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都知事選など「小池百合子、憲政史上初の女性宰相」へのバネにすぎないのだろう/倉山満

2020年07月10日 08時30分00秒 | 政治のこと



都知事選など「小池百合子、憲政史上初の女性宰相」へのバネにすぎないのだろう

>。立憲民主党が野党第一党であり続ける限り真っ当な人々は寄り付かず、一定数以上の勢力にはならないし、結果として与党がいかなる悪政をしても許される。

これまで、都知事選に限らず「まだマシなのは誰か」が投票基準だった人は多いはずだ。しかし、閉塞感の打破には「ポスト安倍」を見据えた判断が我々に求められるのだろう 写真/時事通信社

 東京都知事選挙で、小池百合子知事が圧倒的な支持を得ているらしい。  この御仁、コロナ騒動で何をしていたのか誰もが忘れていたが、東京オリンピックの延期が決まるや突如として連日メディアに登場、MXテレビなど「小池広報チャンネル」と化す有様だった。  

不用意に「ロックダウン」を口走り大混乱させた後、「国が出さないなら都が金を出す」とのパフォーマンスで雀の涙ほどのバラマキを行った。確かに補償金を出したのは評価すべきだが、同時に、その前の大混乱の原因を作ったのが誰かも忘れてはなるまい。  

これは安倍晋三首相も同じなのだが、疫病対策の要諦をわかっているのか。人心を鎮めることであり、金はその最も重大な道具にすぎない。札束で頬を殴るような渡し方をして国民が反発しても、為政者の責任だ。それでも多くの国民は何の法的権限も無い「自粛要請」に従った。日本が欧米に比してコロナ禍の被害者が少ないのは国民のおかげであり、アジアの中で犠牲者が多いのは政治家と官僚の責任であると自覚すべきだろう。  

そんな感謝の念など小池知事には微塵も見えないが、一方で選挙には盤石の姿勢で臨んでいる。都議会が閉じ、選挙戦が始まる直前まで、自粛を続けさせた。東京アラートなど、「やってみたかった」以外の理由がまったく見いだせないが、自粛を続けさせるのには大きな意味がある。対立候補の活動を阻止するためだ。人々に恐怖を煽り、あらゆる活動を自粛させれば、当然ながら政治活動は制限される。ならば、露出度が圧倒的な現職が有利に決まっている。  

小池知事は政治経歴において一度も公明党に喧嘩を売ったことが無いのだが、今回は二階俊博自民党幹事長も味方につけた。これで敵対する自民党東京都連も抑えた。さらに、野党の支持基盤である労働組合の連合も切り崩した。組織票では圧倒的である。 

 噂される学歴詐称疑惑も、どこ吹く風。小池都知事の目論見は、都知事選挙など「憲政史上初の女性宰相」への跳躍台にすぎないのだろう。もっとも、政界の一寸先は闇、3年前も土壇場の決心がつかずに政権を逃した。何が起こるかわからないのが世の中だ。  

今回、小池氏以外に4人の有力候補がいる。その中で、NHKから国民を守る党(ホリエモン新党)の立花孝志氏は路線が独自すぎるので論評しがたいが、他の3人の動向は注目に値する。 

 野党統一候補に名乗りを上げたのが、元日弁連会長の宇都宮健児氏だ。宇都宮陣営は2位死守が至上命題だ。ただ、共産党が支持基盤なので立憲民主党と社民党は好意的だが、国民民主党は自主投票で事実上の敵対的中立、連合に至っては離反して小池陣営に走ってしまった。 

 都知事選は、特に今回の選挙は、国政の縮図だ。仮に自公が応援する小池が1位、立民ら野党連合が推す宇都宮が2位になったとしよう。国政の構図そのものだ。

なぜ枝野以下立憲民主党幹部は、増税に固執するのか。理由は、バカかスパイのどちらかしかない

  これに待ったをかけたのが、れいわ新選組の山本太郎氏となる。山本氏は「減税」――特に消費減税――を掲げて政界の台風の目と化している。与党が増税を掲げているのだから、野党が減税を旗印に戦うのは理の当然だ。ところが、頑なに減税を拒否する愚か者がいる。枝野幸男ら立憲民主党の幹部どもだ。  

