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【あらすじ・感想】文庫版・『ガラスの仮面』第25巻【ネタバレばれ】

2015-03-02 11:17:04 | ガラスの・・・あらすじ
※※『ガラスの仮面』文庫版読み返してます。あらすじと感想まとめてます。※※
※※内容ネタバレ、感想主観です。※※


仮面年表は こちら
紫のバラ心情移り変わりは こちら

49巻以降の話、想像してみた(FICTION)*INDEX*はこちら

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『ガラスの仮面』文庫版第25巻 ※第13章(途中から)(途中まで)

第13章 ふたりの阿古夜


演劇協会理事長と共にKIDスタジオに現れた千草を前に、紅天女を演じるマヤ。
その演技は、これまで稽古で見せていたのとは全く異なる、
神がかり的な紅天女だった。
終了後も、紅天女が抜け切れないマヤに、千草は水さしを用意すると、
「どうぞ阿古夜」
とその手に持たせたコップに水を注いだ。
「・・・いただきます・・・!」
うやうやしく受け取るマヤ
その姿は、一杯の水に畏敬の念を表す、神々しさに満ち溢れていた。
「予想以上だったわ」
マヤの演技の評価を聞かれた千草はそう答えた。

その後、オンディーヌ新スタジオに亜弓の様子を見学に来た千草は、
マヤ同様、亜弓にも紅天女を演じさせる。
評判通りの美しく気高い亜弓の紅天女、見惚れる人々。
稽古終了後、千草は亜弓に水を差しだした。
「どうぞ、阿古夜」
「あ、ありがとうございます。月影先生」
そう言うと亜弓は、一気にその水を飲みほした。
千草からのアドバイスは特にない。
千草が先にマヤの稽古を見ていた事を聞き、源造にその時の様子を問いただす亜弓。
千草はマヤに対してもなんのアドバイスもしていない。
しかし、千草が差し出した水を大切そうに跪いて受け取り、深く頭を下げ、
なにかとても大切なものを頂いているようだったときき、
亜弓は不安でたまらなくなる。

マヤへの不安感を払しょくする為にも、ますます稽古に力が入る亜弓。
しかしそんな亜弓を追いかけていたカメラマン、ハミルは
「人形」の写真は撮らないと亜弓の姿を撮影することはなかった。
ある日の稽古で、不安定な照明器具が倒れ、ある役者が下敷きになりそうになる。
それをかばった亜弓が照明器具を受け、後頭部に強い衝撃を受ける。
「・・・つっ!!!」
一瞬目の前が光って気を失いそうになるが、
しばらくするとおさまり、特に問題はなさそうに見える。
亜弓はそのまま稽古を続けた。
しかし・・・・
その後、亜弓は時折視界をが大きく揺らぐ感じを感じたり、
一瞬目の前が真っ暗になる事もあった。
そしてついに・・・
亜弓はロッカールームで倒れてしまう。
次に気づいた時、亜弓は病院のベッドの上にいた。
目には何重にも巻きつけられた包帯。
後頭部に受けた衝撃により、脳内に血塊がたまり、視神経を圧迫しているという。
早急な手術が必要、さもなければ
失明もーーーー
しかし亜弓にとって、手術を受けるという選択肢はなかった。
このまま、行く。
紅天女の試演まで・・・・

**
「人は、会ったこともない人を愛せるものなのか・・・・?」
あの日、紫のバラを手にあふれる恋心を見せたマヤの姿が忘れられない真澄は、
水城にそう尋ねた。

東京に出てきた千草と面談した真澄は、改めて千草から
自分がマヤの母親を死に追いやった事実を指摘され心に痛みを感じる。
今まで秘かに送り続けた紫のバラは、伝えられない真澄自身の
マヤへの思いの象徴・・・・
全てをあきらめ、闇の中で生きることを決めた真澄。
マヤが自分ではない自分を愛している、しかし母親を死に追いやった自分を許すことはない。
どうしようもない切なさと絶望感を感じていた。

**
紅天女の話題といえば亜弓の事ばかり取り上げられる周囲に動揺しながらも、
マヤは必死に集中しようとしていた。
私の魂の片割れは舞台の上、相手役の桜小路・・・。
マヤとの稽古が続く中、マヤへの思いがどんどん高まる桜小路、
しかし休憩時間に魂の片割れの話がでたとき、マヤは苦しげに、
そんな人に出会ったらきっと今までの自分がどんなに孤独だったか気づくと思うと話した。
その言葉に、桜小路は聞き覚えがあった。


街で偶然桜小路と会った真澄は、吹っ切れたようにマヤへの恋心を話す桜小路を
うらやましく思う。
マヤちゃんに振られるのはなれてます、
でもいつか振り向いてくれるのを、待っている。
まっすぐな目で、マヤの事を好きだと語る桜小路。
そしていつか真澄と会った時に話したことを口にする。
「もし魂の片割れと出会ったら、自分がどれほど孤独だったか気づくに違いないって・・・
 速水さんと同じことを、マヤちゃんも言っていました・・・」
マヤも自分と同じことを・・・。

