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日本人イスラム教徒ゆとろぎ日記 ~アナー・イスミー・イスハーク~

2004年に入信したのに、2003年入信だと勘違いしていた、たわけもんのブログです。

アラビア書道について、ちょっと偉そうに解説③

2006年04月13日 06時27分48秒 | アラビア書道
ヒジュラ暦1427年ラビーウ・ル・アウワル(3月)15日 ヤウム・ル・ハミースィ(木曜日)
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 今回は、アラビア書道の入門書について2冊ほど紹介。とは言っても、日本語の本は無いので、英語の入門書とアラビア語の入門書を参考程度に紹介するにとどめる。 
 
 一冊目は、前回カラム(筆)の作り方の部分で紹介した("Arabic Calligraphy Naskh script for beginners" by Mustafa Ja'far THE BRITISH MUSEUM)(『アラビア書道 初心者のためのナスヒー書体』 ムスタファ・ジャアファル著、大英博物館発行)

 タイトル通り、ナスヒー体のみの入門書である。ただし字がなんとなく活字っぽい印象を受ける。
 数十ページ程度の非常に薄い本ながら、中身は結構濃い。
 カラム(筆)の作り方も詳しく説明してあるし、各文字が1ページに1文字わりあてられていて、一画目はこう、二画目はこうというように、書き順がわかりやすく示してある。
 また、後ろの方には、単語単位での練習ページもあるし、いくつかの作品例も納められている。

 私はヨルダンのアンマンのマッカモールという巨大ショッピングセンターの最上階の本屋で購入したが、大英博物館発行なので、おそらくネットなどでも販売しているのではないかと思う。(下の写真はいずれも本文より)

     


 二冊目は、

كيف تتعلم الخط العربي 

(カイファ・タタアッラム  アル・ハットゥ・ル・アラビー)〔アラビア書道の学び方〕

   


 シリアのダマスカスの町中の大きめの本屋で購入。店のオヤジの話だと、シリアでは普通に売っている本だとか。近隣諸国や、アラブ系のショッピングサイトでも購入できるかもしれない。
 他の本数冊と一緒に買ったので、値段は忘れたが、とても安いと思う。

 上の写真の上側が表紙だが、タイトルの下の円と楕円の中に、右から

نسخ   (ナスフ)


رقعة (ルクア)


ثلث   (スルス)


فارسي  (ファールスィー)


と、ルクア体で書いてある。ナスヒー、ルクア、スルス、ペルシアの4書体が薄い一冊に盛り込まれている。紙質自体も薄く、裏が透けて見えるのが難点。

 そして当たり前だが、すべてアラビア語で書かれているので、よほどアラビア語に精通していないと読めない(もちろん私は読めない)。
 図や、例はそれなりに豊富なので、文字以外の部分だけを見て練習してもそこそこ上達は望めるのではないか。

 ただし、一流の書家が執筆した本ではないので、文字のレベルはあまり高くないと思う。

 他にも、海外で買ってきたり、ブックフェアで買った、アラビア書道関係の本がいろいろとあるが、いずれも入門書・技術書というより作品集のような趣きなので、今回は紹介を控える。

 他にも、アラビア書道関係の本で、ネットなどで購入できるものがあれば、ぜひコメント欄などで紹介してください。

アラビア書道について、ちょっと偉そうに解説②

2006年04月12日 06時38分34秒 | アラビア書道
ヒジュラ暦1427年ラビーウ・ル・アウワル(3月)14日 ヤウム・ル・アルビアーィ(水曜日)
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 前回、カラム(ペン・筆)について書いたので、もう少しだけ補足。書体によってカラムを使い分けることが多いので、自分のカラムで説明。

 あくまで、私の場合だけど、今のところ左の写真の4本のカラムを使い分けている。右から「太いルクア体」用、「太いナスヒー体」用、「やや太目のナスヒー体とルクア体」用、小筆。
 ディーワーニー体やファルーシー体、ましてはムハッカク体やスルス体はまだまだ先の話である。

 日本では、アラビア書道を目にする機会があまり無いので、見られる場所や本を少々紹介。
 
 まず、場所としては、何と言っても小田急線代々木上原駅から徒歩10分の東京ジャーミイ・トルコ文化センター。
 このブログでも過去に何回か紹介したが、日本一美しいモスクで、建物内のいたるところにアラビア書道やアラベスクが見られる。
 
 そして、東京ジャーミイでは、たまにアラビア書道のポスターを売っていることがある(1枚500円程度。もちろん印刷物。ボール紙。下の写真は例)。

   


  
 本では『図説 アラビア文字事典』の中に、さまざまな書体の説明や、作品が収められている。
 また、アラビア文字の本ではないが、『図説 アジア文字入門』にもアラビア文字や作品が少し収められている。

