社会を見て、聞いて、感じる。

人生そのものがフィールドワーク。

6月24日(金)

2016年07月09日 14時00分58秒 | 2016年

  6時起床。露天風呂にゆっくり浸かって目を覚ましてから、朝食。普段は朝食を食べない私も、なぜか旅行中は朝からお腹が空く。

  8時過ぎにチェックアウト。ここに泊まったのは正解だった。お世話になりました。

  三石にある乗馬牧場「MK Ranch」へ。乗馬や競走馬の調教・トレーニングを請け負う傍ら、一般向けに乗馬や馬とのコミュニケーション教室を行っている牧場である。私は、このコミュニケーションワークを受講するために訪問した。開講時間まで少し余裕があったので、受講前に生まれたての仔ヤギたちと戯れる。この仔ヤギたちがめちゃくちゃかわいくて、心底癒やされた。

  10歳牝馬のサラちゃんに協力してもらい、オーナーさんとマンツーマンで2時間みっちりと講義を受ける。基本的な馬の生態や身体的特徴、考え方について理解し、それらの情報を元にして、どのようにコミュニケーションを取るかについて考えた。当初私が想像していたよりも遥かに理論的な内容で、馬への近づき方や触れ方といったところ段階から、なぜそのように行動するのかということをしっかりとした根拠に基いて理解することが出来た。馬にとってどのような状況が心地よいのか、馬にとって重要なのは何なのか。テーマは、「安全」と「快適」。このふたつを提供することが出来れば、馬からリーダーとして認めてもらうことが出来る。リーダーは、馬の進む方向とスピードをコントロールする。つまり、人間がリーダーとして認められることで、馬の行動をコントロールすることが出来るようになるのだ。そしてその先には、手綱や鞭などを使わず、更にはゼスチャーすらも必要なく、馬と意思疎通が出来るようになる可能性が続いている。

  ド素人なので当たり前のことだが、馬との信頼関係を構築することは本当に難しくて、とにかく苦労した。しかし、最後には私の指示も聞いてくれるようになり、その瞬間は心から嬉しかった。そして、2時間はあっという間に過ぎ去ってしまった。しかし、とても充実した2時間だった。馬とコミュニケーションを取ることの難しさ、奥深さ、そして楽しさを学んだ。サラちゃん、オーナーさん、本当にありがとうございました。

  そのまま少し牧場に残って、馬やヤギたちと遊ぶ。先ほど習ったばかりの内容を意識しながら接することで、彼らがより身近な存在に感じられた。彼らもそう感じてくれていればいいのだが。

今年生まれたばかりの幼駒。小さくてかわいい。

ポニーなので小さくてかわいいが、立ち去ろうとするととても大きな声で鳴く。

草が食べられるようになっても、お乳も飲むのか。

頭が痒いのかな。

  移動中、新ひだか町の庁舎(三石庁舎)に、フランスのイスパーン賞を勝ったエイシンヒカリを祝う看板が出ていた。エイシンヒカリを生産した木田牧場がこの地域にあるのだろう。それにしても、役所に競馬関係の看板が大々的に掲げられているというのは面白い。今回は海外G1制覇だから、感覚的には地元出身のスポーツ選手がオリンピックで金メダルを獲得したようなものなのだろう。

  昼食は、昨年も訪れた静内駅近くの料理屋「天政」で、ムキガレイの煮付け(定食)と時鮭の握りを頂く。カレイは思っていた以上に脂がのっていて煮付けのタレとの相性が良く、時鮭も甘みのある脂が印象的だった。

  荒木克己育成牧場へ伺う。ここでは、本業である競走馬の育成(生産もやっているのだろうか?)だけでなく、「荒木牧場功労馬サポーターズ」という組織を構え、引退後の競走馬の繋養を行っている。元々はネーハイシーザーの繋養を目的に創設されたそうだが、オリオンザサンクスやトーシンブリザードなど、他の功労馬もここでお世話になっている。また、残念ながら閉場してしまった日高スタリオンから、スキャンがこちらに移動してきていた。

  事務所にご挨拶をすると、お仕事中にも関わらずお母さんが出てきて下さって、「あそこにいるのが○○で、○○はあっち」とか、「そこにいるのはもうすぐセリに出る仔たちなんだよー」とか、色々と丁寧に教えてくださった。牧場全体の雰囲気ものどかで素晴らしく、馬たちも本当にリラックスしていた。日頃から愛情を込めて大切に育てられているのだろう、私のような一見でも、人間に対する警戒心が全くないように見受けられた。特に、若駒たちは人懐っこくて、私の後を延々と追いかけてきて、遊んでくれとせがんでいた。おかげで、滞在時間は予定をはるかにオーバーした。それくらい居心地の良い牧場だった。お世話になりました。ありがとうございました。

もうすぐセリにかけられる若駒たち。ずっとくっついて来る。

とにかく人懐っこい。

功労馬たちも、若駒に負けじと寄ってきてくれる。

まずは手の匂いをクンクンして。

手をはみはみ(甘噛み)。

服の匂いも気になる。

そしてパーカーをはみはみ。

2人でクンクン。

一応撫でさせてくれるが、それよりもクンクン、はみはみが好き。

  道の駅みついしに立ち寄り、少し休憩。梅のソフトクリームを食べる。北海道とは何の関係もない味のチョイス。

  車の中で、1時間ほどお昼寝。窓を開けて、涼しい風を感じながら眠る。

  夕食は、日高のオーベルジュ「ナチュラルリゾート・ハイジア」へ。自然の中にあるオーベルジュで、牧場地帯、田園地帯を通り、最後は山道を抜けて到着する。敷地内の放牧地で馬を2頭飼い、周囲の山も所有していて料理で出す野菜の大半は自家栽培しているという、高級店。泊まると高いので、今回はビジターとしてディナーだけを予約した。

メニューは1コースのみで、地元産の食材を使用した料理が並ぶ。調理方法も凝ったものばかりで面白く、それでいて素材の味がしっかりとよくわかるものばかり。これまで食べたことがある食材でも、「え?これってこんな味すんの?」という発見があったりもする。サーブして下さった支配人さんの話や説明も興味深く、楽しみながら時間を過ごすことが出来た。敷居が高いかなと思っていたのだが、思い切って背伸びをしてみて良かった。

ツブ貝のアヒージョ。火が出ているのは演出。

自家焼きのハーブフォカッチャ。

左側の自家製カッテージチーズにつけて食べると、驚くほど美味しい。なんだこのチーズは。

日高産真ダコのカルパッチョとチーズの盛り合わせ。蛸が絶品。ソースも自家製野菜で作られている。

女神・ハイジアの愛したスープ。濃厚でとろとろとしたヴィシソワーズに、野菜のソースが掛けられている。ソースの混ぜ具合に応じて味が変わる。

日高沖本マスのポワレ ヴァンブランソース(白ワインソース)。マスのほくほくとした食感とソースの口当たりがよく合う。

えりも産短角牛のロティと日高産蝦夷鹿肉のロティ。これが一番の衝撃だった。短角牛ももちろんだが、鹿肉がこんなに美味しいとは。鹿肉に対する認識がひっくり返った。

日高昆布のロールケーキ。ぷちぷちとした食感の昆布が若干の塩味を加えていて、甘さが引き立つ。

  今日の宿泊先は、静内駅近くのホテルローレル。正式には、「さくらの湯 ホテルローレル」というらしい。なるほど、サクラローレルにかけているのか。チェックインしてすぐに温泉に浸かり、疲れを取る。やはり、泊まるなら温泉がついている宿がいい。


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