2013年12月4日(水)
今日は平日の休みをもらったので、予てから念願の「五百羅漢図」展に行ってきた。休日のとんでもない大混雑は既に聞いていたのでこの日を選んだのだが、山口県立美術館の入り口(タイトル写真)から既に、只者ではない雰囲気を感じるのがまたいい。
幕末の江戸で絵師として活躍した狩野一信が、三十代の終わりから没するまでの約10年の歳月を、ただひたすらこの羅漢図の制作に費やしたというのだから、まぁ、鬼気を感じるのも当然だろうか。
縦172㎝・横85 ㎝という大きな画面に、一枚あたり五人の羅漢のいろいろな営みを精緻に描き、それを百幅(100枚)仕上げて五百羅漢とする、とんでもなく壮大かつ前代未聞の構想だ。
それにしても、この羅漢たちによって繰り広げられる、桁外れで常識はずれのスペクタクルはどうだろう。現在の映画やアニメでさえ到底敵わない、奇想天外な超能力の数々にはただただ圧倒されるしかない。
かと思えば、羅漢たちのとても人間味あふれる日常生活や、羅漢らしく多くの人々を救済する様子には、心から納得したりすることもできるのがまた嬉しい。
とは言え、幕末という世情が穏やかならぬ時代にありながらも、こんなに自由奔放なイメージを作品にする芸術家がいたことにあらためて驚愕するのは、私だけではないと思う。
五百羅漢図そのものは、東京タワーのすぐ側にある港区芝の増上寺で秘蔵されてきたものだが、今回それと共に展示されたのが、千葉成田山新勝寺の旧本堂壁画であった4×5メートルという大迫力の「釈迦文殊普賢四天王十大弟子図」で、これもまた素晴らしい。
説明書きには墨と金泥だけで描かれているとあるが、なのにこの大迫力と絢爛豪華さには、しばし茫然とするしかないのだ。
美術館の出口には、「○○○○な人 Best3」なる展示(写真下)もあって、鑑賞し終わった後には、これもまた余韻を楽しむいい材料ではあった。
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