ライブ インテリジェンス アカデミー(LIA)

日本の伝統文化の情報を国内外に配信していくための団体です。 その活動を通じ世界の人々と繋がっていく為の広報サービスです。

大阪市立東洋陶磁美術館で出会った「鼻煙壷」の魅力 【記憶に残る一枚―鼻煙壷―】

2024-05-24 15:23:23 | 美術館

ご承知のとおり、大阪市立東洋陶磁美術館は、質量ともに芸術性の高い東洋陶磁を収蔵・展示する美術館として名を馳せている。

今年4月にリニュアルオープンし、さらに東洋陶磁の世界的権威のある美術館として生まれ変わった。その姿と、東洋陶磁の逸品を改めて鑑賞してみたいと思っている。

 

もう、5、6年前になるだろうか、美術館に行ったおりに、それは、それは豪華絢爛で可愛らしい、「鼻煙壷」と出会った。その時の印象を鮮明に覚えている。はじめは、小さな陶器の壷に装飾が施されている装飾品だという認識であったが、専門家にご教授いただいて、はじめて秀逸で歴史的価値の高い鼻炎壷だと知った。

 

中国の清朝時代の王宮ではやった、粉状の嗅ぎタバコを入れる容器。中国独特の華やかな美術工芸品としてもてはやされていたようだ。アメリカからヨーロッパに伝来され、ヨーロッパで箱型容器が主流となり、それが中国に伝わり陶器の密閉型に変容され、中国独特の美しい工芸細工が施された。

 

初めて鑑賞したとき、ガラス越しにのぞき込むように一つひとつの壷を眺め楽しんだことを記憶している。鼻煙壷の名品ではあるが、豪華絢爛な装飾品として耀きを放っていた。写真を見ながら懐かしく思いおこした。

 

 

 

 

 

 

 

リポート&写真/ 渡邉雄二

 

#大阪市立東洋陶磁美術館

#リニュアルオープン

#東洋陶磁の逸品が揃う

#鼻煙壷

#中国清朝時代

#東洋陶磁

#豪華絢爛

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

海北友松の押絵貼屏風にみる禅僧の姿 【福田美術館「ゼロからわかる江戸絵画」より】

2023-12-08 14:22:10 | 美術館

海北友松(かいほうゆうしょう)の絵を初めて観たのは、数十年前になるが、臨済宗の大本山建仁寺の襖絵の龍である。その時、襖に描かれている龍を観ての衝撃は今でも覚えている。その絵が写真の雲龍図。それをキッカケに龍に関心をもつようになった。と同時に、海北友松をはじめとする江戸時代に活躍した絵師やその絵に魅かれた。

 

 

 

さて、先日来よりシリーズで掲載している福田美術館で開催されている「ゼロからわかる江戸絵画」の中から、今回は、安土桃山時代の後期から江戸時代にかけ活躍した、私の好きな「海北友松」の押絵貼屏風を紹介する。

解説は、美術館の画の横に置かれている解説をそのまま転載。分かりやすい解説文なのでそうさせてもっている。六曲一双の左隻と右隻の文人画と賛の押絵貼屏風である。一枚一枚は詳しく分からないが、達磨や僧侶の姿を描いている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海北友松画 玉室宗珀ほか 賛   禅宗祖師・散聖図押絵貼屏風

名だたる禅僧大集合

禅宗を開いた達磨や出家した僧侶の姿を描いた作品。薄い墨で形をとった岩や人物の衣などに鋭く勢いのある筆遣いで濃い墨の線を足すことで、絵の動きとアクセントを与えています。友松の描く人物は衣の中に風が入って膨らんだように見え、「袋人物」とも言われます。各図の上には10人の禅僧による漢詩が書かれている。

 

 

リポート&写真/ 渡邉雄二

作品/ 福田美術館「ゼロからわかる江戸絵画」より

 

#福田美術館 #京都嵐山 #ゼロからわかる江戸絵画 #海北友松 #絵師 #押絵貼屏風 #文人画 #名だたる禅僧の漢詩

 

