若草幼稚園 岡林道生 園長にご相談して、「高知ファンクラブ」でも連載させていただく事にしました。
高知市若草南町にある若草幼稚園は、幼稚園が所有する「すくすくの森」を活用した体験教育を早くから実施している事で有名です。
いま全国的な盛り上がりの中で、高知市神田の「アジロ山自然の森」をはじめ、県下でも「森のようちえん」に関する取り組みが高まって来ています。
この盛り上がりを一過性のブームに終わらせないで、
森林率84%で全国一を誇る、"森の国・高知"ならではの、「かしこくてたくましいこどもを育てたい」という、親をはじめとする、みんなの共通の願いを実現するための、取り組みの大切な一つとして、「もりのなかでこどもはかがやく」を応援していけたら・・・と考えています。
先進の「若草幼稚園」と連携しながら、高知にふさわしい「森のようちえん」について、今後特集しながら、みんなで考えて行けたら・・・と思っています。
すくすくの森で、焼いもイベント・・・若草幼稚園児に同行しました
若草幼稚園 「すくすくの森」と子どもたち~21年の歩み~・・・連載1
若草幼稚園 「すくすくの森」と子どもたち~連載2 社会の変化と子どもの問題
若草幼稚園 「すくすくの森」と子どもたち~連載3 「すくすくの森」との出会い
若草幼稚園 「すくすくの森」と子どもたち~連載4 「すくすくの森」について1
「すくすくの森」と子どもたち~21年の歩み~
若草幼稚園 岡林道生
2 「すくすくの森」について (前号からの続きです)
この原っぱを横切り、視界をさえぎる木々を抜けると、先ほどぶつかった大きな岩山の頂上に出ます。山頂部に至る林は、「冒険の森」と名づけました。
わんぱくの森のように大木はありませんが、アラガシやハゼ、コバンモチ、山桜、ツツジ、リョウブ、ネジキ等の多様な木々が密生しています。
ここでは、野原では見かけない色々な蝶が飛び交い、カミキリムシやクモ、セミ、ハンミョウなど多くの昆虫に出会います。ほら穴もあり、一年中子どもたちの冒険心をくすぐり続ける林です。
山頂にたたずみ四方に目を向けていると、さまざまな鳥たちの声が聞こえてきます。頂上からは、私たちが住んでいる朝倉の町が一望できます。幼稚園も見えます。それぞれの子どもの家も小さく小さく見えます。
山頂からクリ、コナラの急斜面を下りると山を一周したことになります。又この斜面にはミツバツツジが群生しており、春を告げる梅の花が終わる頃、このミツバツツジの花が、山の斜面を紅く染めます。
そして山桜が咲き、ソメイヨシノが見事に咲くなか、梨の花やゆすら梅、すももの花も静かに咲きます。やがて藤の花が咲き始める頃、すくすくの森は、至る所に花々が咲き乱れて美しさを競い、春爛漫になります。
初夏には、紫陽花や花菖蒲が目を奪い、足元にはピンクや紫、黄色、白い野の花が愛らしく咲きます。子どもたちは、花束を作ったり、かんむりや首飾りを作り、カタツムリやダンゴムシ、バッタの赤ちゃんを見つけて遊びます。
絶滅危惧種のハルゼミのいるこの森で、セミ達が夏の訪れと終わりを教えてくれます。子どもたちは、セミの鳴き声で保育者に季節の移り変わりを教えてくれるようになります。
夏休みを終えて森に帰ってくると、森は私たちを違う景色で迎えてくれます。9月、雨の降ったあくる日には、大小さまざま、いろいろな形や色の木の子が、森の中を覆い尽くし、子どもも私たちも一瞬息をのむ程です。まるで、ジブリの映画の世界です。
秋が深まってくると、木々は紅葉し木の実が落ちます。至る所に落ちる7種のドングリは、子どもたちの宝物です。実りの秋は、子どもたちに自然を満喫させてくれます。
落葉樹がはだかになる頃、さざんかの花が咲き、ラッパ水仙や黄水仙が足元を彩り、ひいらぎの花が葉のかげでひっそりと咲くかと思えば、ここだとばかり芳香をはなち、やがて梅の先に蕾がふくらみます。
春到来です。「すくすくの森」は、色々な花々が咲き、私たちに季節の移ろいを教えてくれ、愛しむ心を覚えさせてくれます。
HN:ちるどれん
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