散日拾遺

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「虹」補遺

2013-10-10 00:08:43 | 日記
2013年10月9日(水)

 ここに日の虹の如く輝きて、その陰上にさす。

『古事記』における「虹」の用例として「国語大辞典」に載っていたが、さて『古事記』のどこにあったのだったか。

通勤中に探してみようと出かけたが、なかなか見つからない。諦めかけたところ、海浜幕張到着30秒前に発見!
O君が「何か気になって」当ブログを読み、「新聞紙」の逸話に行きあたったとメールをくれた。
「くじで『当たり』が出たみたい」だと。
僕も今朝はアタリだ。

ところで、この当たりクジは、なかなか意味深長である。
応神天皇記、天之日矛(あめのひぼこ)の条だ。
天之日矛は新羅の国主の子、それが逃げた妻を追って難波の地までやってくるが、遮られて但馬に留まる。その物語の説き起こしが上の部分。

新羅国の、とある沼のほとりに身分の低い女が昼寝している。
その女の陰部を、日が虹のように輝いて照らす。
女は昼寝から覚めて赤い玉を産む、ということは太陽によって懐胎(托卵)したのだ。
この赤玉から生まれた美女が天之日矛の妻となるが、夫の虐待に耐えかねて親の国(=日本)に逃げ帰る。

 故、その國主の子、心奢りて妻を罵(の)るに、その女人の言ひけらく、「凡そ吾は、汝の妻となるべき女にあらず。吾が祖(おや)の國に行かむ」といひて、すなはち密かに小船に乗りて逃げわたり来て、難波に留まりき。

神話時代から珍しくもない話だったのだな。
実家が本朝という説話の主張が面白い。

美女は別の男神との間に子をもうけ、天之日矛もまた但馬で娶った妻たちとの間に多くの子をもつ。

産めよ、増えよ、地に満てよ、地を従わしめよ。
(創世記 1:28)

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