京のおさんぽ

京の宿、石長松菊園・お宿いしちょうに働く個性豊かなスタッフが、四季おりおりに京の街を歩いて綴る徒然草。

夏の終わり

2012-07-28 | インポート

 そろそろ蓮の季節も終わるだろうか。

 天龍寺、法金剛院、勧修寺、三室戸寺。

 ここら辺りが、京都の蓮の名所で、朝早い時間に行けば、蓮の花を見られる。

 そういえば、今年は既に終わってしまったが、三室戸寺では、象鼻杯で蓮酒が楽しめる。

 象鼻杯って、何?

 って、思うよね。

 

 もしこれを、音で聞いたら、ゾウビハイ。

 これだけで何のことか分かったら、多分、天才。

 漢字で見ると、想像力を働かすことが出来る。

 象、鼻、杯、である。

 つまり、象<ぞう>の鼻<はな>の杯<さかずき>ということ。

 はいはい、何となく分かった、っていう感じ?

 

 では、象の鼻を思い浮かべてみよう。

 いや、象の鼻だけではだめだ。

 象の鼻と、耳とを、セットで思い浮かべてみよう。

 で、続いては、蓮の葉を思い浮かべてみよう。

 いや、葉だけではだめだ。

 蓮の葉と、茎とを、セットで思い浮かべてみよう。

 どうだ!

 って、ドヤ顔で言ってるところ、想像してみて。

 

 そう、象鼻杯というのは、蓮の茎を、象の鼻に見立てて、そう言うのだ。

 その象鼻杯で蓮酒を楽しむって、どういうことなのか。

 それは、蓮の葉に酒を注ぎ、それを、茎を吸って飲む、というもの。

 それが、三室戸寺の名物だ。

 毎年7月の上旬に催される。

 なかなか乙な、花と酒との楽しみ方だ。

 今年は終わってしまったので、来年、是非どうぞ。 

 

 さて、それはいい、是非やってみよう!って、近所で見つけた蓮の葉に酒を注いで飲もうとした人。

 そのままで注いでも、茎で酒を吸い出そうとしたり、してない?

 もちろん、きちんと穴を開けなければ、虚しく息が切れるだけである。

”あいらんど”