散日拾遺

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ハンターの血統

2019-08-15 14:36:17 | 日記
2019年8月11日(日)
 で、結局今年もやられた。
 長崎の日に、珍しく霧がかったしまなみ海道を渡り、翌日から朝夕の1時間余を草刈りにあてる。夕方、クルミの大木の周囲にまとわりつく若竹を引き抜いた瞬間、頭上に怒りの羽音。「あ」と思ったときには右の耳たぶに例の痛み。竹がクルミの枝と絡まるところ、地上2mあたりに確かに巣が鎮座していた。
 首から上を刺されたのは初めてで、ハチアレルギーもあるらしいところから、どんな恐ろしいことになるかと身構えたが、意外にも手指を刺されるのに比べずっと楽に経過した。毒の刺入量が少なかったか、解剖学的な理由もあるかもしれない。
 上肢は手根管に大きな関所があり、それより末梢は骨・皮膚・結合組織に囲まれた閉鎖構造が指関節ごとに細分された作りだから、炎症産物の逃げ場がなく内圧が高まって痛みが強い。対照的に耳たぶは開放的な構造なので、炎症産物が逃げやすく圧もさほど高まらない・・・のではないか。
 24時間後には正面から鏡を見て、右耳だけダンボ状に横に突出して見えたが、さほど痛くもなく予定通り48時間でほぼおさまった。これに懲りて作業時は防虫ネットを頭からかぶることにした。初めからやっとけという話である。
***
 その翌夕、アジサイを剪定していたら、隣の珊瑚樹の幹にカマキリ発見。緑と茶のストライプが、葉と枝の狭間で有効な擬態になっている。そしてもちろんピクリとも動かない。知人の息子さんに「存在感を消すのが特技」という若者があるが、植物的な印象とは裏腹に、実はハンターとして希有の素質をもっているのではあるまいか。


 しばらく見とれた後、アジサイの方を振り向くと、その葉裏に・・・


 小さいながらも、あっぱれ一人前に静止している。カマキリの子はカマキリ、それぞれどんな獲物を得たのだろう?
Ω


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