都会で見上げる夜空に、星はほとんどかすんで見えない。
あの日、マヤと二人で見た星空・・・。
空の星を見て、きれいだと無邪気に喜んでいたあの子の笑顔。
全然違う立場なのに、一緒にいる時はなぜか心が落ち着いて、同じ気持ちでいてくれるような、
そんな気にさせてくれる少女・・・。
現実世界で隣にたたずむ美しい人は、ほとんど見えない空の星よりも、
地上に輝くきらびやかで美しい都会のネオンの方が似合う女性・・・。

自分とっても会社にとっても申し分ない相手、
しかし真澄はその気持ちにはやく答えたいと思っていながら心が重く動けずにいた。
魂の片割れ・・・紅天女の恋・・・
真澄は千草を訪ね、そのことを教えてもらおうとした。
しかし千草が現在身を寄せている演劇協会会長邸を訪ねたとき、真澄はマヤに遭遇する。
マヤもまた、魂の片割れについて千草を教えを乞おうと訪ねてきたのだ。
街で偶然再会した車椅子のおじさん、彼が千草の居所を教えてくれた、
しかしまさかここで真澄に会うとは。
マヤは動揺する、しかしそこでマヤは真澄の政略結婚という現実を目の当たりにし、
真澄の優しさは自分が紅天女の候補だからであると心を頑なにする。
「あなたにはくれを渡さないっ絶対に!」
マヤは罵声を上げて真澄と千草の前から走り去った。
その言葉に重く深く心をえぐりとられた真澄は、結局千草に本当の事を話す事ができなかった。

**
紅天女のリアリティーを追求する黒沼組は、街へ出て稽古をする。
ファミレスで、歩道橋で、公園で。
現代社会の日常風景の中で、南北朝時代のセリフを口にする。
今までどこか非現実的だった会話が、一気に今の時代によみがえる。
昔も今も、生きている人は同じだ。
更にその感覚を育てるため、黒沼はマヤ達を新宿新都心の高層ビル街に連れて行く。
都庁展望室から見る富士山、そして一望できる東京。
この世界に何万もの人々それぞれのドラマがある。
生命がそこにある。
自然界のすべてに神の法があり、その法によってこの世のすべてが生かされている
マヤは急速に紅天女のセリフの意味が体に浸透していくのを感じた。
都会のオアシスのような不思議な空間。
オブジェ、水のカーテンを通してきらめく日の光
梅の里での大自然とは違うが、これも風火水土・・・・。
紅天女の世界観・・・!そして
神と仏の恋物語・・・

**
マヤと紫のバラ、そして真澄との関係に不安を抱く紫織。
父子2代に渡って追い求めてきた幻の舞台「紅天女」
その実現のために、女優として興味を持っているだけ・・・そう思う一方、
真澄の時折見せる冷酷な表情や、ことマヤに関して投げつけれる
辛辣な言葉などがかえって紫織の不安をかき立てる。
ある日紫織は、麗達からマヤと紫のバラの送り主の関係を聞く。
マヤが中学生、初舞台の時からの熱心なファンであること、
いつも紫のバラを贈り励ましてくれてきたこと、
時には学費や、劇場の改修まで支援してくれたこと、
マヤの女優としての心の支えであり、高校卒業時にマヤが
自身の卒業証書と学園生活をまとめたアルバムをその人に贈ったこと・・・
紫織はいつか真澄の別荘で見つけたアルバムの事を思い出し蒼白になる。
そしてついに見つけてしまう。
真澄の別荘で、マヤの高校卒業証書を。
真澄さま、あなたはずっとあの少女を、陰で支えてこられたのですね・・・・
誰にも真実を知られることなく、表だってはあんなにひどい態度で接してきた
北島マヤ、そこに真澄のマヤへの深い愛情を察知した紫織は、
絶対に真澄を奪われたくないと、嫉妬の炎を燃やす。

離れなければならない、忘れなければならないと思いつつ、
側に行きたい、一目でいいから見たいという気持ちを押さえられず、
真澄は仕事途中に一人、マヤ達が稽古をしていたという新宿新都心の広場に立ってマヤを思う。

その姿を、紫織は陰で見つめていた。
自分との約束は、仕事を理由にキャンセルするのに、
こうして仕事の合間を縫ってでも北島マヤの居た場所に立寄ろうとする・・・
真澄にとっての北島マヤの存在がもはや単なる一女優、紅天女候補としての
ものではないことを、紫織は確信していた。
“どんなことをしても 北島マヤを真澄様の心から追い出して見せますわ”

**
映画のロケ地から急きょ帰宅した亜弓の母、歌子は、手術を受けるよう説得する。
しかし亜弓は頑として首を縦にはふらなかった。
このまま試演を受けたとして、目が見えない状態で演技が出来ると思うのか。
そう問う歌子に、やってみなければわからないとあくまで挑戦する意思を曲げない。
根負けした歌子は、それならば私自身が稽古をつけると決意し、
母子の壮絶な稽古が始まった。


第26巻へは・・・こちらから
*****感想**************************************
二人の阿古夜編も前章に引き続きつらいつらーい章なので、まとめがやや浅く
なってしまいました・・・。直視できないよ、真澄はん。
紫織もとうとう覚醒してしまいましたし、次巻はほんとにジェットコースター展開です。


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