日本のイスラーム (Islam in Japan)

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福岡マスジド・コミュニティに見た新天地 April 29 Friday Khutbah at Fukuoka Masjid

2011年05月10日 | イスラーム講義活動(ボランティア)

April 29, 2011 at Fukuoka Masjid

 

بسم الله الرحمن الرحيم

خطبة الجمعة في مسجد فوكوأوكا (29/4/2011م الموافق 25/جمادى الأولى/ 1432هــ)

الصلة الدائمة الأبدية بيننا        永久の絆

إنّ الحمد لله، نحمده ونستعينه ونستغفره ونستهديه، ونعوذ بالله من شرور أنفسنا ومن سيئات أعمالنا، من يهده الله فلا مضل له ومن يضلل فلا هادي له. أشهد أن لا إله إلا الله وحده لا شريك له وأشهد أنّ سيدنا محمداً عبده ورسوله، خير نبي أرسله، أرسله بالهدى ودين الحق ليظهره على الدين كله ولو كره المشركون. اللهم صل وسلم وبارك على سيدنا محمد وعلى آله وصحبه ومن تبعهم بإحسان إلى يوم الدين. أما بعد فيا عباد الله، أوصيكم ونفسي المذنبة بتقوى الله عز وجل وأحثكم على طاعته.

敬愛なる兄弟姉妹の皆さん、私たちはこの世界に生きる上で、様々なつながりの中にあります。両親、兄弟、親戚、友人、先生、先輩、後輩、上司、同期の仲間、隣人など多種多様な関係の中で生かされている、それが私たちの人生です。そしてこうした人と人とのつながりが、先月の震災以来復興の励みとなり、いたるところで見直されております。

ここで自問すべきは、どれも大切な人たちのつながりのうち、果たしてどれが永久の絆として残り続け、どれが私たちあるいは相手方の死とともに消えてなくなってしまうかを見極めることではないでしょうか。

絶対安全だと信じ込まされていたものがそうではないことが証明され、贅沢な暮らしの中で安全かつ快適な未来が地続きでつながっていると思い込んでいた私たちの毎日が、いつ何時突然遮断されるかもしれない現実を目の当たりにさせられた今だからこそ、消えてなくなることのない確かなつながりと絆を再確認しましょう。

 

My Dear and Respected Brothers and Sisters, we are living in this world being surrounded by many different kinds of bonds and relationships. Parents, Siblings, Friends, Teachers, Seniors, Juniors, Bosses at work and Colleagues, Neighbors and so on. We are linked with many people and that is our life.

Ever since the shocking incident of earthquakes and Tsunami, such bonds and links and relationships between people are reflected, appreciated ever often here and there, and taken as the best comfort and the encouragement for the revival of disaster victims. What we’d like to question ourselves today is what kind of bonds and relationships would last forever without disappearing at the time of our death with Allah’s permission, among all the precious bonds and relationships we are granted.

Things like nuclear power stations which were made to believe that they are perfectly safe without any doubt has now come to be proven for its danger. Living in Japan with luxury of convenient lifestyle, feeling that our comfortable future is promised and granted, has now come to be witnessed that we never know when our life can be easily cut off all the sudden. Let us now review the true, certain bond and relationship which would be with us everlastingly, as long as Allah’ permits for us.

 

至高のアッラーは仰せられております。

『アッラーの絆に皆ですがり、離れ離れになってはならない。』(3:103)

クルアーン注釈学を専門とする学者先生たちはこの絆をして、「宗教の道において、それによって真理へと到達しうるすべてのもの」ということから、様々なものを挙げております。

イブヌ・カスィール先生(H.774d)は「アッラーとの約束」とも、ハディースを典拠に「クルアーンそのもの」とも言っております。[1] 転落から逃れるために掴むものとしての絆それはかの御方の教えであり、約束であり、クルアーンです。アルバイダーウィー先生(H.685d)は「かの御方の宗教または啓典」と説き、アンナサフィー先生(H.710d)もこの絆を「クルアーン」であると解説しています。アットゥスタリー先生(H.283d)は「かの御方とのお約束つまりタウヒードにしかと摑まれということである」と解説しています。[2]

つまりはこうしたアッラーの絆によるつながり、信仰のつながりこそが、永久に続く本当に確かなものだというわけです。

 

Almighty Allah says in His Holy Book of Quran; “Stick to the bond of Allah and do not be divided”. (3:103)

Scholars of Tafseer say many things about this bond of Allah but the point is “everything which enables you to reach the Truth in the path of Islam” so Imam Ibn Katheer explains that this bond is meant to be “The commitment with Allah” or “The Quran”. Imam Al-Baydhaawiy says that is His Deen or His Book, and Imam An-Nasafiy says that is the Quran. Imam At-Tustary says, “It means to stick to the commitment with Him meant to hold tight to the Tawheed”. That is to say, the everlasting bond and relationship is the one which is based on Allah’s bond, the faith itself.