先日も須藤元気参議院議員が立憲民主党を離党表明、山本氏を応援すると宣言したことで離党届も受け取られずに除籍とされた。立憲民主党など、犯罪をしでかした議員の離党届も受け取る政党だ。要するに、幹部は忠誠心でしか議員を評価していない。須藤議員は「なぜ減税を訴えたら幹部に従えと命令されなければならないのか」と涙ながらに訴えた。立民幹部には生意気としか映らないだろう。 

 しかし、なぜ枝野以下立憲民主党幹部は増税に固執するのか。理由はバカかスパイのどちらかしかない。連中が与党の回し者なのか、それともパーフェクトなバカなのか、いずれにしても国民の敵であることには違いが無い。立憲民主党が野党第一党であり続ける限り真っ当な人々は寄り付かず、一定数以上の勢力にはならないし、結果として与党がいかなる悪政をしても許される。その証拠に、ここまで無能の限りを尽くした安倍内閣の支持率が、まだ3~4割もあるではないか。 

 こうした閉塞状況を打破しようとしている1人が、山本太郎氏だ。大きな組織を持たない山本氏が宇都宮氏を抜くような結果になれば、枝野代表の責任問題が問われなければならない。 

 そもそも、「枝野さんがいる限り安倍さんは安泰」「安倍内閣最大の支持者」と化している人間が野党第一党党首に居座る時点で、国民を愚弄しているし、選挙の意味が無い。 

 明るい兆しが、各種世論調査で、日本維新の会が政党支持率で野党第一党となっていることだ。もちろん、どこぞの都知事と違って誠実な態度の吉村洋文大阪府知事の人気に負うところが大きい。国民は「安倍か枝野か」「自民党かやる気のない野党か」の、事実上は選択肢が無い状態に置かれてきた。こうした閉塞感を打ち破れるか。  

維新の会の小野泰輔候補がどこまで票を伸ばすかが試金石となろう。仮に4位であっても、票数次第では1年以内にある衆議院選挙で、維新が東京でどこまで議席をとれるかの指標となる。いわば、地盤づくりの意味もある。  

多くの人は都知事選など結果が決まっていると関心が無いかもしれないが、実は国政を左右する重大な選挙なのだ。

  河井前法相逮捕以後、急に「解散風」が吹き始め、ポスト安倍を見据えた自民党実力者の会合が相次いでいる。では、どうなるか?  

日本の総理大臣は自民党総裁である。自民党総裁は、派閥の数で決まる。すなわち、細田(安倍)・麻生・竹下・二階・岸田の五大派閥の組み合わせ次第だ。現在、岸田文雄政調会長に禅譲を目論む安倍首相に、二階幹事長らが反発している形勢だ。  

だから、麻生太郎副総理(財務省)がどちらに付くかで決まる。 

 つまり、誰が勝っても増税だ。  ならば、どうするか? 倒すしかないではないか。それにはまず、枝野幸男を筆頭とするやる気のない野党幹部にご退場を願うことだ。



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天下の東大入学をフライングゲット? 5年目迎えた「推薦入試」、しかし裏にはシビアな現実があった

2020年07月10日 07時30分39秒 | 受験のこと
天下の東大入学をフライングゲット? 5年目迎えた「推薦入試」、しかし裏にはシビアな現実があった


最後のセンター試験も終わり、国公立大学を目指す受験生は前期日程の2次試験に出願し、入試本番に備えています。各大学の2次試験は2020年2月25日(火)から実施されますが、東京大学の2020年度推薦入試の合格者は、それに先立つ2月12日(水)に発表されます。


