昨日、用事があって大阪の福島区まで出かけた。目的地の最寄り駅は阪神電車の「阪神野田駅」。降りてびっくり、駅前のランドスペースでは多くの人が藤を撮影していた。多くの人で賑わう駅前に藤棚が整備され育てられているのは見たことがない。
藤棚の下に「のだふじ巡り2025」というタイトルが書かれたパンフレットがあり、それを見ると福島区で30か所ほどの「のだふじ名所」が記載されていた。区の花が「のだふじ」ということだった。つまりこの「のだふじ」は福島区の玉川地域が発祥の地とされている。ちなみにこの「のだふじ」と命名したのが植物学者の牧野富太郎さんのようだ。その記念碑もあった。
安土桃山時代には豊臣秀吉も見物に訪れたという。そして江戸時代には「吉野の桜・野田の藤・高雄の紅葉」と並び称され多く人が、ここ野田まで足を運んだと言われている。現在、その「のだふじ」は、福島区の春日神社がその聖地とされ、この時期とくに多くの人が参拝し藤棚を巡っている。
筆者も午前中に用事が終わり春日神社を訪ねた。行く途中でパンフレットを手に「のだふじ巡り」をするご婦人たちが目立った。皆さん、春日神社を目指していたのでその後をついて行った。
鳥居の周辺には多くの人たちがいたが、まずは参拝と思い本殿を関係者に尋ねた。
本殿はどちらですか。
ここです。
え、ここ? ついつい声が出てしまった。
写真のとおり、小さな鳥居をくぐり一人が通れるくらいの通路の奥に、これまた小さなお社があった。お賽銭をいれ本坪鈴を鳴らし、手を合わせた。のだふじの聖地とされる春日神社の、想像と違う光景に少々驚きはしたものの、人の手によって煌びやかに作られたものではなく歴史の一コマとして遺されている。住宅地に溶け込んだこの光景に、なぜかホッとした気分に。
藤にはいくつか種類があるようだが、その中でも「ノダフジ」と「ヤマフジ」が主な種類のようである。その見分け方は、ノダフジはつるが右巻き、一方、ヤマフジが左巻きということらしい。よくわからないが、生き物だからそれぞれ個性や特徴があって当たり前なのだろう、と納得した。
春日神社を後に、歩いて数分のところに下福島公園まで足を延ばした。ここののだふじもコース巡りに一つに入っている。満開のピーク時は超えいるがまだまだ薄紫は圧巻だった。


のだふじの発祥の地の石碑


のだふじの特徴である右巻きつる

大阪市福島区の「春日神社」

のだふじ巡りの一つ「下福島公園」ののだふじ
文・写真/ 渡邉雄二
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