京のおさんぽ

京の宿、石長松菊園・お宿いしちょうに働く個性豊かなスタッフが、四季おりおりに京の街を歩いて綴る徒然草。

深緑の嵯峨野へ

2016-05-19 | 京都案内

雲ひとつない見事な五月晴が続いております。
本日の京都は暑いくらいです。

さて、折角の良い天気なので写真を撮りに嵯峨野へ。
石長が誇る京都観光おもてなしコンシェルジュの『京都好き男』さんにアドバイスをいただき
今回の目的地は『祇王寺』

嵐電(らんでん)嵐山駅を出て竹林を抜け、野々宮神社に立ち寄り嵯峨野へ
いつも外国人の観光客が多い嵐山ですが、竹林を抜けると少し静かになります。

 

緑あふれる常寂光寺へ

 

 


安土桃山時代に建立された寺の本堂は伏見桃山城の客間を移築したものとされています。
境内からは嵯峨野や遠くの山々が見渡せます。

本当は行きたかった二尊院は本堂の改修工事中のため断念。
ご本尊は京都国立博物館にいらっしゃいます。

 

今回の目的地、祇王寺
木々に囲まれた嵯峨の奥にひっそりと佇む、立派とは云い難い庵
白拍子であった祇王が平清盛の寵愛を受け、心変わりにより都を追われ
母や妹と出家した後に移り住んだのがこの祇王寺です。
祇王に替わり清盛の寵愛された仏御前も祇王から受けた恩義を忘れられず入寺しました。

悲しいエピソードの残る尼寺ではありますが、
鮮やかな緑に苔むした庭は木漏れ日に照らされ、まさにこれからが見頃。
このときはたまたま観光客も少なく静かにゆっくり回りました。

京都観光通の方、ちょっと時間に余裕のある方は
是非是非嵯峨野へおこしやす!

<KURO>


初夏の古知谷阿弥陀寺 クリンソウ

2016-05-19 | 京都案内

大原古知谷にある阿弥陀寺は浄土宗知恩院派の古刹で、弾誓上人(たんぜいしょうにん)が慶長14年(1609年)に開山した念仏道場です。



麓の中国風の山門を通って500mほど山道の参道を登ると本坊が見えてきます。







亭々とそびえる老樹が全山を覆っており、秋には天然記念物の樹齢約800年と推定される古知谷カエデをはじめ、約300本近いカエデが紅葉し、隠れた紅葉の名所となります。



この季節は中庭などに京都府の絶滅危惧種に指定されるクリンソウ(九輪草)約400株が見頃を迎え、紫や桃色、白などの花が涼やかに咲き、訪れる人の心を和ませてくれます。
仏塔の「九輪」のように花が何度も連なることが名前の由来です。



本堂には開山、弾誓上人が自らを彫り、自らの髪を植えた「植髪像」がご本尊として祀られ、本堂奥の開山窟には、即身仏となったお上人を納めた石棺が安置されています。

大原へお越しの際には、少し足を延ばしていただき、静寂の、古知谷阿弥陀寺へどうぞ。

京都好き男