カーネルスケジューラのキーが、switch_toというマクロである。
このマクロの中で、スタックを切り替えることで、タスクが切り替わる。
このマクロ、引数を3個取るのだが、この説明をまともにしている書籍が(先日紹介したものを含め)ない。
i386では、このマクロは次のように定義されている。
問題は、3つめのlast引数である。実は、この引数は、本来必要はないものだ。多くの解説本では、もっともらしい言い訳を創出しているが、アセンブラに対して中で呼び出す__switch_toの入出力を明示的に示すためだけにあるのである。
colinuxのカーネルビルド環境を作ったついでに、3つ目の引数を使わないマクロに変更し、動作させてみる。変更後のマクロを次に示す。
当然だが、sched.cのswitch_toの呼び出しも第3引数を削る。
こうやって作ったvmlinuxは全く普通に動作することからも、第3の引数が不要であったことが確かめられる。
上の変更後マクロのポイントは、prevを入力にも出力にも利用している点だ。これによって、FASTCALLの__switch_toへの引数ならびに返り値として、EAXを利用するコードとなって、所期の目的が果たせるのだ。
少なくとも、i386系列のアーキテクチャで第3の引数がなくて困るものはないと思うのだが・・・?
このマクロの中で、スタックを切り替えることで、タスクが切り替わる。
このマクロ、引数を3個取るのだが、この説明をまともにしている書籍が(先日紹介したものを含め)ない。
i386では、このマクロは次のように定義されている。
問題は、3つめのlast引数である。実は、この引数は、本来必要はないものだ。多くの解説本では、もっともらしい言い訳を創出しているが、アセンブラに対して中で呼び出す__switch_toの入出力を明示的に示すためだけにあるのである。
#define switch_to(prev,next,last) do { \ unsigned long esi,edi; \ asm volatile("pushfl\n\t" \ "pushl %%ebp\n\t" \ "movl %%esp,%0\n\t" /* save ESP */ \ "movl %5,%%esp\n\t" /* restore ESP */ \ "movl $1f,%1\n\t" /* save EIP */ \ "pushl %6\n\t" /* restore EIP */ \ "jmp __switch_to\n" \ "1:\t" \ "popl %%ebp\n\t" \ "popfl" \ :"=m" (prev->thread.esp),"=m" (prev->thread.eip), \ "=a" (last),"=S" (esi),"=D" (edi) \ :"m" (next->thread.esp),"m" (next->thread.eip), \ "2" (prev), "d" (next)); \ } while (0)
colinuxのカーネルビルド環境を作ったついでに、3つ目の引数を使わないマクロに変更し、動作させてみる。変更後のマクロを次に示す。
#define switch_to(prev,next) do { \ unsigned long esi,edi; \ asm volatile("pushfl\n\t" \ "pushl %%ebp\n\t" \ "movl %%esp,%0\n\t" /* save ESP */ \ "movl %5,%%esp\n\t" /* restore ESP */ \ "movl $1f,%1\n\t" /* save EIP */ \ "pushl %6\n\t" /* restore EIP */ \ "jmp __switch_to\n" \ "1:\t" \ "popl %%ebp\n\t" \ "popfl" \ :"=m" (prev->thread.esp),"=m" (prev->thread.eip), \ "=a" (prev),"=S" (esi),"=D" (edi) \ :"m" (next->thread.esp),"m" (next->thread.eip), \ "2" (prev), "d" (next)); \ } while (0)
当然だが、sched.cのswitch_toの呼び出しも第3引数を削る。
こうやって作ったvmlinuxは全く普通に動作することからも、第3の引数が不要であったことが確かめられる。
上の変更後マクロのポイントは、prevを入力にも出力にも利用している点だ。これによって、FASTCALLの__switch_toへの引数ならびに返り値として、EAXを利用するコードとなって、所期の目的が果たせるのだ。
少なくとも、i386系列のアーキテクチャで第3の引数がなくて困るものはないと思うのだが・・・?