 

審判の日に、暑くて暑くてかなわない、アッラーのお恵みくださる陰のほかには灼熱の日差しから逃れるすべのないその極限の日に、至高のアッラーが陰をお恵みくださる七種類の人たちの一つに数えられるのは、どんな人たちでしたでしょうか。そうです、お互いにアッラーを愛するがゆえに仲良くなり、アッラーがゆえに集いあって、アッラーがゆえに別れゆく人たちです。[3] つまり救われるつながりは、信仰のつながりだということがよくわかります。

           On the Judgment day, on that hot and humed and burning day of critical day when we could find no shadow except the shadow of Allah, who are the fortunate 7 types of people saved by Allah’s shadow? Yes, among them are those who love each other for the sake of Allah, gathering and departing for the sake of Allah. That is to say, the bond and the relationship which would be sheltered is the bond of Faith.

 

それからもう一つ、我らが預言者ムハンマドさま、ラスールッラー(アッラーの祝福と平安あれ)はなんと言っておられますか。

あるときある人が最後のときはいつかを尋ねました。するとアッラーの御使いは礼拝へと立ち行かれ、そのあとで先ほどの質問者がどこにいるか問われました。「それは私です」という彼に、「そのときのために、あなたはどんな備えをされましたか?」と尋ねるラスールッラー。「特に礼拝や断食をたくさんしてこられたわけではありませんが、アッラーとその御使いは愛しております」と答えた彼に、「人は自分が愛する人とともにあるものです。あなたはあなたが愛する存在とともにいられるようになるでしょう。」と回答され、そのときほどムスリムたちが喜んだのは見たことがないくらいだったとのことです。[4] 

つまり私たちは何を、誰を愛するか次第の生き方を送るようになり、ひいてはそれが死後の行く先すら方向づけるようになるということ。すなわちつながりの元ともいえる私たちの心を何で満たすかが要となります。

 

Another thing is what our beloved Prophet Muhammad (S.A.W.) said to one man who asked him when the Last Day would be. Then the Messenger of Allah stood for the prayer and asked where is questionor. When the man answered, “That is me”, the Prophet said, “Then what did you prepare for that?” The man replied, “I haven’t prepared enough for prayers and fasting, but I do love Allah and His messenger.” Then he said, “Person would be there with the one he loves. You shall be with the one you love.” So that Muslims got overwhelmed with joy and happiness.

 

『汝ら信仰する者たちよ、アッラーを畏れよ。かの御方にふさわしいほどに畏れよ。そしてムスリムとしてのほかは決して死んではならない。アッラーの絆に、みんなでしっかりと掴まり、分裂してはならない。そしてアッラーの御恵みを思い出すがよい。汝らが互いに敵対しあっていたところ、汝らの心を結び付けてくださり、かの御方の御恵みによって汝らは互いに兄弟となったではないか。汝らは地獄の業火の淵にいたが、かの御方はそこから救ってくださったのである。こうしてアッラーは汝らにその御しるしを明らかにされる。きっと汝らは導かれよう。』(3:102-103)[5]

親とのつながりが、兄弟とのつながりが、子どもたちとのつながりが、伴侶とのつながりが、友人とのつながりが、「信仰」である人は、アッラーに感謝しましょう。そして喜んでください。たとえこの世で死に別れることがあろうとも、それはしばしの別れに過ぎないものであり、アッラーのお許しによってきっと永遠のあの世で再会できるということに、喜んでください。

一方、親とのつながりが、兄弟とのつながりが、子どもたちや伴侶、友人とのつながりが、「信仰」ではない人は、最善を尽くすことを心がけ、最後まで諦めずにアッラーに祈り続けましょう。

皆さんもどうか祈ってください。私たちみんなの父や母が、兄弟姉妹が、祖父や祖母、おじやおばが、友人ら愛する人すべてが万物の主アッラーとのつながりに目覚め、私たちと信仰のつながりによって永久に永久につながっていけますように。アッラーのお慈悲とお導きを、どうかお祈りください。



[1]  قال الإمام ابن كثير في تفسيره: وروى ابن مردويه .... عن عبد الله (بن مسعود) رضي الله عنه قال: قال رسول الله صلى الله عليه وسلم ((إن هذا القرآن هو حبل الله المتين، وهو النور المبين، وهو الشفاء النافع، عصمة لمن تمسك به، ونجاة لم اتبعه))

