※※『ガラスの仮面』文庫版読み返してます。あらすじと感想まとめてます。※※
※※内容ネタバレ、感想主観です。※※
仮面年表は こちら
紫のバラ心情移り変わりは こちら
49巻以降の話、想像してみた(FICTION)*INDEX*はこちら
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『ガラスの仮面』文庫版第07巻 ※第7章(途中から)(途中まで)
第7章 炎のエチュード
最終審査を終え、審査会場は紛糾していた。
全ての審査をパーフェクトな演技でこなした亜弓の実力は疑いようもなく、またネームバリューとしても、
歌子との母子共演という話題性からいっても、その優位性は揺らぐことはない。
しかし、審査員の心の中には、粗野ながら一風変わったマヤの演技の印象が消えず、
結局最終投票でも同数に割れてしまう。
最後の1票は姫川歌子の手に握られている。
部屋の外で審査を待つマヤの心は震えていた。
この役を得られなければ、劇団つきかげを破門、女優としての道は閉ざされる。
そして亜弓もまた、これまで感じたことのない不安を感じていた。
自分の才能に絶対的自信があるのに、なぜか気になる、北島マヤいう存在に。
ヘレン・ケラー役は、姫川歌子の投票により、
マヤと亜弓のダブルキャストに決定した。
**
いよいよスタートラインに立った『奇跡の人』、その顔合わせ会場で、マヤは真澄に遭遇する。
いつものようにからかい口調で声をかけてくる真澄に対し、目も合わせずぞんざいな対応をするマヤ。
すると真澄の顔から浮かべていた微笑みが消え、乱雑にマヤのあごをつかむと無理やりその顔を自分に向けさせた。
そして、芸能界では何より礼儀が大事であること、自分を嫌うのは構わないが、私情を表に出さず、
関係者は大事にするようにと厳しく指導して去っていった。
**
本格的に稽古がスタートした。
さすがの呼吸を見せる歌子と亜弓のペアに対し、
いまいちかみ合わないマヤとの演技、
予測不能の動きを見せるマヤに、歌子が翻弄されてしまうのだ。
演技がうまくいかず笑われてしまったと公園で落ち込んでいたマヤの目の前に、桜小路が現れた。
桜小路は、話題となっている舞台で、しかも亜弓とダブルキャストとなったマヤがプレッシャーを感じているのではないかと心配していたのだ。
久し振りに会うのに、なぜか取り澄ました様子の桜小路にいらだったマヤはどんと桜小路を突き飛ばす。
マヤはなぜ突然桜小路が距離をおいたように接してくるのか、不満だったのだ。
そんなマヤの昔と変わらない素朴な様子に、抑えようとしていた恋心が再び蘇る桜小路。
思わずつかんだマヤの手をぎゅっとにぎると、熱い眼差しを向けた。
あわててその場を後にしたマヤの心は、先ほど握られた手から熱いものが流れてくるように
どきどきとしていた。
その気持ちの意味など分からないまま・・・。
『奇跡の人』の稽古は続くが、マヤも亜弓も頑なにお互いの稽古は一切見ることなく、
ひたすら自身のヘレンに集中するように心掛けていた。
そしてふたりは舞台の重要なシーン、
ヘレンが初めて物に名前があることを知る、
"水=ウォーター"の奇跡の表現に向かう。
部屋中を水浸しにしながら役作りに没頭する亜弓とマヤ。
そしてとうとう亜弓は、水に”感電”する感覚を、
そしてマヤはぎりぎりまで膨らんで弾けるヨーヨーの水しぶきを体現するに至る。
**
『奇跡の人』初日
さすがの知名度を誇る亜弓の舞台は満員御礼、著名な劇評家や演出家も多数駆けつけ、ロビーにはたくさんの花束が並べられていた。
アカデミー芸術祭にエントリーしている本作品、その審査員も見守る中、姫川亜弓のヘレンの幕が上がる。
すっかり人気のなくなったロビーでただ一人、黙々と鯛焼きを食べるマヤに、速水真澄が話かけてきた。
とっさに体を強ばらせるマヤだったが、以前真澄にきつく言われた、礼儀を大事にしろという言葉を思い出し、
たどたどしくも慇懃に挨拶をしようとする。
そのあまりのぎこちなさに高笑いが押さえられない真澄は、マヤにジュースを差し出すと、
鯛焼きをひとつもらい、隣に腰掛けて一緒に食べ始めた。
そして、とにかく演技をしている時は、自分が生きていると感じるというマヤの言葉に、
小さくうらやましい・・・とつぶやくのだった。
亜弓のヘレンは、喝采と共に観客を感動の渦に巻き込んだ。
**
翌日、マヤの舞台の初日は、さすがに客の入りは前日の比ではない。
亜弓と比べられることへの不安に押しつぶされそうなマヤ、しかしそこへ盛大な紫のバラの花輪が届けられると、
マヤは自分のヘレンの仮面をかぶった。
私のヘレンを待っている人がいる!
