小さな写し仏

大日如来坐像を写した。10センチ正方の小さな写し仏である。
その周りに光背として般若心経を円形に配した。
先日作ったミニoriori軸の中に、それをコラボさせたものである。

9月の終わりから始まるカルチャーセンター講座のPR促進のために
作品を会場に飾る依頼を受け制作した。

写仏と般若心経コラボでアートに！

般若心経は、実体の無い"空"を説いている経典だが、残念ながら"空"なるものが解けてない。
なら、もがくより楽しもうと始めたのが、この作業である。仏画を写し266文字の般若経典を書く。このコラボレーションがどういうわけか妙に心地よい。それに、独自の世界観を生み出せるアートとしても楽しめる。

まずは9月の体験会のチラシをお粗末ながら作りました。27日(木)午後7時からと、29日(土)午後1時30分から、と2カ所で行います。体験会に参加したい方は、それぞれのスクールへ。

イメージを膨らませる。

今日は、軸装作家 辻めぐみさんの「oriori軸」製作ワークショップに参加。墨承作家さんや美術作家さんなどに交じって可愛いらしいお軸を作らせてもらった。
それぞれが持参した作品等を中心に施し完成である。小生は持参はしてないが、飾るものは決まっている。それをイメージしながらの作りあげるのは実に楽しいものだった。

任天堂の原点、威風堂々たる存在！

職場近くの弁当屋さんに行く途中、いつも気になっていた建築物がある。先日、玄関先まで行ってみるとこんな掲出看板がかかっていた。"トランプ・たるか"と妙な文字。
内部は人の気配はない。長い間、空き家状態のビルだ。看板の下に「堂天任内山」と古さを感じさせる右からの読む漢字である。
京都下京区の正面橋を西に入った住宅の路地裏の一角に威風堂々とそびえ建っている。

聞いてみると、ここが、世界の「Nintendo」の発祥地であり、そのビルヂィングなのである。創業当時は、花札、かるた、トランプを作っていたようだ。
創業者の山内房治郎氏が、明治22年にこのビルからスタート。そののち、日本一のカード会社となり、2代目社長が「合名会社山内任天堂」と「株式会社丸福」を設立し、現在の任天堂へとつながっていった。その原点の地がここだった。

国宝障壁画、名勝庭園を独り占め。

京都東山七条にある「智積院(ちしゃくいん)」。いままで聞いたことない寺院だが、千利休が好んた庭園という文句に惹かれ猛暑のさ中訪ねた。山は「廬山」を、池は「長江」をモデルにして造られた庭というお墨付きが、重い足どりを踏ん張らせてくれた。

講堂の参拝経路の最初に宝仏殿収蔵庫がある。この中には長谷川等伯並びに一門が描いた国宝の「桜図」「楓図」をはじめとする桃山時代の数々の障壁画が収められている。
この収蔵庫のドアを開け入ると、驚くこと小生ひとりだった。これらの国宝障壁画を独り占めすることに脚はすくんだが、恐悦至極な体験をさせていただいた。

そのあと大書院へ。ここから眺める庭園を利休も好んだのか、と。さすが、これが名勝と言われ庭園とうなずくも薄識では理解も乏しい。ただ、廬山と長江の縮図を想像した。
山の中腹から垂れ下がる百日紅にピンクの花が咲き誇っていた。この美しさは、日本人の感性を揺らすもののような気がする。

もうひとつ目が釘付けになったのが、大書院の障壁画である。桜楓図のうちの桜図の複製障壁画に圧倒された。
ここでもひとり佇み、障壁画を背に庭園を眺める至福の時をもった。なにも考えることなくただ坐って。