スーパーマンが米国を再起動させる
Superman Reboots America
by Larry Romanoff
2014年6月、ナショナル・ポスト紙に「スーパーヒーローのレンズを通して見るアメリカ」と題するアイラ・ウェルズの記事が掲載された。この記事には、スーパーヒーローだけでなく、ウェルズが「原作」と呼ぶ、スーパーマンの発見やエンタープライズ号の初航海など、連続して繰り返して拡散され支配するアメリカの魅力についていくつかの鋭い考察が提示された。
彼は、これはハリウッドのスタジオのための独創的なマーケティング装置というだけでなく、アメリカ人の文化的心理にもっと深いものを表していると述べ、これらの典型的なアメリカのスーパーヒーローは過去のない人々で、過去にとらわれることのない人だと指摘した。そして「アメリカには、物事の起源に立ち返り、歴史のリセットボタンを押し、人生を再起動させ、再び始めるという消せない渇望、一種の物語上の欲望がある」と述べた。彼は、アメリカ人は本質的にスーパーヒーローのように「歴史の外」を生きているのではないか、過去に縛られることなく、過去を持たない人々であるのではないかと問いかけた。そしてアメリカ自身の「原作」は常に再生状態にあるように思われ、新しい始まりは常に地平線上にあると指摘し、彼は最後に、新しい歴史の立ち上げは古い歴史の抑圧と密接に関係しているという重要な指摘をして、アメリカの想像力は、この社会と歴史的記憶の再起動にほとんど神わざのように適合しているように思われると締めくくった。
この記事からはウェルズが自分の認識の深さを理解しているのかどうかよくわからなかったし、もう少しテーマを発展させてほしかった。もちろんアメリカ人が「歴史の外」を生きてきたという彼の考え方は正しい。それはまさに彼らがいた場所であり、統一された歴史と文化がないことは民族としての進歩の妨げになり、彼らの唯一のよりどころは神話的な政治宗教からきている。しかしアメリカ、そしてアメリカ人はスーパーヒーローのような力を持っているにもかかわらず、それでも失敗し、存立の危機を迎えている。そして特に2008年以降のように、アメリカが国家として再び破綻しそうになるとまたスーパーヒーローたちが復活し、「歴史のリセットボタンを押し、再出発する」アメリカ人の象徴となるのである。経済は崩壊し、民主主義はユダヤ人ロビーとトップ1％を除いて失敗し、アメリカンドリームは死に絶え、未来は絶望的な様相を呈している。しかし、突然スーパーマンが再生してアメリカは再起動し、やり直すことができるのである。
以前の記事で私は、アメリカ人は不愉快な真実がドアを叩いてプレッシャーをかけてくるたびに、否定、合理化、自画自賛というお決まりのツールを使い、その後システムを再起動し、開いているすべてのファイルからデータを消去して（歴史の）記憶を消してしまうと書いた。そして何事もなかったかのように再起動する。これが、今日のアメリカの現状である。経済的、権威主義的、司法的、政治的環境は、アメリカ人が撃退する力も導く力もない実存的な危機を作り出している。アメリカ人の感情的豊かさの基盤となってきたものが自身の政府によってますます破壊され、その結果、「アメリカ人でよかった」と感じることが急速に失われつつあるのがますます明らかになっている。そして彼らができる反応といえば、幼稚なハリウッドの空想に浸り、スーパーマンの復活を祝い、アニメのキャラクターを通して自分たちの想像上の復活を祝うために映画館に足を運び、感情の虚しさを補っているのだ。このような空想は8歳の子供にはふさわしいかもしれないが、大人が取り入れると少々ばかばかしい。しかし、これは、1世紀にわたる大衆操作とプログラミングの結果であるアメリカ人のメンタリティを正確に示しているように思われる。
これこそがリップマンやバーネイズが作り出した共感的な空想の力であり、スターバックスでの体験よりもっとフェイクの感情を呼び起こし、より人間的な結果をもたらすのである。ハリウッドのユダヤ人たちは、アメリカ人の想像力を植民地化するほど強力なイメージとアイデアの群れによって、影のアメリカを作り上げた。そして、最終的にアメリカの価値観はユダヤ人が作った映画によって大きく定義されるようになった、というニール・ガブラーの見解を思い起こすことができる。スーパーマンの再生とアメリカの再起動は、そうした価値観の一つを構成しているのである。_____
https://kamogawakosuke.info/2022/10/26/no-1598-スーパーマンが米国を再起動させる/
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