高知ファンクラブ

“高知をもっと元気にする”ボランティア集団、「高知ファンクラブ」のブログです。

「すくすくの森」と子どもたち~21年の歩み~・・・連載6 「すくすくの森」でのルール 1

2010-12-13 | 2010年12月の記事

若草幼稚園 岡林道生 園長にご相談して、「高知ファンクラブ」でも連載させていただく事にしました。 

高知市若草南町にある若草幼稚園は、幼稚園が所有する「すくすくの森」を活用した体験教育を早くから実施している事で有名です。

いま全国的な盛り上がりの中で、高知市神田の「アジロ山自然の森」をはじめ、県下でも「森のようちえん」に関する取り組みが高まって来ています。

この盛り上がりを一過性のブームに終わらせないで、

森林率84%で全国一を誇る、"森の国・高知"ならではの、「かしこくてたくましいこどもを育てたい」という、親をはじめとする、みんなの共通の願いを実現するための、取り組みの大切な一つとして、「もりのなかでこどもはかがやく」を応援していけたら・・・と考えています。

先進の「若草幼稚園」と連携しながら、高知にふさわしい「森のようちえん」について、今後特集しながら、みんなで考えて行けたら・・・と思っています。

すくすくの森で、焼いもイベント・・・若草幼稚園児に同行しました

若草幼稚園 「すくすくの森」と子どもたち~21年の歩み~・・・連載1

若草幼稚園 「すくすくの森」と子どもたち連載2 社会の変化と子どもの問題

若草幼稚園 「すくすくの森」と子どもたち連載3 「すくすくの森」との出会い

若草幼稚園 「すくすくの森」と子どもたち~連載4 「すくすくの森」について1

若草幼稚園 「すくすくの森」と子どもたち~連載5 「すくすくの森」について 2

 

sukusukunomorig2.jpg「すくすくの森」と子どもたち21年の歩み~

                                   若草幼稚園 岡林道生

 

3 「すくすくの森」でのルール 

 年少児の時は、時間の許す保護者の方に同行してもらい、山に慣れて行くようにしていますが、年中児、年長児に進級すると担任と副担任だけの同行になります。 

この21年間、森の中で小さな擦り傷や蚊に刺された子どもがいても、お医者様に行くほどの怪我をしたり、迷子になったりする子どもはいません。 

森を管理してくれる男性職員が3名いるからです。3人は毎日、できるだけ自然と生態系を守りながら、子どもたちが大きなケガをしたり事故にあわないように、山を巡り整備してくれています。 

そして私たちに今日はあそこにはスズメバチがいたので入らないほうがよいとか、今日は果物が食べ頃だとか、山頂の方で何かを見つけた、等の情報をくれるのです。 

 しかし、広い森、自然は刻々と条件を変えていきます。子どもたちは、自分自身で危険から身を守る方法を覚え、それを守って遊ぶ必要があります。 

森に着くと、子どもたちは荷物を降ろし、せんだんの木の下に集まって、森でのお約束を聞きます。

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一、   山の水は飲みません。

 水質検査の結果、水(地下水を汲みあげたもの)は飲んでも大丈夫でしたが、季節や雨量によって条件が変わる可能性が高いので飲ませないことにしました。 

二、   木の実を勝手に採って食べません。 

 「すくすくの森」には、採って食べられる果物や自生の木の実がたくさんありますが、食べられない実もあります。食べると生命に関わる実は除きましたが、広く深い森には、まだ残っていたり、気づかないうちに生えてきている可能性もあります。勝手には絶対に食べないこと、必ず先生と一緒に食べること、もし食べた時はどうなるかを含めて話します。 

三、   先生が見えなくなる遠くへは、子ども同士で行きません。 

 子ども達は冒険心が旺盛です。慣れてくるとどんどん先に行きたくなります。その結果迷う危険性があります。「覚えちゅうき、かまん。」は絶対にいけないこと、もしケガをしても助けることができないと話します。 

四、   赤い紐がついた木には、触ったり折ったりしません。 

 夾竹桃、ハゼの木、山漆など、触ったらかぶれる木や葉っぱがあります。子どもの通り道にあるものは除きましたが、大木や気をつけて遊べばよいところの木には赤い紐をつけて目印をしています。目印のある木を見て、葉の形や色、幹の色や質感を覚えて自分達でも見つけられるようにします。 

五、   深い草むらには入りません。 

マムシやムカデなどがいます。かまれたら毒が身体にまわって大変なことになります。また、「すくすくの森」は、草むらのすぐ向こうが崖になっています。危険な場所には縄を張っていますが、何が起こるかわからないので深い草むらには入らないようにしています。(つづく) 

(文中の画像は、若草幼稚園より提供していただいたものを中心に、編集者が選んで挿入したものです)  〔『保育の実践と研究』(第15巻第2号)より転載〕 

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HN:ちるどれん

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