立春を迎えたが、まだまだ寒中まっただ中。
先日、京都へ行った折に、錦天満宮にお詣りした。
梅の香が漂っていた。
まだまだ寒い侯に、春の萌しを感じた。
その際に、思い出されたのが林和靖の「山園小梅(さんえんしょうばい)」。
「疎影横斜水清浅」という一節と、その対句になる「暗香浮動月黄昏」である。
枝が垂れ下がり、まばらに咲く花の姿が水面にうつし出されている。
そして続く「暗香浮動月黄昏」は月もおぼろの黄昏どきに、梅の香りがどこからとなく香ってくる。
姿は見えぬが梅の存在を感じさせる。
梅を愛する林和靖の、隠逸の悲哀を詠った詩の一節であるが、梅を水面に映る姿で、
また黄昏どきに香で美しさを表現している。
写真では、本殿脇に吊るされている提灯のほのかな灯りに、
生き生きと咲く白梅の美しさが春のはじまりを教えてくれているようだった。
リポート&写真/ 渡邉雄二 Reported & Photos by Yuji Watanabe
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