#尾道 #尾道観光 #尾道千光寺 #尾道観光大使 #仏画曼荼羅アート #佛日寺 #福泉寺 #法楽寺 #渡邉雄二 #ライブインテリジェンスアカデミー

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

伊藤若冲の雲中阿弥陀如来像図の魅力 福田美術館「ゼロからわかる江戸絵画」より

2023-11-27 10:09:39 | 美術館

伊藤若冲が描いた仏画はそんなに多くはない。有名なものとして「釈迦三尊像」が知られている。この三尊像は40代の前半から50代にかけ約10年を費やして描いたものである。現在は国宝として相国寺の承天閣美術館に所蔵されている。

 

そして、もう一つ若冲が描いた作品の中で大好きな仏画がある。若冲が30代のときに描いたといわれている「雲中阿弥陀如来図」である。ご覧のとおり、実にシンプルな仏画で、彩り鮮やかな釈迦三尊像とは真逆である。

雲から上半身を出した阿弥陀如来が胸の前でボタンの花をもつ姿。また、後光は円の外側を薄墨で塗り、中は紙の地を見せることで表現している。色彩や形状のシンプルさが美しさを引き出している。

 

さらに、頭部の毛を螺髪のように見せながら塗りつぶし、額の中央部分をほんの少し扇形に地を見せている。いままで見たことのない描き方なので想像が膨らむ。

 

 

 

 

伊藤若冲の「雲中阿弥陀如来像図」

 

リポート&写真/ 渡邉雄二

作品/ 福田美術館所蔵作品

 

#京都嵐山 #福田美術館 #ゼロからわかる江戸絵画 #伊藤若冲 #雲中阿弥陀如来像 #仏画 #シンプル #胸に掲げるボタン #ボタンをもつ阿弥陀如来像図

 

#尾道 #尾道観光 #尾道千光寺 #尾道観光大使 #仏画曼荼羅アート #佛日寺 #福泉寺 #法楽寺 #渡邉雄二 #ライブインテリジェンスアカデミー

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

国宝「柴門新月図」は19人の禅僧が絵と漢詩で綴ったもの 【藤田美術館シリーズ-Ⅴ-】

2023-03-02 14:56:04 | 美術館

「月」を題した序文が書かれたパネルがスポットライトに照らされていた。「夜がまだ暗闇だったころ 地上を照らすのは空に浮かぶ月でした ・・・・」という出だしで綴られていた。

 

 

そこから藤田コレクションがはじまる。最初の作品が国宝「柴門新月図(さいもんしんげつず)」だった。絵と複数の漢詩の両方が書かれ、絵と詩が密接に関わりあっている「詩画軸(しがじく)」という一服の掛軸。これが国宝作品というのは門外漢の私には理解不能である。多くの人が一つのテーマに、それぞれの詩を寄せているものとして貴重で珍しい日本の文化財産ということから国宝に指定されているという。

 

むかしは、よく禅宗系寺院などで禅僧たちが修行の一環として「詩会」を催し、同一テーマで詩や絵を描いていたといわれている。この柴門新月図は、中国の杜甫の詩「南鄰」に因んで送別をテーマに漢詩が18首詠まれ寄せ書き風に書き綴られたものである。

藤田美術館の解説では、序文に「柴門新月の図に題して、南鄰(なんりん)の故友に寄せる詩の序」と書かれているという。

 

この18首は、応永12年(1405年)に18人の南禅寺の禅僧が詠んだ詩であると記されてある。3首以外すべての自筆で署名し落款印が押されている。この作品の最後の句が「白沙翠竹 江村の暮 相送れば柴門に月色あらたなり」(訳 白い砂 緑の竹 江ぞいの夕暮れ 互いに見送れば 柴で作られている粗末な門に月があらわれた)。この詩が「送別」の代表首として結びに使われている。

これらの詩を読んで一人の画僧が絵を描いたのか、絵を参考にしながら18首を詠んだのかは分からないが典型的な詩画軸だろう。

 

