ライブ インテリジェンス アカデミー(LIA)

日本の伝統文化の情報を国内外に配信していくための団体です。 その活動を通じ世界の人々と繋がっていく為の広報サービスです。

夏の茂り 第二小節 「花で人の心が生かされる」【袋中菴幻の花 写真集】

2022-05-31 14:11:47 | 袋中菴 幻の花

 

「袋中菴 幻の花」シリーズで夏の茂りの第二小節では “迎え花”、“便り花”、“神に捧げる花”などを紹介する。

ここに記載している写真や解説文は、「幻の花写真集」でまとめられたものを参照し掲載していることをあらかじめご了承いただきお読みください。

 

日本の暮らしに根付く「おもてなし」は、日本文化から生まれた独特のお迎えのマナーとして伝わっている。お客様をお迎えする表現方法は言葉以外にもいくつかある。そのひとつが「花」である。季節の花や、花を入れる花器、そして花や花器の色彩で迎えることにより、迎える人の人柄が出て楽しい。そんな細やかなお迎えが「日本文化の原点」のような気がする。

 

一生に何度も会えないかもしれない、と思うと人を迎える気持ちが改まる。この一瞬のときを迎えるために装う花がある。

また、何気のない日常のなかに華を一輪置くことで、心に物質以外の別の感情が生まれてくるから不思議だ。手紙を入れておく文箱の横に花が一輪添えられていると、なかの手紙の内容が偲ばれる。まさに偲ぶ花になる。

 

花も命あるもの。言葉はないが美しい形や色、そして香がある。それを生かすのは人であるが、花によって人の心が生かされていることを忘れてはなるまい。

 

    百合流し帯 白い百合の流し帯で涼感を視覚的に表現された待合の花

 

          桜桃に可愛らしいがく紫陽花の可憐さが漂う

 

  一期一会と思いながら人を迎える。その一瞬の花として装う

 

  何気ない日常に一輪添えると形からでは見えないものが浮かぶ

 

    花と花がつなぎあって花を咲かす。人もそうでありたい

 

       もうすぐ葵まつり。ひそかに神に捧げる葵

 

リポート&写真/ 渡邉雄二 写真/ 写真集複写し転載 参照・転載/ 「袋中菴 幻の花」写真集

 

尾道・文化紀行 https://asulight0911.com/hiroshima_onomichi/

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地域のイベントにはお寺の役割が大きい 「佛日寺寄席」のおもしろさ発見 !

2022-05-30 14:45:29 | 文化想造塾「神社仏閣」

先週の宝塚・平林寺の落語会をメインにした地域フェスに引き続いて、昨日は池田市の「佛日寺寄席」が開催された。お寺と地域住民の交流を促進させることで地域活性の原動力にしようとお寺自らが企画し活動の輪を広げようと動きだしている。

 

 

昨日の落語会は、「落語の発祥地」といわれる大阪府池田市にある佛日寺で開催された。池田市は毎年「社会人落語日本一決定戦」が行われている落語お膝元なので、今回の佛日寺寄席は社会人の落語家さん3人による落語共演で盛り上がった。

社会人落語日本一決定戦は、毎年全国からアマチュアの落語好きの方々3千人以上の応募(テープ)があり、そのテープ選考で約半数が本戦(池田市)に進む。数会場に分かれ予選会と決勝戦が2日間にわたり開催される。

最終10名が選ばれ日本一決定戦が行われ、ファイナリストに残った落語つわものは鍛えぬいた落語を披ろうし、日本一を目ざす。

 

今回の佛日寺寄席では、第一回目の決定戦のチャンピオンや過去のファイナリストの落語家さんが登場。それぞれが “落語は わが人生!” とおっしゃる方々ばかり。チャンピオン経験者である「五月家ちろり」さんは池田市内で居酒屋を営む女将さん。「猪名川亭喜真理」さんは主婦。ご主人のサポートを受けながら落語のレッスンの日々。高座に上がるときはご主人が裏方でサポートされる、夫婦落語家さん。そして今回の男一点の「池田家夢彦」さんは池田市の元消防長さん。小学生の時から落語にはまり半世紀というつわもの。

みなさん、プロではなくあくまでもアマチュア。高座で大事にされている「アマチュア目線」で落語を楽しんでいる。プロの落語家さんにはないお客様との同一目線が心を和ませ笑いをさそっていく。落語家さんからは「今回、お客様と一体になれた落語会はそうないですよ、最高でした!」という嬉しい声も届いていたようだ。

 

          五月家ちろりさんが熱演する「池田の牛ほめ」

 

           池田家夢彦さんが熱演する「大安売り」

 

         猪名川亭喜真理さんが熱演する「子はかすがい」

 

今回の佛日寺寄席は、地域の人とお寺の交流が最大の目的である。お寺離れといわれる昨今、お寺の情報を多くの人に知ってもらえればというのも大切なテーマのひとつ。とくに地域に存在する、その地域のためのお寺というものの理解を広めていく活動には落語は馴染やすい。