【ひと時の癒やし】受験あるある「受験川柳」に共感の嵐

 2016年度入学者選抜試験から導入された東京大学の推薦入試は、今回で5回目となります。世間では、

「推薦・AO入試組は、一般入試組の学生と学力差がある」

としばしば指摘されますが、東大では学力に開きはあるのでしょうか。
東大キャンパスのすぐ近くにある東京メトロ南北線の東大前駅(画像:写真AC)        
 


理科類の医学部医学科にも推薦枠
 
 東大では推薦入試を始めるにあたり、後期日程の募集を廃止し、全学部100人の募集定員をそのまま推薦入試の定員に据え置きました。

 東大の一般入試は学部への出願ではなく、文科1類、理科3類といった科類の試験を受け、1学年から2学年前期までは教養学部に属することになっています。ほかの大学とは異なり、2学年の後期から成績や進学希望を踏まえて各学生が専門学部や学科を選択するシステムです。

 一方、推薦入試では最初から志望する学部への出願が可能となっており、「この学部に行きたい」と強い思いを持つ高校生に門戸を開いているという特徴があります。

 ただし、教養学部のように理系と文系の専門学科が混在している学部も多いため、各学部によって合格者それぞれに相当する科類を指定し、教養学部に所属することになります。

  学部ごとの募集定員は規模によって振り分けられており、最多が工学部の30人、最少は薬学部と医学部の5人となっています。しかし、医学部に関しては医学科が3人、健康総合科は2人と募集定員が定められています。そのため入試を受ける段階で学びたい専門分野が決まっていない受験生には、推薦入試は不向きと言えるでしょう。

センター試験を受けるため会場に向かう受験生たちのイメージ(画像:写真AC)        
 


センター受験が必須、2019年度の合格者は最少
 
 東大推薦入試の募集要項や求める学生像を見ると、学業成績がよく科学オリンピックや国内外でのコンクール受賞歴、論文作成などハイレベルなものになっています。

 しかしながら、推薦入試の志願者数は1回目の173人を皮切りに、この5年間は大きな変化もなく推移しています。

 書類審査の1次選考を通過した学生の数も、最多を記録した2019年度入学者選抜が149人、最少は2017年度入学者選抜の127人で、いずれも募集定員を超えています。それにも関わらず、最終合格者数は初年度の77人以降は減少し、19年度の合格者は過去最少の66人にとどまっています。

 東大の推薦入試の最大の特徴は「センター試験の受験が必須」という点です。大学は医学部医学科の志願者は900点満点中780点、そのほかの学部でもおおむね8割以上取れることを必要最低限の学力と公言しています。入学後の授業についていけるだけの学力を求めているのです。

  つまり、書類選考を通過し、毎年12月中旬に行われる面接で好印象を与えたとしても、センター試験の結果次第では涙をのむ学生がいるということを意味しているのです。このため、世間一般で指摘される一般入試組と推薦組の学力差はほぼないと考えられます。

あわよくば」など通用しない狭き門 
 東大の推薦入試では、国内外の大会での受賞歴が求められるなど、短期で通過できるものではありません。早い段階から推薦をにらんで対策を練る必要もあります。ただ単に「合格したいから」という思いや「学校の内申書が良い」という短絡的な考えでは突破することは不可能です。

 学生自身が意欲を持って、将来的にわたって継続して研究したいテーマや分野を見つけることが重要といえるでしょう。「情熱をかけて取り組みたいことは何か」と自問自答し、興味と結びつくコンクールに積極的に参加するといった行動力も必要です。

 東大としては、東大に入ったことで満足せず、自ら学び行動するハイレベルな学生を欲しているのは間違いありません。推薦入試は大学入学後に研究したい分野がすでにある学生には魅力的ですが、壁を越えるにはかなりの力量が求められます。

  学生ひとりだけではなく、高校での指導や協力も不可欠です。東大の推薦入試に関しては合格を勝ち取るために中長期的な計画を立てる必要があるのではないでしょうか。

4/24/2020


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