2016年7月21日(木)
現在既に日常の路上がスマホ歩き・スマホ自転車で相当危険な状態にある。そこへこんなものが加わったら、何が起きるか分からない。さぞかし儲かるだろうが、またとんでもないものをつくってくれたものだ。ともかく怖くてたまらない。朝日デジタルから特に全文を転載しておく。(http://digital.asahi.com/articles/ASJ7J3JWHJ7JPLFA001.html?ref=nmail)
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【ポケモンGOもうすぐ日本に 人気加速、一方トラブルも】
スマートフォンのゲーム「Poke(eはアクセント付き)mon GO」(ポケモン ゴー)の人気が加速している。米国では1日当たりの利用者が2500万人超と、スマホゲームとしては過去最多になった。遊べる国は約35まで増えていて、日本でもまもなくサービスが始まる。スマホを片手にポケモンを探す人たちは世界中に広がり、社会現象となっている。
ポケモンゴーは、街のあちこちにいるポケモンを集めるゲームだ。他の人が持つポケモンと自分のものを戦わせることもできる。米国では7日(日本時間)のサービス開始から、利用者が急増している。米調査会社サーベイモンキーによると、1日当たりの利用者が2500万人を超える日もあった。2013年にパズルゲーム「キャンディークラッシュ サガ」が記録した約2千万人を上回り、米国では過去最多になったという。
別の調査会社によるとアップルの基本ソフト「iOS」の利用者で1人が1日に費やした平均時間は、11日時点で約33分とフェイスブック(約22分)を抜いた。
ポケモンは登場から20年を迎え、子どもから大人まで世界の幅広い層に親しまれている。捕まえて自分のものにするという「昆虫採集」にも通じるような喜びが人気の秘密だ。
ポケモンは米大統領選にも「出没」している。不動産王トランプ氏の陣営は、ポケモンゴーに似せた画面にクリントン前国務長官の写真と「いかさまヒラリー ノー」の文字を入れた動画を、フェイスブックに投稿した。
クリントン氏の陣営は16日、ゲームのアイテムが入手できる場所となっているオハイオ州の公園で集会を開いた。ウェブサイトの案内には「子どもも歓迎!」と書かれている。人気にあやかり、若者層への浸透を図ろうとしている。
一方で事件や事故につながるケースが続いている。米メディアによると、16日、フロリダ州で深夜に他人の家に近づいた10代の2人が強盗と間違えられて撃たれた。けがはなかったという。13日にはカリフォルニア州で20代の男性2人が崖から転落し、けがをした。警察は立ち入り禁止場所に入らないよう注意を呼びかけている。オハイオ州では10代の3人が原子力発電所の敷地に侵入したという。
ほかにも各国で交通事故や危険な場所への立ち入りが報じられている。ボスニア・ヘルツェゴビナでは地雷原にプレーヤーが入り、インドネシアでは軍用地でフランス人男性が拘束された。
ワシントンのホロコースト博物館や、戦没者を追悼するアーリントン国立墓地などは、敷地内でのプレーをやめるよう呼びかけた。任天堂などと共同で企画した米ゲーム会社「ナイアンティック」に、ポケモンが出現する場所から外すように求める施設も出ている。
個人情報の扱いも懸念となっている。米セキュリティー専門家によると、当初はiPhoneから利用登録にグーグルのアカウントを使うと、どこまで個人情報を求めるかが明確ではなく、アカウント情報すべてを要求しているようにも見られた。ナイアンティック社は「実際には情報は集めていない」と釈明し、メールアドレスやユーザー名にしかアクセスしていない、としている。
米上院のプライバシー小委員会のフランケン議員は12日の声明で、「不必要に個人情報を集めているのではないかと懸念している」と指摘した。ナイアンティック社に、情報の使用目的などについて質問状を送ったという。(サンフランシスコ=宮地ゆう、ワシントン=五十嵐大介)
■ マックと連携、集客に利用
ゲーム運営会社と外食チェーンなどが手を組み、人を呼び込もうという新たなビジネスも生まれている。
日本マクドナルドホールディングスは20日、ポケモンゴーとの連携を近く実施すると発表した。詳細は公表していないが、プレーヤーがマクドナルドの店舗に立ち寄れば、ゲームに必要なアイテムなどが手に入る。国内に約2900ある全店が対象となる。
ポケモンゴーを開発したナイアンティック社は、もとは米グーグルの社内ベンチャーだ。地球上の地形や地図を映し出すサービス「グーグルアース」の開発者らが立ち上げた。スマホのGPS機能を活用した「位置情報ゲーム」と呼ばれる分野で成長してきた。
代表作がポケモンゴーの土台ともなった「イングレス」だ。公園や史跡など登録された拠点の近くに行って、スマホを操作して奪い合う陣取りゲーム。ダウンロード数は12年の発表から世界で1500万を超えている。
このゲームではローソンが14年から、各地の店舗をアイテムなどが手に入る拠点にしている。企業だけでなく、各地の自治体が観光振興にイングレスを生かす取り組みもある。ナイアンティック社の須賀健人・アジア統括マーケティングマネージャーは「プレーヤーが歩くことで、各地の魅力を再発見する効果も期待できる」と話す。
大手メディアも熱い視線を送る。フジテレビジョンは2月、ナイアンティック社に資本参加した。世界で販売できる番組やゲーム作りをめざすという。大多亮常務は「位置情報ゲームはこれから色々な形で応用できる。我々のコンテンツづくりと親和性がある部分もあって、面白く新しいものを一緒につくっていきたい」と意気込む。
■ 課金や個人情報に注意
日本では欧米よりもサービス開始が遅れ、早くプレーしたいという期待が高まる。20日に1学期の終業式があった小中学校もあり、これからの夏休みには多くの子どもたちがポケモン探しに出かけそうだ。ただ、マナーを守らないと、トラブルにつながりかねない。
スマホ画面を見続けながら歩くのは危険だ。交通事故に遭ったり、崖から落ちたりするケースが報告されている。
画面を見続けていなくても、ポケモンがいる場所に近づくとスマホが振動して知らせてくれる。確認できたら急いで近づかなくても捕まえられるため、慌てて走らないようにしたい。
プレーするときは立ち止まるのが原則だ。自動車や自転車を運転しながらスマホを使うのは、法令違反となる。
私有地に勝手に入ることも控えよう。不法侵入だとして、大きなトラブルにつながりかねない。
子どもだけで外出することが少ない海外では、「必ず2人以上で出かける」「夜間は出歩かない」といった呼びかけもされている。親は子どもが駅のホームや水辺といった場所で遊ばないよう、指導することも求められる。
基本プレーは無料だが、ゲームが有利になるアイテムはお金を払って手に入れることができる。熱中して大量に買うと、思わぬ出費になる恐れがある。
ゲームに登録する名前にも、配慮が必要となる。実名など個人が特定されるものにすると、遊んでいる場所などが他人に知られる可能性が指摘されている。
一部の学校では子どもや親に、こうした注意点を伝えた。新潟市では弁護士団体が教育委員会に、小中学生がトラブルに遭わないよう指導することを求めた。内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)もネットを通じて、トラブルを避けるように呼びかけている。(西村宏治)
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