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嘘の上に築かれた国-米国はいかにして豊かになったか

2022-04-02 14:17:49 | 翻訳記事 Translation

 

No. 1424 嘘の上に築かれた国-米国はいかにして豊かになったか(パート6c)(その3)

嘘の上に築かれた国-米国はいかにして豊かになったか(パート6c)(その3)

by Larry Romanoff

パート6c (3 of 3) – 繁栄の道を守るために

中国が経済発展を続け、それに伴って産業力も向上するにつれ、世界市場に向けてますますハイテクで高付加価値な製品を輸出するようになり、それはもちろん欧米諸国のハイエンド製品の市場シェアにも影響が及ぶ。中国が商品をダンピングしているとか、誰かの知的財産(IP)を侵害しているとか、あるいは定義されていない貿易上の「不正行為」をしているとか、米国企業があれだけ大声で騒いでいるにもかかわらず、真実は米国企業は市場シェアを維持するために違法で不公正な手段に訴えているに過ぎない。

特にハイテク製品は、中国が最初に製造した衣料品や履物のような低価格品よりもはるかに多くの利益を生み出すからだ。中国や似たような国に対して不公正貿易を非難するのは、米国内での世論の流れを保護主義的措置への支持に向けさせるための中傷的な主張だというのはほぼ間違いない事実である。これは米国の消費者に何十億ドルもの価格上昇をもたらす一方で、少数の米国企業を支援することになる。まさにこれは少数の実業家だけが勝者となる、壮大な規模の企業福祉なのだ。

米国は常に国家安全保障を口実に、関係ない他国の問題に首を突っ込むことで治外法権の影響力と政治的支配を拡大しようと試みてきた。最近ますます問題になっているのが、外国企業2社が関与する国際的なM&Aであり、そのうちの1社は米国で小規模の事業を行っている可能性がある。米国は、外国による米国資産の買収を調査するために、対米外国投資委員会(CFIUS)という機関を設立した。しかしこの組織は米国に資産を持つヨーロッパ企業やその他の企業のアジア人(特に中国人)による買収を妨害するためにますます利用されるようになっている。オランダのフィリップス社が照明部品事業を中国企業に売却することで合意したケースがあったが、フィリップスは米国企業に研究開発部門の一部と大規模な特許ポートフォリオを有していたため、米国は多大な政治的圧力をかけて売却を阻止した。米国は中国に取得されたくなかったのである。フィリップスはその事業を米国から撤退させ、売却を進めることもできたはずだったが、米国側はフィリップスの製品を米国市場から締め出すなど、さまざまな報復をすると脅してきた。ヨーロッパも中国も他国の技術へのアクセスをコントロールすることだけを目的とした、このあからさまな政治的干渉に強い憤りを表明している。つまり米国は、オランダの企業に対して、米国市場へのアクセスを失うという脅しをかけることで中国に技術を売ってはいけないと言う権限を持っているのである。その一方で、米国人は中国に入って何でも買う権利を要求し、その基本理念は突然「市場開放」と「自由貿易」に変わり、中国が国家安全保障に関して懸念をすると、それは「共産党のプロパガンダ」だと却下されるのである。

2015年末、米国は中国からの鉄鋼輸入が「過剰と思われる」という情けない理由で、中国の鉄鋼に250%近い輸入関税を課した。単純な事実は、中国は赤字まみれのUSスチールのような米国企業よりもはるかに低い価格で高品質の鉄鋼を生産することができたのである。USスチールは、関税は「こうした有害で違法、不公正な行為」を止めるための「良い第一歩」であると言った。しかしもちろん違法行為や不公正行為は存在しない。米国人は貿易の価格設定を福音的な言葉を使って表現し、高い道徳的立場を急ぐ名人だが、本当の問題は自由貿易の問題であり、その下では自分の製品を好きな価格で売ることができるはずである。もし私が市場を見誤り、製品を過剰生産してしまったとしたら、在庫をなくし、少しでも現金を回収するために原価、あるいは赤字で売却しなければならないかもしれない。このような割引は一時的なものであり、通常は10%や20%といった小さなもので、米国の自動車産業のように苦境にある顧客にとって実に有益なもので、捕食的でも不道徳でもない一つの出来事である。

