日本人イスラム教徒ゆとろぎ日記 ~アナー・イスミー・イスハーク~

2004年に入信したのに、2003年入信だと勘違いしていた、たわけもんのブログです。

アラビア語オリンピックに向けて悪あがき

2006年05月25日 21時59分29秒 | アラビア書道
ヒジュラ暦1427年ラビーウ・ッサーニー(4月)27日 ヤウム・ル・ハミースィ(木曜日)
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こんな写真をしゃあしゃあと載せられる大胆な一面を持つ私である。ホントは恥ずかしいが。

 アラビア語オリンピックがいよいよ明後日に迫ったが、実力が上がっていない。というより、実力下がっていないか? 
 理由はきわめて簡単で、練習不足である。やることが多いというよりは、単に時間の使い方が下手であることは百も承知だが、なかなか直せないものである。B型だしな…(←いつものいいわけ)。

 そこで考えたのが「弘法じゃないから筆も墨も選びまくるぞ」作戦。内容は極秘!…と言いたいが、作戦名がそのまま中身を表しているので隠しても仕方ない。

 先生から買った筆を自分になじむようにさらに削ったり、毛筆用の筆の柄を削って作ったり、七夕祭りで使った竹の枝をもらってきて削って筆を作ったり、画材屋で葦のペンを買ってきて削ったり、まずは筆を何本も用意だーーっ!
 下手な鉄砲も数打ちゃ当たる的発想で十数本用意した。この中で一番使いやすいモノで勝負という作戦。
 でも、アラビア書道は日本の書道と違って、カラム(筆・ペン)をどう作るかにかなりの重要性があるから、偉大なハッタート(書道家)でもカラム制作には試行錯誤を重ねている。カラムの作り方がひとつの秘密だったりもする。
 そういう意味では、筆をあれこれ試すのは別に「作戦」というほどのこともなく、アラビア書道愛好家なら誰でもやっていることかもしれない。

 問題は墨、またはインクの方だ。
 アラビア書道の基本では「にじみ」「かすれ」は避けるべきものとされている。(東洋の書道の影響か絵画の影響か、かすれたりにじんだりしている文字を書くハッタートもいる)。
 今度のコンテストでは、にじみ・かすれは大敵だ。

 ということで、墨汁をいろいろ試してみた。
 練習でいつも使っているのは、100円ショップの墨汁。いくらなんでも、これは安っぽいのではないかと思い、書道専門店に行って、「超濃墨」という高い墨汁を買ってきた。

 余談ながら、墨汁売り場の隣に「自動墨擦り機」という機械が売っていて驚いた。一辺30センチくらいの真四角の鉄のボックスからアームが二本にょきっと出ている。これに墨を挟んで擦るという機械。お値段5万8000円なり。「これを使ってみるか…」などとはまったく思わなかった。どういう人が使うんだろ、これ?

 さて、超濃墨で墨壷をいくつか作ってみた。ケースの中の構造を変えてある。
 ところが、何日も実験を重ねるうちに悲しい事実が赤裸々になってきた。超濃墨は粘度が強すぎて、竹のカラムには向かない。書いている途中で墨が固まり始めてしまい、最後まで筆線が続かない。そもそも普通に書くこと自体が難しい。
 むしろ、100円墨汁の方が伸びるし、かすれない。上の写真の線より上が100円墨汁、線より下が超濃墨で書いた文字。
 根本的な上手い下手は別として、あきらかに100円墨汁の方がアラビア書道には向いている。超濃墨の方は「文字になっていない」と言ってもいいような状態だ。ルクアとナスヒーで試してみたけど、他の書体でもたぶん同じだろう。

 竹のカラムを使うにはあまり粘度が高くない方が良いということがわかった。100円墨汁はだいたい粘度6~7くらいと予想される。それに対して超濃墨は粘度67! 途中で乾いちゃうわけだよな~。

 で、結論。
 いつもの100円墨汁を使って、いろいろなカラムの中から自分に合ったモノを見つけるのが一番! 
 なんだ、余計なこと考えずに地道に努力するのが良いという当たり前の結果じゃないか。

 それにしてもワーウو  とラーر

は相変わらず難しい。最後がきれいに「抜けない」んだよなあ。