アラビア書道について、ちょっと偉そうに解説①

2006年04月10日 19時10分44秒 | アラビア書道
ヒジュラ暦1427年ラビーウ・ル・アウワル(3月)12日 ヤウム・ル・イスナイニ(月曜日)
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 第3回アラビア語オリンピックの書道の部への出場を目指す決意を昨日の記事に書いたけど、考えてみるとアラビア書道ってあまり知られていないことに気付いた。
 経験が浅いのに偉そうだけど、ちょっとだけ説明しておこうと思う。

 世界で、書道が発達したのは日本と中国とアラビアだけだと言われている(ラテン文字のカリグラフィは、書道とは違った独立のジャンルらしい)。

 アラビア書道のことをアラビア語では

الخط العربي (アル・ハットゥ・ル・アラビー)

という。または、単純に「ハットゥ」ということもある。

 筆記用具としては、

قلم  (カラム)

を使うが、これは「ペン」「筆」などと訳される。アラビア書道をやっている人は「筆」と呼び習わすのが一般化している。

 ただし、日本の書道の筆とは先端の形状がまったく異なる。毛のようなものは一切使用しない。 
 素材は葦や竹で、一般的には、左の図のように先端を加工する。
 先端に一本溝を入れ、墨やインクがここに染みこむようにする。そして、斜めにカットする。

("Arabic Calligraphy Naskh script for beginners" by Mustafa Ja'far THE BRITISH MUSEUM)(『アラビア書道 初心者のためのナスヒー書体』 ムスタファ・ジャアファル著、大英博物館発行)7ぺージより引用。

 ただし、カラム(筆)をいかに工夫して作るかが、ハッタート(書道家)にとっては重要な研究事項であり、オリジナルの筆の作り方を秘密にする書道家も多い。

 私は自分で工夫してカラムを作れるほどのレベルではないので(チャレンジしたことはあったけど)、先生に作って頂いた筆を何本も買い、先端を小刀で削って太さを調整したりしながら使用している。

 私はまだ初級レベルだが、中級レベル以上の方は、より多くの筆を持ち、自分なりにアレンジしている。

 ニードル(針)と、紙ヤスリはカラムの手入れ用である。結構墨がつまるため、手入れを怠ると、あっという間に使えなくなる。

ورق (ワラカ)「紙」

は、ふだん練習するときには、A3のアート紙を使っている。表面がつるつるした紙でないとカラムがうまく滑ってくれない。
 それに日本の書道と違って「滲み」は良くないとされるので、つるつるの紙の方が適している。

 昔はアート紙など無かったので、紙の表面に卵白を塗り、瑪瑙(めのう)で磨いてつるつるにして書いたようである。

 墨は普通の墨汁を使っているが、人によってはポスターカラーのようなものを使ったりもする。
 青いポスターカラーを使うと、カラムの軌跡がはっきりと残り、どこに問題があるかがわかるので、そうやって自己チェックしながら練習に励む人もいる。

 そうやって、ありとあらゆる工夫をしながら練習をしている人を見ると、「頑張らなきゃ!」と思うのだが、実際は全然頑張っていないのが現状である。

第3回アラビア語オリンピックに向けて再始動

2006年04月09日 06時07分55秒 | アラビア書道
ヒジュラ暦1427年ラビーウ・ル・アウワル(3月)11日 ヤウム・ル・アハドゥ(日曜日)
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 昨日、久しぶりにアラビア書道のレッスンに行った。
 いろいろなことに手を出しすぎて、身動きが取れない&過労気味だったので、運営していた空手団体を後進に託し、空手の世界からはいったん身を引いた。
 そんな移行をしたり、仕事で追われているうちにアラビア書道からすっかり遠ざかっていたが、ようやく本格的に復帰できる。

 5月27日(土)にアラブイスラーム学院で、第3回アラビア語オリンピックが行われるので、アラビア書道部門に出場しようと考えている。

 昨年の、第2回アラビア語オリンピックでは、飛び入り参加となり結果は選外。

 「来年は頑張ろう!」と決意してから一年以上が経ち、全然頑張っていないまま現在に至る。なんと意志が弱いのだね、私は!?