ロビーでは、昨日のマヤのように今日は亜弓が、ひたすら鯛焼きを食べている。
そして客席に座る真澄の前に、マヤのヘレンが姿を現した。
紫のバラの人、これが私のヘレンです!
マヤのヘレンは、全く先が読めなかった。
共演する歌子も、稽古の時とは全く違う動きを見せるマヤのヘレンに、何か自分の中の歯車が狂い始めるのを感じていた。
そして演技が本気になっていく感覚を感じていた。
それは歌子の長いキャリアの中で初めての体験だった。
舞台上での演技という闘い。
変幻自在に動き回るマヤ、そしてそれにこれまた思いもよらぬ対応を見せる歌子の演技に、観客は時に大笑いをし、
最後には大きな感動を覚えたのだった。
カーテンコールで、歌子はマヤの頬に優しくキスをした。
歌子自身、自分が舞台の上でどんどん本気になり、役柄と同化していく感覚は初めての体験であり、
その達成感に高揚を抑えきれずにいた。
こうして台本度外視のマヤと歌子の舞台は話題を呼び、無名な少女はどんどん光のさす世界へと
足を進めていく。
第08巻へは・・・こちらから
*****感想**************************************
この辺りからどんどん劇中劇の割合が増加してきて、反対にあらすじとしてまとめる部分は
少なくなっていくという予感・・。
劇中劇、すごくおもしろくて大好きなんだけど、まとめようがないですよね。
(『奇跡の人』でも大変なのに、『ふたりの王女』どうなっちゃうんだろう・・・)
そしてどんどんこれから真澄とマヤの関係もジェットコースターになっていくのです。
今巻での見どころは(劇中劇以外で)、やっぱりなんといっても真澄あごクイからの説教シーンでしょう。
後に、あんなに小さな頃からずっと私のことを時に厳しく親身になって助けてくれていた!と
感動するに至る・・・・エピその1。
そろそろ真澄のマヤLOVEバロメーターでもつけはじめようかな・・・。
『奇跡の人』現在
マヤ:15歳(高1)
~大都芸能は『紅天女』のために劇団つきかげをそして千草をつぶそうとしている悪いヤツ。
そして真澄はその会社の社長なんだから一番悪いヤツ。
あいつの思うとおりになんかさせたくない。だけどつい相手のペースに乗せられてしまう。
いやみったらしく説教して来たり、マヤの事をうらやましいと言ったり、たまに極悪社長らしからぬ
表情を見せるような気がして、そこは少し気にかかる・・・。
真澄:26歳
~マヤの純粋に演技に向かうひたむきな姿勢に心を動かされる。
何も持っていないのに、真実だけは持っているようなその輝きをうらやましく思う。
今まで幸せという言葉に興味もなく、求める事もなく生きてきた、そしてそんな人生に何の不満もなかった。
しかし、そんな地位も名誉も金も持っている自分自身が、
マヤを見ているとふと幸せとはなにかを考えてしまう、自分自身の心の変化に戸惑う時も。
そして全て計算づくで生きる事が当たり前だった自分が、マヤに対してだけ
本能的に動いてしまう事が理解できない。
鈍感な二人ですが、マヤはとりあえず真澄の事特に好きではない御様子。
うっかり手を握った桜小路くんにどきどきするくらいの、初恋にも至っていない乙女です。高1なのに・・・。
真澄も真澄で、多分これまで本気恋愛したことないだろうから、自分のこの気持ちが
愛だー恋だーという事に気づいてないという・・・・、もう立派な社会人なのに・・・。
あらすじが短くなると、感想が長くなる・・・。
※※内容ネタバレ、感想主観です。※※
仮面年表は こちら
紫のバラ心情移り変わりは こちら
49巻以降の話、想像してみた(FICTION)*INDEX*はこちら
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『ガラスの仮面』文庫版第07巻 ※第7章(途中から)(途中まで)
第7章 炎のエチュード
最終審査を終え、審査会場は紛糾していた。
全ての審査をパーフェクトな演技でこなした亜弓の実力は疑いようもなく、またネームバリューとしても、