そして、中国の製鉄におけるコスト優位性もそれと同じ程度で、おそらく5%か10%程度に過ぎないが、米国政府は主張しているような「公平な競争」をしようとはせず、明らかに競争相手の産業を麻痺させ、崩壊させることを目的とした行動をとっている。そうでなければ中国の鉄鋼に250%の関税をかけたことをどう解釈すればよいのだろうか。このような動きは、米国企業が競争に勝てないとき、つまりほとんどの場合だが、米国市場から外国製品を完全に排除することだけを意図して行われている。中国鉄鋼協会の李新創副秘書長はウォール・ストリート・ジャーナル紙の取材に対し、世界の鉄鋼供給が過剰なのは中国だけの責任ではないし、中国の輸出品に高い関税をかけることは不公平だと述べた。「鉄鋼業界の過剰生産能力は世界的なもので中国だけの状況ではない。我々は品質と価格の両方を兼ね備えている。価格だけの問題ではない。品質が良いのに、なぜ輸出できないのか分からない」。米国人は考えられるあらゆる分野でこのパターンを踏襲し、米国企業の競争を制限、排除しようとする。しかし、これらはすべて一時的な措置であり、ほとんどの産業で米国企業は競争力がないため、果てしなくこれを繰り返すことが必要となる。

米国は中国を中傷するのが好きで、世界貿易機関(WTO)に不公正貿易で中国を提訴したことを自慢している。

いつものことだが米国のメディアは告発だけを報道し、判決は報道しない。ある典型的な例ではWTOは米国の13の申し立てをすべて却下し、米国のアンチダンピング措置は違法でWTOルールに違反するとの判決を下した。ほとんどの場合、米国はその決定において疑わしい方法論を採用することによって単にプロセスを濫用しているに過ぎない。こうした米国の執拗なやり方は、嫌がらせや攻撃的な保護主義の一形態に過ぎず、自由貿易とは無縁である。米国は毎年何十億ドルもの中国からの輸入品に異議申し立てをしているが、そのほとんどすべてが失敗に終わっている。

同様に、米国は様々な貿易機関に些細な無意味な苦情を繰り返し申し立てており、あるケースでは中国政府が自国の綿花栽培者に不当な補助金を出していると非難している。この場合、補助金はWTOが認める額よりも低く、遠隔地の過疎地のごく小規模な自給自足農家の生活を守るためにのみ適用され、その量は中国の全生産・消費量に比べれば微々たるものだった。米国通商代表の主張の多くは間違っていたか、意図的に不正なものであった。綿花については、中国が国内生産に多額の補助金を出して蓄えを作り、それを不当に安い値段で輸出していると米国は非難した。中国の綿花輸入量は10年間で10万トンから400万トン以上に増加し、現在では世界の生産量の半分以上を購入し、何も輸出していないのだから、とんでもない言いがかりである。そして逆に中国がWTOに提出した事例には、自動車や自動車部品に対する米国の多額の補助金が中国の国内産業を著しく歪めているというものが事例の一つにある。同じ頃、EUはボーイング社に違法な補助金を与えただけでなく、ボーイング社への違法な補助金に関する過去の裁定に従わなかったとして米国に対して120億ドル以上の制裁をWTOに要請した。米国が一貫して他国に対しこうした違法な保護主義的活動を行っている一方で、米国のメディアは他国の貿易慣行を批判する情報しか報じない。ここで重要なことが2つある。一つは、米国市民は自国政府の違法な貿易行為について知らされることがないこと。なぜなら、その情報はメディアによって非常に効果的に自己検閲されているからである。もう一つは、米国政府は何十年にもわたって貿易違反を繰り返し、停止命令や徴収した関税などの返還命令などの制裁を受けてきたことである。事実上すべてのケースで、世界的に有名な法治国家である米国は国際的な通商当局を無視して、自分たちの行為を続けているのだ。

もし米国人が製品の生産と販売において、自分たちの道徳的優位性についての根拠のない主張の優れた能力の半分でも持っていたら、世界はもっとよい場所になるだろう。米国の鉄鋼・アルミニウム産業は古風で高コストの設備を持ち、長い間、一般的に競争力を失ってきた。一方、中国の生産設備は新しく効率的で、中国の鉄鋼会社は他の国よりも低いコストで生産することができる。米国が安価な(しばしば補助金を受けた)鉄鋼やアルミニウムを世界中に供給していた時、それは効率性、競争力、そして一般的な米国の優位性に基づいて正当化され、いうまでもなく「市場の決定に任せ」られていた。しかし、中国や他の国が同等の品質をより低コストで生産し販売できるようになると、自由市場という感情は、不正行為、ダンピング、補助金、その他都合の良い形容詞の非難であっという間に消え去ってしまう。米国人は世界市場全体が自分たちのものであるという前提で話を始めているようだ。ボーイングがエアバスの販売に負けたとしたら、ヨーロッパが航空会社の役人を騙したか、賄賂を贈ったに違いない。中国が鉄鋼やアルミを米国企業より安く売れば、中国企業が原価割れで売っていると即座に非難するのだ。前述したようにどの国でも生産者は資本を回収するために、赤字でもいいから余剰在庫を卸そうとすることがある。しかしそのような機会は、すべての原材料を実際の生産コストよりも低く購入することに完全に満足している消費者への一回限りの贈り物なのだ。