 しかし、ブログで出場宣言をすることにより、自分を追い込もうと思う。
 今年は、ナスヒー体部門、ルクア体部門、ディーワニー体部門に分けるという計画もあるそうだ。
 今練習しているのはルクア体だが、競技となるとやはりナスヒー体かな? 
 もともとは、クルアーンを自分の手で書いたり、モスクのアラベスクに書かれたアラビア語を読みたいと思って始めたアラビア書道。
 初心を思い出して頑張りたい。 

自分なりの折り合い

2005年09月25日 06時50分34秒 | アラビア書道
ヒジュラ暦1426年シャアバーン(8月)21日 ヤウム・ル・アハドゥ(日曜日)

 一日寝て気持ちの整理をした。


 アラビア書道は初心者なので、芸術か信仰かはまだ先の問題なのだろう。何をやるにしても、ある程度のレベルまでいかなくては話にならないね。今は偉そうなことを言っている場合ではない。


 それに今回の2作品は、ささやかながら自分なりの信仰心を表したつもりだ。
 1つは、自分の名前の周りを、炎を図案化したフレームで囲った作品。
 もう1枚は、聖クルアーンの第1章:開端章。


 地獄の劫火で焼かれそうな罪深い自分が、聖クルアーンによって救われるというイメージ。
 最近、ストレスや悩みも多いので、無意識にそのような方向性で2作品を作ったのかもしれない。やはり救いを求めているんだなあと実感。 

むなしさに包まれて

2005年09月24日 22時06分00秒 | アラビア書道
ヒジュラ暦1426年シャアバーン(8月)20日 ヤウム・サブティ(土曜日)

 昨晩、ようやくアラビア書道の出展作品が完成し、今日の夜はレッスン後にロビー展の準備が完了した。


 出品されている方々は、すべて自分より経験の長い方ばかりなので、気恥ずかしい限りである。
 しかし、気恥ずかしさ以上に虚脱感のようなものを感じてしまった。
 ショーケースの中にかけられた自分の作品を見ると、なにか虚しいのである。
 「俺はこういうことを望んでいたんだっけ?」という感じである。
  

 確かに出品までの間に、今まで無いくらい練習をして、それなりに充実感もあった。開端章を書いているときは楽しかった。
 もともと、「クルアーンを自分で書きたい」という気持ちで始めたアラビア書道なので、うまいヘタではなく書くこと自体は楽しい。


 だけど、展覧会ということに向けて、アラビア語や、クルアーンの暗記がおろそかになったことも確か。
 アラビア書道の作品を人前に出すには、まだまだ気持ちに余裕が無いことに気づいたような感じだろうか。
 というより、人前に出す必然性が感じられなかった。額縁を買い、背景を作り、字を書いて出展したけど、なにか違和感がある。


 額縁を買い、背景を作り、字を書いて出展することは「芸術」なんだと思う。しかし、もともと自分は芸術には縁の無い男であり、アラビア書道は自分の中で、芸術ではなく信仰として認識している。それが違和感の原因かもしれない。
 他人の書くアラビア書道の作品については、芸術作品として素直に感動できるのだけど、自分の書いた字を人前に出すことにはなんだか抵抗感を感じてしまう。ブログでは平気でヘタな字をさらしていたのに…。


 一日二日すればまた気持ちも変わるかもしれないけど、今日はなんだかとてもテンションが低い…。 

アラビア書道、初出品に向けて背景だけ完成

2005年09月19日 09時46分05秒 | アラビア書道
ヒジュラ暦1426年シャアバーン(8月)15日 ヤウム・ル・イスナイニ(月曜日)

開端章の背景はこれでいこうかと考えている。

 9月24日(土)から、横浜朝日カルチャーセンターのロビーで、アラビア書道展が始まる。


 相変わらず、出品予定の「開端章」を書き続けているものの、悲しいくらいうまく書けない。特に、最後の





عَلَيْهِمْ وَ لاَ




の部分がうまく形が取れない。曲線の連続で、太くなったり細くなったりの流れが難しい。



 背景だけは、Adobe Illustratorを使ってとりあえず作成した(冒頭の図)。
アラベスクの部分はオリジナルではなく、『Illustrator 10分間パターンデザイン』(エムディエヌコーポレーション)に載っていたパターンを真似させていただいた。とても10分じゃ完成しなかったけど。Illustrator10対応の手順を、IllutratorCSで作ったせいだと思われる。 


 左側円盤部分はオリジナルで作成。




الله   〔アッラー〕




محمد    〔ムハンマド〕





はマウスでフリーハンドで書いた。アラビア書道も難しいが、マウスのフリーハンドも難しい。


 額もどうするか考えなきゃいけないし、初めての出品に向けてドタバタした日々を送っている。
 

開端章を書き続けろ!

