた。それはソウルから南に329キロ離れた光州市で繰り広げられたものだった。そして、学生のデモを鎮圧するために派遣された軍は、まず殺傷のために発砲し、さらには 「反政府勢力に共感している 」という理由で、あたりにいる交州市民をすべて殴り始めたのである。これに対して学生や市民は武器を手に取り、1980年5月21日には、刑務所を除く全市が反乱軍の支配下に置かれた。

 蜂起の指導者たちは、米国からの圧力と韓国内の世論によって、軍部の政権奪取計画が破綻することを期待して、時間稼ぎをしようとした。しかし、米国は、左翼の反乱と思われるものを鎮圧する白紙委任状を与えれば、全斗煥を従わせることができると判断した。5月27日、蜂起は軍隊と精鋭特殊部隊によって残酷に鎮圧され、抗議者たちは北朝鮮共産党に同調し援助しているとして告発されることになった。

 公式発表では、この事件で200人以上の命が奪われたとされているが、死亡者の統計では実際には約2,000人の死者が出たとされている。また、負傷者は3,100人以上、逮捕や拷問を受けた人は1,600人近くいた。

 以来、光州市と全羅道は民主党の主な拠点となっている。今年(2022年)3月の大統領選挙では、同党の李在明(イ・ジェミョン )候補が同市で84.82%の得票率を獲得し、尹錫悦(ユン・ソクヨル)氏は12.72%の得票率にとどまった。

 この出来事に対する態度は、民主党と保守党の古典的な主張を分ける良い目印となる。前者にとって、5・18蜂起は軍事政権に対する民主化運動であり、憲法前文に記入する価値があるとされることが一般的だ。

 保守党の議員は、この蜂起を群衆が引き起こした暴動と呼び、極右の中には、北朝鮮の工作員が組織・実行した国家存亡をかけた共産主義者の蜂起であるとの根拠のない(筆者の見解だが)非難までしているものまでいる。例えば、今年6月1日に予定されている江原道知事選挙に立候補した金鎮泰(キム・ジンテ)氏や、極右派の智万元(ジ・マンウォン)教授は、光州の蜂起は住民によるものではなく、南に潜入した北朝鮮兵士によるものだと主張し続けている。しかし、その主張は公に反論されている。そのため、智万元が「北朝鮮の工作員」と断定した写真の人たちは、彼を訴え、あっさり勝訴している。

 1997年に、5月18日は「国民追悼の日」に制定された。保守系の李明博(イ・ミョンパク)、朴槿恵(パク・ウネ)両大統領も欠席できなかった記念式典だとはいえ、この日の式典は、政権を担う大統領によって規模が大小し、その都度メディアでその是非が論議されるようになった。

 式典の際に「最愛の人のための行進曲 」という歌を歌うかどうかについての是非ももうひとつの問題だった。このプロテストソングは反抗の象徴歌的存在だったのだが、保守派のもとではその演奏が奨励されなかった。2008年、李明博はこの曲を歌おうとしたが、保守派の強い抗議に直面し、翌年の式典ではこの曲の演奏を禁止することを余儀なくされた。2011年、この曲は式典で復活したが、朴槿恵は歌わなかったし、観客が活動家たちと合唱して共に歌うことは望ましくないとされた。

 文在寅(ムン・ジェイン)政権下では、参加者全員が歌うことが義務づけられた。さらに、2022年1月5日から、韓国では文在寅政権が採択した法律が施行されている。それによると、光州事件に関する(左派の)公式解釈を否定することは、欧州のホロコーストを否定するのと同様に危険な行為であるとされ、最高で懲役5年、または罰金5千万ウォンが科される。例えば、この光州事件を北朝鮮の特殊部隊による破壊工作と主張した池萬元(チ・マンウォン)教授は2年の執行猶予と100万ウォンの罰金を受け、韓国通信規格委員会は、歴史を歪曲したとして、池萬元教授をはじめとする多くの保守系YouTuberのチャンネルを完全に削除するよう要求している。

 したがって、筆者にとって、式典がどうなるかは重要な指標であり、その意味で「ユン氏は失望させなかった」。

 1点目は、彼は自分だけ参加するのではなく、与党の側近や代議士全員に国家追悼式に参加するよう要請した。拒否反応がなかったことは、李俊錫(イ・ジュンソク)党委員長がKBSラジオのインタビューで「国会議員全員が記念式典に参加できれば、PPP(国民の力)は保守政党として明らかに違う姿を見せることができる」と述べたことからも分かる。

 式典には、民主化のために倒れた闘士たちの市民活動家や遺族など、全体で約2000人が出席した。

 大統領府関係者によると、大統領は式典に出席する前に、蜂起で愛する人を失った遺族と面会し、毎年墓地を訪れることを約束したという。2023年、この約束が果たされることを期待したい。

 2点目は、尹錫烈(ユン・ソクヨル)氏が光州墓地で行われた厳粛な式典での演説において、「自由民主主義を血で守った5・18蜂起の精神は、人間の価値の回復であり、国民統合の礎になる」と述べたことだ。

 3点目は、ユン氏が自ら「最愛の人のための行進曲」を歌い、しかも明らかに喜びながら歌ったことだ。他の政府高官や代議士も同様に歌った。

 左翼、右翼のメディアはいずれもこの行動を前代未聞と呼んだ。「(共に)民主党」は「6月1日の統一地方選挙を控え、光州、全羅道の有権者を引きつけるためだ」と、尹(ユン)氏の行動を軽視した。しかし、筆者の記憶では、5月の式典の前に、ユン氏は何度も蜂起犠牲者に敬意を表そうとしていた。しかし、蜂起の追憶を独占しようとする「(共に)民主党」はそれを許さず、不誠実で国民の同情心につけこんでいるとして非難した。ユン氏が大統領候補だった2021年11月、デモ隊が記念碑に向かう道を塞いだ。2022年2月、尹氏は再び碑に近づこうとしたが、そこを弔問し線香を手向けることはできなかった。

 このように、ユン・ソクヨル(尹錫烈)は、あたかも自身が民主党出身の大統領であるかのように蜂起の英雄と犠牲者に敬意を払っただけではなく、この光州蜂起の記憶を特定の地域と政治陣営だけの記憶であるという誤解をなくそうとしたのである。また、式典でのスピーチと就任式での自由と人権に関する発言を比較すれば分かることだが、ユン氏は5月18日を保守の理想に取り入れた新鮮な視点を提供している。こうした姿勢は、地域間対立を乗り越え、イデオロギー対立を超え、国民統合を推進する契機となる。

ロシア科学アカデミー極東研究所韓国研究センター主任研究員、歴史学博士、コンスタンチン・アスモロフ、オンラインマガジン「New Eastern Outlook」専属。

http://tmmethod.blog.fc2.com/blog-entry-944.html

 

ウクライナのゼレンスキーも当選直後はそういう感じだったけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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