それでも鉄鋼の場合、米国側は中国企業が「過剰生産」をして安価な鉄鋼を世界の市場に氾濫させていると非難した。米国人が自分たちで繰り返しやっていることはさておき、「自由市場」の一つの定義はこうである。できる限り多く生産し、生産したものを、売れるところに売ること。大量生産は儲かるということだ。しかしどこかの国が成功しそうになるとすぐに叩き潰さなければならず、そのため米国はWTOへの申し立てを繰り返すのだ。

一例として欧米の鉄鉱石会社は、価格が安い時期に過剰生産し、特に限界生産者をすべて廃業に追い込み、その後、市場を支配して価格を不当なレベルまで引き上げることで有名である。鉄とアルミでは、2016年に米国人は世界の半分をいじめて、中国にこれらの金属の生産を減らさせる統一見解のようなものを作ろうとし、ヨーロッパで5000人に金を払って中国の鉄鋼に対する演出された抗議活動に参加させようとした。{70} {71}  問題は単に米国の金属生産における競争力の欠如であり、その結果、市場と量の損失が増大しているにすぎなかった。米国は、世界は大量生産を必要としておらず、世界を救うために中国は生産設備の半分を停止すべきだという主張をしたが、それはいつもの米国のやり方だ。 「 病気は私なのだが、あなたが薬を飲んでほしい」。売れ行きが悪いのは米国の工場や製錬所だということはあまり知られていないようであり、「世界を救うために」非効率で高コストの施設を閉鎖すべきは米国だろう。そしてましても米国企業が安い金属を世界中に流し、他の国に生産縮小を強要していた頃も、世界を救う、という言葉はなかった。これらは米国のあらゆるものに浸透しているように見える偽善の例である。私がやるのは良いが、あなたがやるのは悪いのだ。

中国がWTOに加盟した時も同じだ。米国は何十年にもわたって中国の加盟を全力で阻止し、阻止しきれなくなるとそれを自分の手柄にした。2016年も同様に、中国と欧州の貿易をより簡単かつ自由にするために、中国は欧州で市場経済国の指定を受ける可能性があった。ここでも米国がでてきて、中国の加盟に反対票を投じるよう欧州の全政府にいばりちらしたのである。たとえそれが成功しても米国の利益にはならず、中国を苦しめるだけだった。それが計画だったのだ。ヨーロッパ諸国は中国に市場経済の地位を与えることによって全体で約6万人の雇用を失うかもしれないが、一方で、中国のヨーロッパへの投資が増えることによってさらに多くの利益を得ると見積もっていた。しかし米国は、いわゆる(米国が支配する)NGOの一つであるAegis Europeに、ヨーロッパが少なくとも350万人の雇用を失うと試算させた。これはいかなる意味でも貿易とは関係ない。無知な国民から支持を得るために米国のメディアを毎日大量の憎悪文書で満たしながら、単にアメリカ帝国がいじめを行っているに過ぎないのだ。

北京はあまりにも長い間、米国企業に優遇税制を与えたり、合弁会社の出資金として「ノウハウ」を寛大に評価したりと、手厚い待遇を与えてきた。今こそ競争の場を公平にする時である。中国政府は、何百もの外資系多国籍企業が中国で非常にうまくビジネスを展開することを認めており、事実上そのすべてが非常に高い利益を上げている。欧米は中国にお返しをする時期にきている。公開市場のルールはすべての人に平等に適用されるべきなのだ。中国企業は厳しい貿易・投資障壁に直面しており、中国の輸出企業は、欧米諸国がほぼ必ず米国の働きかけや要求で発動する中国の商品・サービスに対する懲罰的関税の急激な増加に直面している。世界第2位の輸入国である中国は、17年連続ですべての国の中で最も貿易上の困難に直面しているのだ。中米間の貿易摩擦のほとんどは商業的というよりも政治的なもので、米国側は「国家安全保障」を問題として主張することが一般的である。これらの措置は主に、中国企業の海外進出を妨げるという米国の目的を達成するためのものである。ほとんどは薄っぺらな保護主義的措置だが、多くは深刻である。米国が特に懸念しているのは、ハイテクを含むあらゆる分野での中国の進歩であり、その主な理由は米国がこの種の知識を軍事化、兵器化していて中国が軍事的に進歩するのを阻止したいためである。この理由から、米国議会は最近、科学技術局とNASAが中国と共同で科学的活動を行うことを禁じる法案を承認した。これでもまだ足りないかのように、米国は「戦略的貿易許可」と呼ばれる新しい許可例外を与える164カ国のリストからも中国を除外した。