歌子との母子共演という話題性からいっても、その優位性は揺らぐことはない。
しかし、審査員の心の中には、粗野ながら一風変わったマヤの演技の印象が消えず、
結局最終投票でも同数に割れてしまう。
最後の1票は姫川歌子の手に握られている。
部屋の外で審査を待つマヤの心は震えていた。
この役を得られなければ、劇団つきかげを破門、女優としての道は閉ざされる。
そして亜弓もまた、これまで感じたことのない不安を感じていた。
自分の才能に絶対的自信があるのに、なぜか気になる、北島マヤいう存在に。
ヘレン・ケラー役は、姫川歌子の投票により、
マヤと亜弓のダブルキャストに決定した。
**
いよいよスタートラインに立った『奇跡の人』、その顔合わせ会場で、マヤは真澄に遭遇する。
いつものようにからかい口調で声をかけてくる真澄に対し、目も合わせずぞんざいな対応をするマヤ。
すると真澄の顔から浮かべていた微笑みが消え、乱雑にマヤのあごをつかむと無理やりその顔を自分に向けさせた。
そして、芸能界では何より礼儀が大事であること、自分を嫌うのは構わないが、私情を表に出さず、
関係者は大事にするようにと厳しく指導して去っていった。
**
本格的に稽古がスタートした。
さすがの呼吸を見せる歌子と亜弓のペアに対し、
いまいちかみ合わないマヤとの演技、
予測不能の動きを見せるマヤに、歌子が翻弄されてしまうのだ。
演技がうまくいかず笑われてしまったと公園で落ち込んでいたマヤの目の前に、桜小路が現れた。
桜小路は、話題となっている舞台で、しかも亜弓とダブルキャストとなったマヤがプレッシャーを感じているのではないかと心配していたのだ。
久し振りに会うのに、なぜか取り澄ました様子の桜小路にいらだったマヤはどんと桜小路を突き飛ばす。
マヤはなぜ突然桜小路が距離をおいたように接してくるのか、不満だったのだ。
そんなマヤの昔と変わらない素朴な様子に、抑えようとしていた恋心が再び蘇る桜小路。
思わずつかんだマヤの手をぎゅっとにぎると、熱い眼差しを向けた。
あわててその場を後にしたマヤの心は、先ほど握られた手から熱いものが流れてくるように
どきどきとしていた。
その気持ちの意味など分からないまま・・・。
『奇跡の人』の稽古は続くが、マヤも亜弓も頑なにお互いの稽古は一切見ることなく、
ひたすら自身のヘレンに集中するように心掛けていた。
そしてふたりは舞台の重要なシーン、
ヘレンが初めて物に名前があることを知る、
"水=ウォーター"の奇跡の表現に向かう。
部屋中を水浸しにしながら役作りに没頭する亜弓とマヤ。
そしてとうとう亜弓は、水に”感電”する感覚を、
そしてマヤはぎりぎりまで膨らんで弾けるヨーヨーの水しぶきを体現するに至る。
**
『奇跡の人』初日
さすがの知名度を誇る亜弓の舞台は満員御礼、著名な劇評家や演出家も多数駆けつけ、ロビーにはたくさんの花束が並べられていた。
アカデミー芸術祭にエントリーしている本作品、その審査員も見守る中、姫川亜弓のヘレンの幕が上がる。
すっかり人気のなくなったロビーでただ一人、黙々と鯛焼きを食べるマヤに、速水真澄が話かけてきた。
とっさに体を強ばらせるマヤだったが、以前真澄にきつく言われた、礼儀を大事にしろという言葉を思い出し、
たどたどしくも慇懃に挨拶をしようとする。
そのあまりのぎこちなさに高笑いが押さえられない真澄は、マヤにジュースを差し出すと、
鯛焼きをひとつもらい、隣に腰掛けて一緒に食べ始めた。
そして、とにかく演技をしている時は、自分が生きていると感じるというマヤの言葉に、
小さくうらやましい・・・とつぶやくのだった。
亜弓のヘレンは、喝采と共に観客を感動の渦に巻き込んだ。
**
翌日、マヤの舞台の初日は、さすがに客の入りは前日の比ではない。
亜弓と比べられることへの不安に押しつぶされそうなマヤ、しかしそこへ盛大な紫のバラの花輪が届けられると、
マヤは自分のヘレンの仮面をかぶった。
私のヘレンを待っている人がいる!