今回の寄席タイトルに「隠元禅師350年大遠忌」というのが付いている。落語が始まる前に住職さんから隠元禅師とは? から始まり宗派のことやお寺の歴史、そして地域の歴史なども解りやすく解説されていた。「同じ町内にいながら知らないことばかり。こんな話が聞けて良かった」という参加者の声が聞こえてきた。

さらに、住職さんのお話の後は、和尚さんの唱える般若心経を参加者全員が読経。お寺ならではの光景にホッとしたのは私だけではないだろう。

 

               服部住職さんの法話

 

また、お客様からは次回も楽しみにしています、という声に、住職さんは落語会と同時に、庭などで地域の方たちが育てている野菜などの販売もできたら、と次を見据えておられるようだった。

 

    住職さんを囲んで落語家さんとお茶子さんを務めたインドの留学生

 

リポート&写真/ 渡邉雄二

 

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世界でひとつの手製「御守りお札」をつくる

2022-05-27 15:14:44 | 仏画曼荼羅アート教室

 

ご存じと思うが、それぞれの干支に守り本尊という仏様が存在する。私は卯年なので「文殊菩薩」が本尊となる。仏画曼陀羅アートの体験会では、参加された方の本尊(分かる範囲で)を写仏し御守り札を作成している。先日の平林寺の写仏体験会では、参加された方々の本尊ではなく平林寺の本尊が釈迦如来像なので釈迦如来を写仏した。

 

明日の仏画曼陀羅アート神戸教室の課題は、参加される方々の本尊が分かっているので、それぞれの方々の本尊の仏画を用意した。大日如来、阿弥陀如来、千手観世音菩薩、普賢菩薩の4仏画で、特に今回は色彩豊かな仏画見本を選んだ。

 

今回作成する御守り札は、外紙は少し厚めの模様入りの和紙を使用。写仏はできるだけ薄い和紙に写しとり着色する。仏画の周りには墨か朱墨で円相を画く。仏画を描いたら外紙の内側の中央に貼り付け、その上にまた薄い和紙をのせ、中央に守り本尊の梵字を書く。そしてそこに般若心経をさまざまな形状で書いていく。縦(写真)に書きたい方は鉛筆で縦線を入れ、書き終われば線は消す。放射線状に書いていくのもあり、また渦巻状に書くのも楽しいかもしれない。

 

出来上がりは、般若心経が「扉」になり、その奥に本尊が安置(透けて見える)されているというイメージのお札である。そして最後に、外紙を折りお札になる。表には「干支仏 阿弥陀如来 様」と書き、柱や壁に張るのもよし、仏壇の引き出しに、また自分の身の周りに収めておくのも良い。自分だけの「御守りお札」として大切に保存、きっと、<あなた>を守ってくれることでしょう。

 

                大日如来

                 阿弥陀如来

                 普賢菩薩

               千手観世音菩薩

 

リポート&写真/ 渡邉雄二

 

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願い事が音に共鳴し、神様に届く

2022-05-26 11:13:27 | 雑感

平安神宮の鳥居はデカイ。くぐる時はついつい見上げてしまう。青天では朱色が映える。

鳥居の先に應天門がそびえる。そして正面には大極殿がある。

應天門から太極殿までにはなにも無い空間が広がっている。甲子園球場のグランドの広さと同じくらいだろうか。と想像しながら、その中心部ぐらいのところで手にスマホを掲げ、360度回転してみた。(とくに意味はない)

 

そのあと太極殿で参拝し、白虎楼、蒼龍楼、神楽殿、額殿と周り、應天門に向かい歩いていると「カラ~ンカラ~ン」という乾いた音が聞こえてきた。「ん、なんの音だろう?」と耳を澄ますと門の西側に絵馬が吊り下げられていた。心地よい風に吹かれて絵馬がこすれ合っている音だった。

 

絵馬は、願い事や願い事が叶ったお礼に言葉が添えられ吊り下げられている。その願い事がこすれ合う音に共鳴し神様に届けられているようにも思えた。風情にとんだ美しい光景だった。

 

 

リポート&写真/ 渡邉雄二

 

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“耀山にして この仏像あり” シリーズ 1

2022-05-25 12:24:34 | 雑感

仏師 三浦耀山さん。この方との出会いは20年近く前になろうか。

比良山麓にある仏所「勢山社」の代表であり大仏師・渡邊勢山師の内弟子として13年間にわたり仏師としての修行をされてきた。それから勢山社で何度かお目にかかっている。

 

その三浦さんと、2週間前にお会いする機会があった。十数年ぶりの再会だった。それまでは、随所で仏師としての活躍がメディアとかネットを通して伝わっていた。独立され自分の仏所を京都に構え仏像製作や修復の仕事で活躍されている。

 

「土御門仏所(つちみかどぶっしょ)」という屋号で開所され10年が経つ。工房を訪ね、むかし話などに華が咲いた。

 

詳しくは随時紹介していく予定。 “ 耀山にして この仏像あり ” という印象だった。

 

            三浦耀山さんと現在製作中の仏像

 

                土御門仏所のれん

 

リポート&写真/ 渡邉雄二

 

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