2005年09月11日 06時39分42秒 | アラビア書道
ヒジュラ暦1426年シャアバーン(8月)7日 ヤウム・ル・アハドゥ(日曜日)

相変わらず不鮮明な画像で、ヘタなのをごまかす。

 昨晩はアラビア書道のレッスンだった。


 大先輩のKさんに、「ブログ見ましたよ。おなかはもう大丈夫?」と言われて驚いた。よく、こんなブログ見つけましたね。
 コメントでも残してくれればいいのに。水臭いんだから、もう~。


 さて、作品展への初出品に向けて、現在大焦り状態である。


 アラビア書道を始めた理由のひとつが「聖クルアーンの章句を自分で書いてみたい」だったので、第1章:開端章で勝負! ということに決めた。


 装飾との関係で、お手本の半分の大きさの紙に書くことなり、自動的に字の大きさも半分となった。
 しかし、製作時間はほとんど変わらず、消費エネルギーに至っては2倍になったような気がする。


 「そんな細かい字は似合わないよ」とか「外見にピッタリなのはルクア体でしょう」とか、暖かい声援(?)をいただきながら、ちまちまと書き続ける。

 
 最後まで順調に書けることは無く、必ず途中で一文字くらい間違えて、


「あ”ー、もうっ!! ☆♂※~×■♭→!!」


という状態になったりする。こうなると続きを書くのがツラい。
 でも、とにかく最後までは書く。何枚も書いていれば、そのうち間違いが無く最後まで書けるようになるのではないか…?
 

 そんな期待を胸に開端章を書き続けている。
 

簡単らしいので、ルクア体の練習を始めてみました

2005年08月28日 11時40分41秒 | アラビア書道
ヒジュラ暦1426年ラジャブ(7月)23日 ヤウム・ル・アハドゥ(日曜日)


比較的簡単な書体とは言うものの…

 一年間、ナスヒー体だけ練習したので、二年目はルクア体の練習も始めることにした。
 ナスヒー体は基本なので、もちろん練習は続けてゆく。


 基本6書体の中では、技術的に一番簡単だという触れ込みだった。見た目がゴツいためか、女性がほとんどのこの教室では、昨年はまったく人気が無く、心中密かに「よしよし、来年は自分ひとりだったら、先生に個人指導してもらえる可能性もあるな」と目論んでいた。
 状況一変。5人がルクア体に取り組むこととなった。まあ、みんなで上達していきましょう。


 普段、硬筆でも、ときどき使う筆記体とほぼ同じなので、ルクア体は入りやすい。しかもシンプルな線が多く、短時間で書くことを基本とする。

 おお! 単純で飽きやすいB型の私にはピッタリだ! と思っていると、先生が「ルクア体はB型の人に向いていますね」とのたまった。以心伝心?

 さて、実際にアルファベットを練習すると、ر (ラー)と و ワーウの最後の「抜き」が難しい。



 この部分は、アラブ人でも難しく、アラブ諸国で売られているアラビア書道の教本を見ると、「ペン先を使って輪郭を書き、後で中を塗りましょう」と書いてある。

 しかし、我が流派(?)は、これを一筆で書く高等技術を使うので、簡単なはずのルクア体が、この一点だけ非常に難しくなっている。


 ええと、とりあえず文章も書いてみました。
「タムッル・ル・ワクトゥ・サリーアン・カッサフム」
 (時間は矢のように過ぎてゆく=光陰矢の如し)


 小筆を使って、ナスヒー体でクルアーンを書く練習をしていたので、確かにすごく気楽な感じ。ただし、うまいかどうかは別問題。
 うむ、B型らしい詰めの甘さが目立つ作品となったようだ。今後に期待しよう。

 
 

アラビア書道、『聖クルアーン』第1章:開端章に挑戦

2005年08月27日 08時52分11秒 | アラビア書道
ヒジュラ暦1426年ラジャブ(7月)22日 ヤウム・サブティ(土曜日)


う~ん、左上がりが目立つ…

 昨日、小筆を使って、ナスヒー体で3枚ほど開端章を書いてみた。
 1枚書くのに1時間以上かかるので、今日は朝からグッタリである。とにかく神経が疲れる。


 やはり小筆で文章を書くのは難しい。なんといってもバランスがとりにくい。水平に書いていったつもりなのに、いつの間にか左上がりになったりして、全体がチグハグな印象になってしまう。


 書いている途中、何度か気が遠くなり、「もうやめようかな」と思った。しかし、以前このブログでも紹介したエジプトの故サアダウィー師の「うまいかどうかより、字を書くことが信仰」という言葉が今回も支えになった。 


 仏教の写経(般若心経などを書き写すこと)もこんな感じかなのかな?


 ぼちぼち他の書体の練習も始めようと思うが、やはり基本はナスヒー体だなあ。



第1章:開端章
  1. 慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において
  2. 万有の主、アッラーにこそすべての賞賛あれ
  3. 慈悲あまねく慈愛深き御方、
  4. 最後の裁きの日の主宰者に
  5. わたしたちはあなたにのみ崇め仕え、あなたにのみお助けを請い願う。
  6. わたしたちを正しい道に導きたまえ、
  7. あなたが御恵みを下された人々の道に、あなたの怒りを受けし者、また踏み迷える人々の道ではなく。