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◆井上陽水と私◆2005年1月1日から2011年12月まで

マルチクリエイター。井上陽水と私。 独身氷河期世代。当時、ペンネームは夏風アザミルク。

椿三十郎★織田裕二★世相を読む

2008-12-29 14:20:54 | Weblog
リメイクの原作はいわずと知れた黒沢作品。
戦後17年たった平和な時代の娯楽作。
原作も以前見たし、リメイクも今日見ました。

主人公織田は39歳浪人の役らしい。
椿が咲いているお屋敷で 名前を聞かれて
「椿三十郎、もうすぐ四十郎になります。」
浪人の悲哀がでてくるわけよ。
郎と浪がかかってるのよ。
「本当にいい刀は鞘に入ってるものですよ」と
奥様に言われてしまうのは
椿三十郎自身もズシンと響いている。

仕官して結婚して鞘に納まるって
実に現代社会の「一人前」ってイメージにかなってるんですよ。


剣の腕も合戦の知恵もあるが、もはや戦国の世ではない。

侍といってもお城勤めの平凡な生活ができなくては仕官はできない。
世の中の元軍人の不器用なサラリーマンを暗示してるってことかな。

1962年、戦争が終わって17年。
20歳で愛国に燃えていた戦士が、戦後の仕組みに入れない。
これが、37、8歳の浪人もどきの男を連想されたわけ。
サラリーマンになりきれない男のかっこよさ。

これを現代に置き換えると、
金融危機、株価低迷、低成長、高齢化社会での
フリーターを意識させるわけよ。

フリーターって悲しいもんねえ。

若い9人の侍たちはお坊ちゃんよ。
フリーターになっちゃいけないって親に言われて
世の中の好景気を味方に正社員になって
年上のフリーターを使いまわしたり馬鹿にしてるわけ。

そこに森田監督の狙いもあったんだろうけど、
観客にはちょっと伝わりづらいね。

まあ、暗い話は置いといて映画自体はいいよ。
ストーリーも面白いし、コミカルなシーンがいっぱい。
軽くて面白くて娯楽快作だね。

決闘の名シーンも、血の吹き出し方が笑える原作だったのに
そこだけリメイクで大幅に変わってた。
あってもなくてもいいような決闘だしね。
名シーンっていうようなもんかね?

痛快娯楽策の影の現代社会を描いてることを
アピールしないとダメだよね。


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