ロビーでは、昨日のマヤのように今日は亜弓が、ひたすら鯛焼きを食べている。
そして客席に座る真澄の前に、マヤのヘレンが姿を現した。
紫のバラの人、これが私のヘレンです!
マヤのヘレンは、全く先が読めなかった。
共演する歌子も、稽古の時とは全く違う動きを見せるマヤのヘレンに、何か自分の中の歯車が狂い始めるのを感じていた。
そして演技が本気になっていく感覚を感じていた。
それは歌子の長いキャリアの中で初めての体験だった。
舞台上での演技という闘い。
変幻自在に動き回るマヤ、そしてそれにこれまた思いもよらぬ対応を見せる歌子の演技に、観客は時に大笑いをし、
最後には大きな感動を覚えたのだった。
カーテンコールで、歌子はマヤの頬に優しくキスをした。
歌子自身、自分が舞台の上でどんどん本気になり、役柄と同化していく感覚は初めての体験であり、
その達成感に高揚を抑えきれずにいた。
こうして台本度外視のマヤと歌子の舞台は話題を呼び、無名な少女はどんどん光のさす世界へと
足を進めていく。
第08巻へは・・・こちらから
*****感想**************************************
この辺りからどんどん劇中劇の割合が増加してきて、反対にあらすじとしてまとめる部分は
少なくなっていくという予感・・。
劇中劇、すごくおもしろくて大好きなんだけど、まとめようがないですよね。
(『奇跡の人』でも大変なのに、『ふたりの王女』どうなっちゃうんだろう・・・)
そしてどんどんこれから真澄とマヤの関係もジェットコースターになっていくのです。
今巻での見どころは(劇中劇以外で)、やっぱりなんといっても真澄あごクイからの説教シーンでしょう。
後に、あんなに小さな頃からずっと私のことを時に厳しく親身になって助けてくれていた!と
感動するに至る・・・・エピその1。
そろそろ真澄のマヤLOVEバロメーターでもつけはじめようかな・・・。
『奇跡の人』現在
マヤ:15歳(高1)
~大都芸能は『紅天女』のために劇団つきかげをそして千草をつぶそうとしている悪いヤツ。
そして真澄はその会社の社長なんだから一番悪いヤツ。
あいつの思うとおりになんかさせたくない。だけどつい相手のペースに乗せられてしまう。
いやみったらしく説教して来たり、マヤの事をうらやましいと言ったり、たまに極悪社長らしからぬ
表情を見せるような気がして、そこは少し気にかかる・・・。
真澄:26歳
~マヤの純粋に演技に向かうひたむきな姿勢に心を動かされる。
何も持っていないのに、真実だけは持っているようなその輝きをうらやましく思う。
今まで幸せという言葉に興味もなく、求める事もなく生きてきた、そしてそんな人生に何の不満もなかった。
しかし、そんな地位も名誉も金も持っている自分自身が、
マヤを見ているとふと幸せとはなにかを考えてしまう、自分自身の心の変化に戸惑う時も。
そして全て計算づくで生きる事が当たり前だった自分が、マヤに対してだけ
本能的に動いてしまう事が理解できない。
鈍感な二人ですが、マヤはとりあえず真澄の事特に好きではない御様子。
うっかり手を握った桜小路くんにどきどきするくらいの、初恋にも至っていない乙女です。高1なのに・・・。
真澄も真澄で、多分これまで本気恋愛したことないだろうから、自分のこの気持ちが
愛だー恋だーという事に気づいてないという・・・・、もう立派な社会人なのに・・・。
あらすじが短くなると、感想が長くなる・・・。
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