ヒストリカルロマンスアワー

Historical Romance Hour

Regency Secrets

2011年09月10日 | J-K

Julia Justiss.
2002. My Lady's Trust.      
2002. My Lady's Pleasure
Harlequin Mills & Boon

Regency シリーズ(←Mills & Boonのページへジャンプ)
オーストラリアのMills & Boonは、以前に出版されて人気だったリージェンシー作品を2つまとめて、素敵な表紙で再版。
毎月出版です。

そんなリージェンシーシリーズ第1弾は、中世モノも天下一品のJulia Justiss。
Jo Beverleyが好きな私は、Justissのような背景知識もしっかりしてるし、お話自体もガツンと読み応えのあるスタイルが好きです。
お話にワンパターン感がなく、感情表現も豊かだし、キャラクターも個性的。
My Lady's Trustは私がロマ小にはまりだした頃に読みました。
いつもずっと素敵なお話だったので覚えていたんだけど、やっぱりいいお話はいつ読み直しても新鮮です。
と、こんなに褒めの一手なのに、私のブログではJustissの作品が一つもレビューされてない!
とういことで、うちのブログで初レビュー、Justissのリージェンシー作品です。

My Lady's Trust

ここなら自分の正体はばれないだろうとLaura Martinは、とある田舎で村人との付き合いも必要最小限にとどめ、静かに暮らしていました。

ある日、地主の息子が狩りの最中に友達を撃ってしまい、大怪我を負わせます。
Lauraは薬効ハーブに関する知識があり、村人達の怪我や病気の手当てをよく頼まれていたので、その友人の看護にも当たります。
が、その友人の兄というのが、鋭いまなざしをしたBeaulieu伯爵。
彼に見つめられると自分の正体がばれてしまうのではないかと心配になるLaura。

伯爵は弟の怪我で動転し、みすぼらしい身なりをしたLauraをはじめて見た時は何も思わなかったばかりか、あやしいハーブなんかで弟を殺されては困ると失礼な発言までします。
が、共に弟の看護をして時間を過ごせば過ごすほどLauraの冷たい態度や醜い服の下には、優しい心を持った美しい女性が隠れていることが分かってきました。
彼女が自分をそのように隠しているのには何か人に言えない秘密があるのだろうということも。
Beaulieu伯爵はなんとか彼女の信頼を得たい、そしてLauraの問題を解決し、共に人生を一緒に生きたいと強く願うようになります…。

 私からはハートマーク5つ。満足の一作です。
伯爵がLauraのことを愛していると気づくまでにすごく時間がかかるので、「結婚まではできないけど、愛人で…」と考えているところが嫌だったので、ハートマークを減らそうかと思ったけど、あとあとよく考えてみると、やっぱり伯爵だって誰だって、一生物の結婚へのステップは大きいもんね。


My Lady's Pleasure

Lady Valeria Arnoldは未亡人。戦士した兄の親友だった元夫Sir Arnoldは、兄に「妹を頼む」と言われたのと、自分もちょうど大失恋したところだったので、勢いでValeriaと結婚し、すぐ戦地へむかいました。
大怪我を追って帰ってきたSir Arnoldは、失恋した相手の女性の名を口にして、Valeriaの腕の中で息を引き取りました。

Valeriaはこれでもう家族もおらず、残っているのはわずかな利益を出す羊農場だけ。
自分に愛を捧げてくれるような夫なんてこれから現れる可能性もなければ、子供を持つこともできない。Valeriaは時々無性に悲しくなり現実から逃げ出したくなります。

そんなある日、近くの屋敷のハウスパーティーに来ていたMr. Teagan Fizwilliamsと出会い、自分でもこんなことができると思ってなかったようなことをやってしまいます。

伯爵家の娘と馬番の男の間に生まれたTeagan。
両親を亡くし、婚外子というレッテルのせいで、常に社交界の底辺で差別されながら生きていきました。
当然お金もなく、貴族を相手にギャンブルで日々の生活費などをかせいでいましたが、もうこんな不安定な生活にはほとほと嫌気が差していましたが、どうすることもできず、疲れていました。
そんな時、美しくて優しいLady Valeriaと情熱的なひと時を過ごします。
そして自分を価値のある人間として見てくれる女性は今までにいなかったと気づきます。

 ハーレクインではお金持ちの男性が様々な状況にある女性をくどくパターンが圧倒的に多いので、こういう一文無し(だけど誠実)のヒーローのお話は、どう自分の人生を変えるのかという部分を興味深く読むことができました。
ハートマークがちょこっとだけ減ったのは、Teaganがうだうだとしすぎて、Valeriaを手に入れるために自分の人生を変えようとなかなか行動に移さなかったこと。あんなに自分の人生や社会での立場に嫌気が差していたのに、と。
それでもそんな私の疑問はささいなもので、これも満足の一作でした。



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