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タライに月を映し、毬と、梶の葉の裏に願い事を添えて ! 【一茶庵稽古追想】

2021-07-08 14:00:50 | 文化想造塾「煎茶」

七夕は、7月7日。
ご存知のように、すべての暦(こよみ)は新暦で行われている。その昔、旧暦で行われていた歳時や祭り事は、いまの新暦でいうと当然ながら季節のズレが生ずる。
自然の摂理に基づいて行われていた事が、新暦に準ると違和感が生じる。そういう違和感をもつ祭り事の中で七夕もそうである。新暦では7月7日であるが、旧暦にあはめると通年8月10日前後となる。

いつもは8月10日前後に夜空を眺めると、もしかすると天の川と織姫星と彦星と上弦の月が見られるかもしれない。上弦の月があっての七夕のようだ。この時期が一番織姫星と彦星が接近する。しかし天の川を挟んでいるから逢うことはない。
そこで、彦星が上弦の月に乗って織姫に逢いに行く。そんな楽しい伝説がある。だから七夕は、上弦の月を入れ”七夕伝説”が成り立っているようだ。

さて、稽古で写真にあるお軸が掛かっていた。
これが七夕を表現するお軸 ?
賛を観ても画を観ても、七夕を想像させる要素が全く見あたらない。なら、画はなにか、ということから始まった。たぶん毬(まり)だろう。なら、葉っぱは何なんだろう、となるが思い当たるものが出てこない。
賛の漢詩を詠むと最後に「乞巧(きっこう)」と書かれてある。ご存知の方も多いだろうが、この言葉が、中国でいう七夕のこと。
七夕は、古代中国の祭り事である。それが日本に伝わり日本の風俗や地域にあった七夕に変化していった。中国はいまも七夕を祝う風習はあるようだ。日本のようにお供えをするらしい。中国の場合、女性のお祝い事のようである。裁縫や手芸が上手になりますように、と。
賛に書いてある七針(針に七つの糸を通す穴がある)で七色毬をつくる。その毬を置いて、七夕の夜に天の川と2つの星、そして月をたらいに映し出し、梶の葉の裏に願い事を書いて浮かべるというお遊び。だから、毬に梶の葉を添えて七夕を表現している。

解説を聞いていると一つの祭り事でも、時代や地域、また人の捉え方で内容が異なる。基本情報をおさえながらそれぞれの捉え方で楽しむのがいいのかも。

昨夜は全国的に雨、曇りで夜空に天の川は見ることはできなかった。旧暦でいうと8月10日前後だから、もう一度チャンスがあるかも。ぜひ!

 

※この記事は2015年7月「心と体のなごみブログ」に掲載したものに加筆し転載


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