ヒジュラ暦1427年ジュマーダー・ル・ウーラー(5月)6日 ヤウム・ル・ジュムア(金曜日) |
【タ・プロム】 建立年代:12世紀末~13世紀 建築様式:バイヨン様式 治 世:ジャヤヴァルマン7世建立、インドラヴァルマン2世増築 何なの?:元々は仏教寺院、後にヒンドゥー教寺院。 |
タ・プロムはガジュマルやパンヤノキの大木が建造物を押しつぶしたり押し倒したりしているワイルド&ダイナミックな遺跡である。
なんとなく「パンヤノキ」というと下の絵のようなイメージがあるが、実際はパン屋がなっていたり、ぶら下がったりしているわけではない。
我ながら「くだらない」としか言いようが無い。
ついでにいえば、広辞苑で調べたところ「ガジュマル」というのは琉球語で、日本でも沖縄・屋久島に自生するそうである。
なぜこんな状況になったのかと言えば、放棄された寺院に鳥たちが種を運んできて、それが成長して建造物を包み込んだり倒したりするほどの大木なったというわけ。
木のパワーはすごい。たまに「気のパワー」で人を吹っ飛ばす(と称する)人がいるが、それをはるかに上回るパワーだ。気のパワーでは遺跡を吹っ飛ばせない。
19世紀に発見され、当時この地を支配していたフランスが「よし! この遺跡は修復しないで、ワイルドな姿のまま残すぞ!」と決めた結果、ほぼ発見当時の姿で現在に至っている(倒壊のおそれのある部分などは修復)。
見渡す限り、木にやられっぱなしの建造物が続くが、大量の観光客(ほとんど日本人)は飽きもせずに似たような光景を見続けている(私もその一人)。
敷地のほぼ中央に中に入れる小さな祠堂がある。
この祠堂の内部に「この壁に背中をつけて自分の胸を叩くと、ドンドンという大きな音が響くよ」という壁があったのでチャレンジ。と言っても二人ずつで順番待ち。自分で試さないと気が済まない人たちが多いので意外と時間がかかる。
「そんなに無理して並ばなくてもいいではないか」と、相変わらず自分勝手なことを考えているうちに、ようやく自分の番に。
胸を叩いた瞬間、近くの中国人ツアー御一行様が大声で話し始めたので、ドンドンが聞こえない。これは痛恨。
すぐに中国人ツアー御一行様が話をやめたので、チャンスとばかりに更に強く胸を叩く。その途端、近くの日本人のおばさん軍団が「あっはっははははははは…っ!」というおばさん笑い。また聞こえなかったやんけ!
このような大混乱の場所では音を聞くということは意外と難しいのだなぁと実感。あきらめて次の人に順番を回した。
ここに行くならシーズンオフをお勧めしたい。
一見普通の寺院のような入り口。 | ときどき足下のがれきが崩れて意外と危険。 |
撮影を待つ人が列をなす。 | 「オリャ!」と叫んでねじり倒した感じ。 |