ひとつ不思議ことに、この作品名が「柴門新月」とあるが、新月というのは月の満ち欠けの中で初めの月のことをいうので見えない月のはず。しかしながら絵からして満月をイメージしている。最後に「月色新たなり」という最後の一節から想像すると送別の詩としてやはり満月というとになる。満月を意味しながら新月と表現したのだろうと想像する。

 

 

 

リポート&写真 /  渡邉雄二 参考資料 / 藤田美術館解説文

 

#藤田美術館 #大阪市都島区 #先進美術館 #柴門新月図 #国宝 #一服の掛軸 #杜甫 #詩画軸 #南禅寺 #禅僧の漢詩18首 #藤田コレクション

 

#尾道 #尾道観光 #尾道千光寺 #尾道文化紀行 #尾道観光大志 #仏画曼荼羅アート #佛日寺 #福泉寺 #渡邉雄二 #心と体のなごみブログ #ライブインテリジェンスアカデミー

 

尾道・文化紀行 https://asulight0911.com/hiroshima_onomichi/

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

雪村、悟りを開いた「釈迦」を描く 【藤田美術館シリーズ-Ⅲ-】

2023-02-06 11:18:53 | 美術館

 

カードで決済を済ませたあと、スタッフから各作品の解説がスマホで聞けます、という案内があった。QRコードを読み込めばそれだけでOK。イヤホンを持っていたので作品の前に立ち、スマホに読み込んだ各作品の情報をタップすれば解説が流れてくる。このような操作が得意でない私でも便利機能に助けられ作品を堪能した。

 

トビラを入った瞬間、「暗ら」という心の声が発せられた。我われ世代(私だけかも)では見えにくい展示室というのが第一印象だった。まず、最初の作品の前に行くと作品にスポットの光があたり耳に作品の音声ガイドが流れる。作品に集中できる雰囲気づくりの演出だったようだ。

 

展示作品にテーマが掲げられてあった。「緑」「僧」「輝」「装」の4つで、「装」は3月からということであった。テーマによって少し期間が異なる展示スタイルのようである。作品すべてがスマホに限り撮影(フラッシュなし)が可能である。但しガラス張りではあるが、不思議と光の屈折なしで撮影ができる。

 

すべての作品を紹介したいが、知識が乏しいので何点かに絞って掲載しようと思っている。その第一弾が「僧」をテーマにした作品群の中で、室町時代の後期に活躍した画僧・雪村(せっそん)が描いた「中釈迦左右梅竹図」という三幅対の掛軸。中央幅には釈迦が描かれ、左には曲がりながら鋭く上へ伸びる「竹」、右には「梅」、そして中央幅には釈迦が描かれている。

解説によると、雪村が描いている釈迦は悟りをひらいた姿を描いていると言われている。それは、頭頂部の盛り上がりや、白毫(びゃくごう)と呼ばれる眉間の白い毛、足の甲が高くなっているなど、また、衣が粗放で太い墨線で表現されるのに対し顔は繊細な線で表されている。

 

悟りを開いたあとに、体にいくつかの悟りの特徴が現れるといわれている。これは古代歴史の中で伝え継がれているものらしい。その真意は全く分からないが、雪村は強調して悟り釈迦を描いている。

鋭く天に伸びる竹に梅を両幅に釈迦の凛々しい姿を描きたかったのだろう、と勝手に推測している。リアリティあふれる釈迦の姿に親しみを覚える。心に残る三幅対の作品であった。

 

 

 

 

リポート&写真/ 渡邉雄二

 

#藤田美術館 #大阪市都島区 #藤田傳三郎 #藤田美術館シリーズ #三幅対の掛軸 #中釈迦左右梅竹図 #雪村 #画僧 #室町時代 #竹と梅 #悟りを開いた釈迦

 

#尾道 #尾道観光 #尾道千光寺 #尾道文化紀行 #尾道観光大志 #仏画曼荼羅アート #佛日寺 #福泉寺 #渡邉雄二 #心と体のなごみブログ #ライブインテリジェンスアカデミー

 

尾道・文化紀行 https://asulight0911.com/hiroshima_onomichi/

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする