たねまきびより ~いとえのバイオダイナミック農場日記~

小さな1つぶのたねから
ぐんぐん伸びていくその姿
ずっとながめていたくなる

脱都会!いとえ、英国の農場へ行く!

バイオダイナミック農業セミナー2011年度 第2回

2011年10月07日 | バイオダイナミック農法

10月3日 月曜日 から7日 金曜日

バイオダイナミック農業セミナー2011年度 第2回 

Plant Block Course @ Botton(いとえ滞在中のコミュニティー)

とある項目で、涙がこぼれてとまらなくなってしまった今回のセミナー。

5日間のことを無理矢理書き込んでいるので、長いです!!

 

 

もらったプログラム内容は

・タネ、茎&葉、根、花

・ファーム、ガーデン、フォレスト ウォーク

・輪作、繁殖

・果樹剪定

・雑草レポート報告

・"Man as Symphony of the Word"を読む

・ランドスケープ

・Eurythmy ユーリズミー(オイリュトミー)

(順不同)

前回のセミナーは片道7時間の遠方。

今回はココ♪♪ 大移動なしの楽ちんプレイス♪♪

そのぶん、他の受講生たちは遠方からはるばるやってくるわけです。

月曜日のお昼にでくわした子。

 

、、、、さて、セミナー内容のお話。

一応園芸科卒のいとえは植物の部位の名前や働きなどは一通り学んでいるので、英語で意味がわからないところがあっても、なんとかフォローできたのが救いです。

 

毎朝、ミコモスソング(Michaelmas Song)を歌って1日の授業がはじまります。

 

まずはこの村(コミュイ二ティー)内を歩いてファーム、ガーデンなどの説明。

 

この村のことを改めて知れてよかったです。

1つ、この村の(谷)の中心にあるハーブワークショップに隣接しているガーデンは、他のガーデンやファームと比較して年間平均気温が2~3℃高く、土も肥沃だということ。

1つ、この村の食料は75%自給できるシステムになっているということ。

 

その他、村内の各ファームの土壌、気候の特徴 など など。

 

今までじっくり見た事のなかった場所も☆

村の一角にあるバイオダイナミックプレパレーション用の貯蔵庫。

バークの敷き詰められた木箱の中に調合剤が保管されています。

 

村のセンターにあるガーデンのコンポスト(堆肥)エリア。

作成7ヶ月目のコンポスト。

この堆肥の中から発見されたのがこれ。

この茶色いコロンとした形のもの、なんだかわかりますか??

たまごなんです。

正確には卵包というらしいのですが、なんのたまごでしょう???

コンポスト(堆肥)=○○●

そう。

この子たちのたまごです。ミミズ。

コンポストの山に咲くカレンデュラ☆

 

 

おおざっぱに「Seed」と書かれていたプログラム。

1人5種類タネ持参の指示があり、みんなが持ち寄ったタネを観察します。

タネってどんな色?

タネってどんな形?

タネってどんな質感?

この小さな小さな茶色い粒。同じような砂粒の中にまざっていたら探し出せる?

違いはなんだろう。

ただただ「胚」「子葉」「種皮」などの名称を学んでいくのではなく、

よく観察し、肌で感じ、タネへの興味を深めてくれる授業でした。

 

そして、茎&葉の授業。

茎には葉っぱがくっついていて、葉っぱは節につく芽から出てきますよね。

芽は、茎にある程度のパターンをなして配列されていて、葉っぱを葉柄の付け根からキレイに取ると三日月型をしています。

園芸学の担当の先生が「この三日月の部分を"Eye"と呼ぶ事があるのよ」と教えてくれました。

"目"、、、、、。確か日本語で節から出てくる新しい緑のこと 、"め"って言いましたよね?????

何か関係あるのかしら、、、。

め。め。め。め。目。芽。眼。芽。

なんだか、日本語、奥が深いぞ?!?!?!

そして、ジャガイモ登場。

ジャガイモが"茎"なのはご存知でしょうか?

ジャガイモは"塊茎"とよばれる"茎"なのです。

そのジャガイモの"芽(節)"。

枝の節と比べても同じ、ちゃんと三日月しておるぞ!!

 

つづいて根&成長点のお話。

双葉の真ん中に小さな小さな小さな芽があって、そこから本葉が出てくるのです。

三つ葉の生長の過程、、、。

まずは根が出て、帽子が取れて、双葉が開いて、本葉の登場。

やばい!! ズキュン!!!

やっぱり、発芽&芽の生長は素敵すぎます!!!!

