ヒストリカルロマンスアワー

Historical Romance Hour

Love with the Proper Husband

2006年03月16日 | A
Love With The Proper Husband
By Victoria Alexander (2003) ビクトリア・アレクサンダー

風邪をひいて休んでいたときに読みました。快適な気分になるお話です。

Story:   
Dialogue:
Hero:    
Heroine: 
Sensuality: 6.5

ヒーローはPennington伯爵、Marcusです。ちょっと危険な感じのするヒーローの多いHRでは少数派の優しくて思いやり深いおとなしめの紳士です。

ヒロインはGwendolyn。子爵である父が亡くなると一文無しとなり、現実から逃れるかのようにアメリカへ渡り、自分には不向きな住込み家庭教師となり働いていましたが、遺言に間違いがあったと知らせをうけLondonに戻ってきます。

遺言の間違いは偶然にもMarcusの父の方にも発見されますが、実はMarcusの母親Lady Penningtonの仕業でした。

Marcusは30歳になるまであと3ヶ月ですが、それまでに父が遺言で示した相手、つまり、Gwendolynと結婚しなければほとんど財産を失うことになると弁護士から告げられます。
GwendolynはLondonに戻ってくると同時に、亡くなった姉夫婦の娘3人を引き取ることになり、もっとお金が必要になるという理由からMarcusと結婚する決心をします。

全くお互いのことを知らないところから始まったお見合い結婚ですが、マーカスの心の広さでもって二人は良い夫婦関係を築いていきます。お見合い結婚が恋愛結婚に変わる大成功のお話です。

全体的なプロットは、Lady Penningtonの息子を結婚させるためのちょっとしたウソと、グウェンが姪3人のことを秘密にしているのをマーカスは浮気と勘違いしたり、とあまり劇的ではありませんが、ダイアログが良いので楽しめます。

ヒロインのグウェンは精神的に強い女性という最初の印象はお話中盤で消えてしまい、あまり知的でもなく、魅力がなくなってしまうのですが、ヒーローの寛大さでもってフォローしています。

グウェンの姪3人も、子供だけどそれらしからぬセリフで笑いを誘います。 最初の部分でグウェンを通して作者は、現代の女性の多くが悩む問題を読者につきつけます。「結婚は女性の自由をうばってしまい自立できなくなってしまう。」ですが、これに対する答えは結局お話の中にはありませんでした。グウェンは結局間違った選択を繰り返しマーカスに助けてもらうというだけで、自由や自立性を犠牲にすることに対する納得のいく答えは見つかりませんでした。

ですが、全体的には軽快で楽しく読めるので、アマゾンの編集部のコメントとは反対に、私はこの本はちょっとオススメだと思います。


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