そのために簡単なパソコン用マイクロプロセッサーでさえ、中国への輸出は長年禁止されていた。その製品や材料が中国で軍事利用される必要はない。米国はどんな手段を使ってでも、中国にハイテク技術を隠しておきたいだけなのである。米国の対中ハイテク輸出規制は「厳格かつ広範」で、中米間の貿易不均衡を悪化させた。また、米国国務省が欧州やその他の国々に対して、米国に追随するよう外交的、軍事的な圧力(あるいは脅し)をかけているため中国の他国との貿易関係にも打撃を与えている。多くの米国企業は、米国政府が2000以上のいわゆる「ハイテク品目」の中国への輸出を規制した結果、中国でのビジネスチャンスと市場シェアを失ったことを苦々しく思っている。

また、華為、中興、ハイアール、中国海洋石油など、多くの中国企業が、いわゆる米国の「国家安全保障」の主張に基づく米国の貿易制限により、海外での買収・合併計画の挫折を味わっている。中国企業は米国で資産を購入することや通信機器やその他のハイテク製品を米国で販売することはほとんど不可能である。なぜなら、政府は定期的に「国家安全保障上の懸念」を理由に売買を禁止しているからだ。このような冷戦的な考え方を満たすには売買だけでは十分ではないようで、米国議会は現在、中国の国有企業からの投資について、これらが米国に経済と安全保障の両方のリスクをもたらすとしてより厳格な規則を検討している。そしてもちろん、米国はファーウェイとZTEによる投資もブロックした。全く裏付けのない、文書化されていない漠然としたスパイ行為という非難に基づいてだ。

ファーウェイは最近、米国のブロードバンドソフトウェア会社(2Wire)を買収する機会を失った。なぜなら米国政府は、中国企業が米国のあらゆるものを購入することを望まなかったからだ。米国政府はファーウェイが他の競合他社よりも高い金額を提示したにもかかわらず、「セキュリティ・リスク」であると主張し、買収を断念させた。このようなケースはたくさんある。CNOOCは米国のUnocal Petroleumを買収しようとしたが、ここでもまた、中国が主にアジアにあるいくつかの油田を所有していることが「安全保障上のリスク」であるとされた。これは中国が十分な石油の供給を受けることを制限しようとする、見え透いた決定だった。中国の唐山曹妃甸投資有限公司は、米国の光ファイバーメーカーとの合弁事業を、「米国の国家安全保障を脅かす」という理由で断念させられた。米国の家電メーカーMaytagは売りに出され、ハイアールが入札したが、安全保障を理由にすぐに潰され、ハイアールの入札額を20%上回る米国企業の手に渡り、「中国に行かない」ようにしたのである。米国企業は、政府の激しい政治的支援を受けて、中国に来て何でも買う「権利」を要求するが、中国は自国の「安全保障リスク」を心配することは許されないのである。明らかに、何かを変える必要がある。

米国政府とメディアが、無関係のことを言って中国が「ルールに従っていない」と幼稚な非難をする様子は、ほとんど滑稽である。どんなルールなのだ?中国は、経済的な偽善の達人についてすぐに学んでいる。それが西側メディアで増え続ける泣き言の本当の原因である。300年もの間、自分たちを利用するために使ってきたルールと同じ土俵で他人が勝ち始めると、突然ルールが「不公平」になる。世界中のあらゆる国の中で、米国は最も非常識な重商主義者で、悪質な略奪者だ。あらゆる政治的、経済的、そして軍事的圧力を使って、あらゆる合意のルールを自分たちに有利になるような形に強制している。しかし、他の国(その例はたくさんある)が自分たちのゲームで米国に勝ち始めると、いつもそうなる。同じ米国のルールに則って米国人はいつも、他人が「不公平だ」、優れた競争相手が「ルールに従っていない」とすぐさま泣き言を言い始めるのだ。そして「公平な競争の場」さえあればよいのだと、誰にでも泣きつく。そしてもちろん米国のメディアは飢えた犬のようにこれを鵜呑みにして大衆に伝え、ほとんどの米国人は、中国は本当にルールを守らないのだと信じている。しかし、どんなルールも破り、都合の悪い法律は無視するのは、いつも米国のほうなのである。

Notes:

{70} https://www.latimes.com/business/la-fi-crowds-extortion-20181021-story.html

{71} https://www.reddit.com/r/europe/comments/nt319x/protest_against_chinese_university_today_in/

 

https://kamogawakosuke.info/2022/04/02/no-1424-嘘の上に築かれた国-米国はいかにして豊かにな/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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