 

根っこのどこを栄養が通っているかのお勉強もして(表皮だとか、維管束だとか、師管部だとかそういうお話)

 

植物の繁殖のお話をして(ランナー、球根、タネ、取木などなど)

接ぎ木の練習。

いとえ氏20人の中でたった一人、指導者より「パーフェクト!」をいただきました♪♪♪

 

果樹の剪定のお話。

これは、花芽と葉芽のちがいがわかるようにならないとお話にならないので、よくよく理解を深めます。

実際にお庭に出てリンゴの木で実物を目にします。

(剪定には時期が早いのでCutはしません(>_<))

リンゴの木に枝に化けながら居座るムシ発見!!!

 

そして、いとえが涙を流してしまった項目。

1人1本ずつお花を渡されました。

その葉を1まいずつ茎から取り除き、順番にならべていきます。

それをよく観察し、何に気づきますか??

葉の大きさ、質感、形、色。

下葉は小さく、中心部に近づくにつれ大きくなり、上部はまた小さくなる。

下葉は丸みを帯びていて、上部になるにつれ先が尖っている。

下葉は枯死しはじめており、上部は柔らかい繊細な葉。

下葉は葉柄がはっきりとしているが、上部は茎を抱きかかえるように葉がまきついている。

これらが時を経てどう変化していくのか、、、、、。

 

これらを通して見えてくるのが、植物の生長のリズム。

この中の葉を2枚、入れ替えて眺めてみる。

この植物のリズムが失われたことに違和感を感じ、もやもやしてきます。

植物。時間の流れ。生長。リズム。。。。。。。。

ここでいとえは東北被災者の方の言葉を思い出したのです。

「3月11日以降、避難所生活をしていて、毎日同じものを見続けていて"時"がとまっていた。

 植物の花が咲いたのをみたとき、ようやく"時"が動き出したようなきがした。」

 

植物が運ぶ季節感ももちろんあると思う。

だけど、それを超えたなにか"リズム""パワー"があるんだろうな。って強く思ったのです。

うまく言葉で説明できないけど、

「やっぱり、植物って私たちの生活にとっても大事なものなんだ!!!」ってなんだか、そんなことを考えていたら涙が止まらなくなってしまっていました。

その園芸学の先生の押し花作品たち。

植物のリズムってすばらしすぎる。

美しすぎると思いませんか???

やっぱり、植物ってすばらしい。

 

自然の流れに背を向けず、そこにすっぽり馴染むように生活するのが自然なことなんですよね。

それを重視したランドスケープのお話。

何かを設計する前に、その場所に立って東西南北をよくよく眺めて、観察し、その方向が持つ"オーラ"を感じることが大切とのこと。

北からは冷たい風がくるなぁ。

南からは暖かい日差しがくるなぁ。

西の空には曇り空が見えるなぁ。

東からは乾いた風が吹くなぁ。

そんなことでいいのです。

その方向をながめ、スケッチし、オーラも色付けて描いてみる。

そうすると、その環境の中にすっぽりあてはまる自然なものを仕上げることができるんだそうです。

 

そして、、、

いとえ初体験の「オイリュトミー(ユーリズミー、Eurythmy)」

Eurythmyは、ルドルフシュタイナーの人智学に基づく運動表現芸術の一つです。

言葉、音、音階を身体で表現するものなのです。

この村にはEurythmyを学ぶための専門のコースがあるうえ、この村自体がルドルフシュタイナーの考えに基づく村なので、頻繁にEurythmyには出くわします。

しかし、いとえにとっては「謎」でしかなく、

人にはなかなか言えないけれど、「なんで、Eurythmyのなにが魅力なんだべな??」と『???』だらけなのです。

 

そんないとえの私情はさておき、今回の植物学のセミナーの中で1日45分×4日、

植物の生長に必要な4つの要素の表現をEurythmyで学んだのです。

土、水、風(空気)、火(日光、熱)。

身体で何かを表現する。

小学校の学芸会のときに戻ったようで、

なんだか、ひさしぶりなことで、妙なこっ恥ずかしさをおぼえましたが、そんなのはかき捨てて身体を動かします。

 

なりきることが大事!!!うむうむ。考えない考えない。。。。。

 

、、、、、、と。。。。。

土を表現する動きをしたとき、身体は重さを感じ

水を表現する動きをしたとき、身体は流れを感じ

風を表現する動きをしたとき、身体は空気を感じ

火を表現する動きをしたとき、身体は熱を感じました。

 

なんだか、妙ですがEurythmyの生徒たちがEurythmyに夢中なのが、ちょっとだけ理解できたような、そんな気がします。

 

お花のお勉強。

各名称(花弁、萼片、柱頭、葯などなど)を学びながら4大要素のお話も。

タネ、要素は土。

茎葉、要素は水。

 花 、要素は風。

果実、要素は火。

 