وقال عن علي مرفوعا في صفة القرآن ((هو حبل الله المتين وصراطه المستقيم))

 

[2]

 تفسير تفسير القرآن/ التستري (ت 283 هـ  )

قوله: { وَٱعْتَصِمُواْ بِحَبْلِ ٱللَّهِ جَمِيعاً وَلاَ تَفَرَّقُواْ } [103] أي تمسكوا بعهده وهو التوحيد، كما قال تعالى  :

مريم:78]  ]{ أَمِ ٱتَّخَذَ عِندَ ٱلرَّحْمَـٰنِ عَهْداً   }

   أي توحيداً وتمسكوا بما ملككم من تأدية فرضه وسنة نبيه.

 

 

[3] روى الإمام البخاري عن أبي هريرة رضي الله عنه عن النبي صلى الله عليه وسلم قال: سبعة يظلهم الله تعالى في ظله يوم لا ظل إلا ظله : إمام عدل ، وشاب نشأ في عبادة الله ، ورجل قلبه معلق في المساجد ، ورجلان تحابا في الله ، اجتمعا عليه وتفرقا عليه ، ورجل دعته امرأة ذات منصب وجمال ، فقال : إني أخاف الله ، ورجل تصدق بصدقة ، فأخفاها حتى لا تعلم شماله ما تنفق يمينه ، ورجل ذكر الله خاليا ففاضت عيناه.

[4] روى الإمام الترمذي عن أنس بن مالك قال: جاء رجل إلى رسول الله صلى الله عليه وسلم فقال يا رسول الله متى قيام الساعة فقام النبي صلى الله عليه وسلم إلى الصلاة فلما قضى صلاته قال أين السائل عن قيام الساعة فقال الرجل أنا يا رسول الله قال ما أعددت لها قال يا رسول الله ما أعددت لها كبير صلاة ولا صوم إلا أني أحب الله ورسوله فقال النبي صلى الله عليه وسلم المرء مع من أحب ، وأنت مع من أحببت فما رأيت فرح المسلمون بعد الإسلام فرحهم بهذا.

[5] يا أيها الذين آمنوا اتقوا الله حق تقاته ولا تموتن إلا وأنتم مسلمون* واعتصموا بحَبل الله جميعا ولا تفرقوا واذكروا نعمة الله عليكم إذ كنتم أعداء فألّف بين قلوبكم فأصبحتم بنعمته إخوانا وكنتم على شفا حفرة من النار فأنقذكم منها كذلك يبين الله لكم آياته لعلكم تهتدون.

 

 

Alhamdu lillaah, I was given the opportunities of giving two lectures for all

and one Q&A session for sisters

 

だんご三兄弟?

(とは言っても、かなり年が離れております―向かって右から二人は三十半ばのおじさんですが、左は16歳のうら若き青年!(笑))

 

               こちらはコスプレブラザーズ?

 

翌朝8時からは、ドクトール・ブーティーの解説する「イブヌ・アターイッラー師の箴言集」読書会

第一の箴言は、要約すれば

「自力に頼るのは、アッラーへの信頼に欠けている証」といったもので、

大変勉強になった至福のひと時でした♪アルハムドゥリッラー!

 


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2 コメント

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気づき (藤岡達彦)
2011-05-12 23:27:40
気づきの意味を読んでいて痛感しました。大切な自分の周りの人。そして出会ったことの意味を改めて想いました。前野さんとこうして知り合えた意味。意味がないなんてないです。全て意味があるのから、私は導かれている。そう思うのです。
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それぞれの物語 (Abu Hakeem)
2011-05-17 23:28:06
藤岡さん!嬉しいフィードバックありがとうございます!
先ほどご案内しましたが、今月の会合は今週末ですのでぜひご参加いただけると幸いです(ご案内が遅くなって申し訳ありません)

気づきといえば、ダマスカスのラーティブ・アンナーブルスィー博士(http://www.nabulsi.com/en/)の講義を思い出しました。
曰く、「人にはそれぞれの物語があって、なんであれ最初から最後までAからZまでその過程を知ることができたなら、いかに我々が奇跡的なほど驚嘆すべきアッラーのご配剤によって導かれているかを悟るだろう。だが残念ながら、往々にして無感動に過ごしがちなのは、それら一つ一つの物語を知らないからだ」とのこと。
短い半生を振り返りながらも、そのとおりだなぁと頷いたのを覚えています。

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