散日拾遺

日々の雑感、読書記録、自由連想その他いろいろ。
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「はじめまして」さんへ/欣奏累遣 慼謝歡招 ~ 千字文 094/引き潮の海

2014-08-13 06:44:10 | 日記
2014年8月12日(火)

> タイトル: 太田先生
> コメントを書いた人: はじめまして
> コメントが届いた記事のURL: http://blog.goo.ne.jp/ishimarium/e/d62af76c8bae0e680392037321b940a0 (2013年9月16日 「はじめまして」の再会)
> コメント
私も太田先生からバイオリンを習いました。懐かしいです。啓子さんともに昔を思い出しました。

 コメントありがとうございます。
 できればもう少しお話を伺いたいのですが、残念ながらブログにいただくコメントの発信源が伏せられており、こちらから直接メールをお返しすることができません。
 もしもお差し支えなければ、下記宛てに御連絡いただけないでしょうか。
doppelsonnen@gmail.com
よろしくお願いいたします。

***

○ 欣奏累遣 慼謝歡招
 欣びが奏(あつ)まれば、累(わずら)いが遣(さ)り
 慼(うれ)いが謝(しりぞ)けば歓びがやってくる。

 ちょっと苦しいなあ・・・
 タスキ掛けの別解があるようだ。

 欣奏を慼謝と組み合わせて、
「君が欣ぶ時はこれを奏し、君が慼う時はこれを謝す(辞退する)」(君に対する臣のマナー)
「累(わずら)わしい時は臣を遣らせ、歓ぶ時はこれを招く」(臣を使う君の心得)
 と説明している。
 つまらないな、抜け目のなさしか、伝わってこないよ。

***

 夕方から長男・三男を連れて鹿島へ。
 気温が30℃にも達しなかったので海水が冷たく、おまけに目いっぱいの引き潮で遊泳区域が浅い水たまりぐらいに縮小し、少々はずれ気味の海行きになった。
 がらんとした連絡船が海上に出ると、無数のトンボ ~ ナツアカネ?アキアカネ? ~ が船を追うように空中を並走する。トンボの呼名は秋津(あきつ/あきづ)、まことに立秋過ぎ、秋津洲(あきつしま)に秋来る、だ。
 疲れが出たのか夏風邪気味なのか、むやみに眠く軽い寒気があったりするので、海に入らず息子らが戯れるのを突堤から眺めている。この夏は三男に相撲で負かされることを覚悟していたが、幸い取り組みはナシ。実のところ、どうなんだろうな。相撲の腰の備えは独特のもので、今の子たちはよほど身体能力の高い子でも慣れていないのだ。
 三男はつい数日前まで外房の合宿所へ野球仲間と遊びに行き、関東の海岸を見てきたところで、その違いを興がっている。
 引き潮の二見の上に夕陽が傾き、なかなかの眺め。この時刻には松の緑がしっとりと鮮やかに見え、そこに白鷺が5羽、6羽、喬木の頂きに羽を休め、このまま夜を過ごすのだろうか。
 帰りの連絡船から降り際に、船のオイサンが三男のYSのロゴに(それとも、彼のイガグリ頭に?)目を止め、
「にいちゃん、野球しよるんか」
 と声をかけた。
 三男が返事に詰まったのは、伊予弁に何語で返そうか迷ったこともあるが、「しよるんです」と答えたものかどうか、やや逡巡したのである。彼、東京を出てくる直前に退部を決意したので。

 浜の近くの寿司屋で両親と落ちあい、恒例の飽食。父の車について夜道を走らせていると、歩行者用信号のところでいきなり自転車が車道に出てきた。一瞬目を疑ったが、信号は確かにこちらが青、中高生ぐらいの少女が赤信号を無視し、走ってくる車の前を平然と横切ったのである。父に余裕がなければ、まともにハネているところ、どういう頭の構造をしてるんだろう。
 松山に住むことの最大の恐ろしさは、老若男女を問わぬ交通マナーの悪さだ。詩情豊かでおっとりとした気風が、この野蛮な無神経とどうつながっているのか、年来の謎である。