なんだろう。

化学ってとっても大事。

だけど、あの6角形とアルファベットと数字だけでは表現することのできないなにかがあるよね。この世の中。

それを体感しながら学んだ"植物学"だった気がします。

もともと「化学脳」を持ち合わせていない「感覚脳」ないとえなので、しっくりくるのかもしれません。

それでもやっぱり「プレパレーション」などはとっても謎ですが、

植物がもっと身近に、より一層ファミリアな感覚になった、そんな5日間でした。

もちろん、もっともっと色々したのですが、書ききれないのでここまでに☆☆☆

今回のセミナーの参考図書たち。

うん。たくさん。。。。。

 

最終日の前夜木曜日は、ちょっと皆でビールやワインを飲んでワイワイ☆

この村に来て、初めて酔っぱらった夜でした。

とっても疲れた5日間。

だけど、充実満足あっという間の5日間。

はたして、いとえは1年間のこの生活でシュタイナー&バイオダイナミックの世界を理解することができるのでしょうか。

いとえの今後はいかに、、、。 


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3 コメント

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自然のリズム (Toru)
2011-10-12 09:38:51
ドローイングあり、ダンスありで、
座学だけではない、五感全部を使った、
楽しそう&ユニークなセミナーですね。
でも、5日間のプログラムってけっこうtoughでしたね。
おつかれさんっス。

葉をらせん状にレイアウトした押し花を見ると、
植物がしっかり生きていることが見えて、わかりやすい!
葉がどんどん変わっていくそのリズムが、
形になって見えてくると、とっても美しいよね。
完璧。人工ではマネできないよ。

ウチにある植物が、
いつのまにか、わき芽が出ていたり、
蕾みがもうこんなに大きくなっとるっ とか、
びっくりすることがあります。
近所に空き地があって、ビニールシートをかぶせて
あるんだけど、
ひと夏で、土からシートをやぶってにょきにょき
枝を出しているのを見ると、
こんな細っこいのにどうしてビニール破れるんだ?
って、その成長の早さと強い生命力に驚かされます。
ビニールシート越しに光合成してるしね。不思議。
毎日観察していれば、植物の成長が分かって、
そんなに驚かないんだろうけど、普段の生活では、なかなか。

あっ、今 納得した。オイリュトミーって、
リズムですけど、
「自然界のリズム」を体で理解するってことなんだろうね。
僕も変テコな踊りだなあ、くらいの認識でしたけど。う~ん、そういうことかあ。

あと、花芽と葉芽、区別が難しい植物って多いじゃないすか。
特に果樹ってわかんねー。
ブドウとか、レモンとか全然区別できない。
今度教えてください。

それにしても、すごい参考資料の数。
これ全部に目を通したの?
海外の学校は、教科書が電話帳みたいに厚くて、
予習で「こっからここまで読んでこ~い」と言われても、
外国人の私には、とても無理だったりした経験があるので、
大変さ、お察しいたします。

ところで、いとえ画伯が描いた絵、見たいなあ。
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画伯 (いとえ)
2011-10-13 16:27:35
>Toruさん

本当に、植物の生命力には感動させられてばかりです。
被災地の水仙の花もそうですよね。
バキバキに折れたサクラの木が開花しているのを見て、もう言葉にならない感動を覚えました。
仙台の友人が「サクラの花を見て、今年は泣いたよねぇ」って言っていました。

植物ってやっぱり生命の原点なんだなって、人間は人間だけで生きている気になりがちだけど、植物なしでは生きて行けないもの。

参考資料。全部には、、、無理っす!!(>_<)
一応、課題図書は3冊でした☆
「もと知りたかったらこれ読んでみてね」的な参考資料たちです。

そして、ランドスケープの講座では今回はみんな絵は描いていません☆
写真の絵たちは他の生徒さんたちの絵なのです☆☆☆

画伯は今回はおやすみ☆

あ。ミコモスソングの楽譜。
いとえ氏の手書きです。
その下のドラゴン(?)は画伯作です☆
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Yes, indeed! (Toru)
2011-10-13 22:03:16
>バキバキに折れたサクラの木が開花しているのを見て、もう言葉にならない感動を覚えました。

被災地の方々が、植物を求める気持ちは、
「癒される」といった簡単なものではないですよね。
何もなかったかのように、
すくすくと育っていく生命力そのものに感動して、
その力がみんなの心の支えになるからなのだと、思います。
瓦礫の下から生える多くの植物を見ました。
陸前高田の1本松も見ました。

生きることの大切さ、本当にpreciousなことなんだって、教えてくれるのが、植物だし、
そして生きるものすべてを包み込む自然なんですよね。
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