組み込まれたエンジニア

我輩は石である。名前はまだ無い。

Out of Order実行 SN/X 完成

2010-08-03 17:25:12 | Weblog
一応、自分で用意している4つのテストケースは完動したので、完成としておこう。

最終的に、LD/ST専用にインオーダーのリザベーションステーションを作ったり、各種事象の同時発生対応コードを入れたりと、コード量はずいぶん増えて、現在、794行。

かろうじて800行は切った。まぁ、これでも、Out of Order実行CPUとしては、極小の部類だと思う。

主要諸元は以下の通り


 
CPU アーキテクチャ SN/X
リザベーションステーションALU(2エントリ)
リザベーションステーションBRANCH(2エントリ)
リザベーションステーションLD/ST(2エントリ:インオーダー)
リオーダーバッファ・リネームレジスタ8エントリ
ストアバッファ2エントリ
コード行数794行
開発期間実働4日
使用言語NSL




最後まで悩ませたのが、SORTの例題で、実行結果のメモリがおかしいというもの。これは、メモリまでアウトオブオーダーにしていたので、STの後にLDで同じアドレスを読み出すケースで、LDをSTよりも先に実行してしまい、値を誤っていた。LD/STのリザベーションステーションを1エントリにするという方法もあるけれど、一応、インオーダー2エントリとして対処。メモリをアウトオブオーダーに実行すると、性能上は非常に優れているのだけれど、演算結果がおかしいのでは意味がないね。

インオーダーCPUは、順番に実行するので、リソースの競合はあらかじめ避けるように設計するのだけれど、アウトオブオーダーの場合には各ユニットが勝手に実行するので、同時発生の競合や、読み出し・書き込み同時の場合に、スルーでデータを渡すのか、待たせるのかなど、個別に詳細な検討が必要だ。

それに、何より、結果がおかしい時のデバッグが難しい。
お勧めは、命令リタイヤはインオーダーだし、発行もインオーダーなので、まずは、リタイヤを追いかけて、命令結果を見て、その後、リタイヤアドレスから命令発行場所を探して、解析を行うというもの。

命令発行と命令リタイヤが1命令ずつなので、アウトオブオーダーにしたからといって、大きく性能が向上するわけではないけれど、原理を理解するための教育目的CPUなので、その目的には十分な効果があると思う。


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