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中村吉右衛門丈、読売演劇大賞受賞の喜びを語る

2015年02月14日 05時52分15秒 | 歌舞伎

読売演劇大賞を受賞した中村吉右衛門丈が、インタビューに答えて喜びのコメントを発しています。記録しておきましょう。

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第22回読売演劇大賞…受賞者 喜びの声(上)
読売新聞 2015年02月12日 08時00分

 昨年1年間に国内で上演された演劇から、最も優れた作品や人物を顕彰する第22回読売演劇大賞の受賞者、受賞作が決まった。

 喜びの声を2回に分けて紹介する。


 大賞・最優秀作品賞「伊賀越道中双六いがごえどうちゅうすごろく」(国立劇場)

 ◆みんなで作り上げた熱演

 初めて歌舞伎が大賞・作品賞に選ばれた。「歌舞伎は現代に通じるものが書かれていると常に思ってやってきた。本当にうれしいです」と座頭の中村吉右衛門=写真右=は語る。

 「伊賀越道中双六」(作・近松半二ほか。1783年初演)は、荒木又右衛門の「伊賀上野の仇あだ討ち」を題材にした名作だが、名場面「岡崎」の上演は44年ぶり。上演の途絶えた作品の復活と通し公演を長年続けてきた国立劇場の活動の成果でもある。同劇場の大和田文雄理事=同左=は「吉右衛門さんにはいろんな作品を演じていただき、よい成果を上げてきた。一緒に仕事をさせていただいて本当に良かったです」と話す。

 「岡崎」では敵の行方を探る剣豪・政右衛門が、本懐を遂げるため、敵側に付いた師匠・幸兵衛に人質にされた幼い我が子を殺して他人を装う。「登場人物はよく書けているんですが、前半の物語が分からないと、彼らがなぜそこにいて、何を求め、何を隠しているかが分からないんですよ」と吉右衛門。そこで制作陣は、「岡崎」の残酷性が際立つのでなく、クライマックスになるように上演台本を練り上げた

 政右衛門は、養父の初代吉右衛門の当たり役だけに「いつかは務めなければならないと思っていた」と吉右衛門。思い入れを持って臨んだが、多くを語らず、大げさに動かずに真情を紡ぐ「肚芸はらげい」が重要なため、「役作りには苦労しました」と振り返る。7歳の時、実父の八世松本幸四郎の実演を見たものの、「立ち回りぐらいしか覚えていない」。様々な資料をつきあわせて「こうやったのでは」と想像しながら演技を膨らませた。例えば「莨たばこ切り」という場面。政右衛門が素性を隠すため、寒空に震える妻を捨て置き、苦衷しながら莨の葉を刻み続ける。「腹の中でぼたぼた涙を流すにはどうしたらいいか、毎日考えました」

 役者と劇場が一体になった取り組みが熱演を生んだ。眼光鋭い幸兵衛役で、壮絶な腹の探り合いを演じた中村歌六は優秀男優賞に輝いた。「誰も意気込みがすごかった。この芝居のようにみんなで作り上げた感じがしたのは初めてです」と吉右衛門。「主役の上に、座頭として台本の作成も含めて制作面を引っ張ってくださった。吉右衛門さんの力がすごく大きかった」と大和田理事は話す。

 歌舞伎が現代演劇をしのぐ評価を得たことは大きな励みになった。吉右衛門は「古典というものにあぐらをかかず、これからも今の人間がやっている演劇ということを意識してやっていきたい」と力を込めた。

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歌舞伎がこの大賞を受賞したのは初めてというのですから、吉右衛門丈は歴史を作ったことになります。事実、『伊賀越道中双六』は、本当にすばらしい舞台でした。特に、「たばこ切り」の場面は、圧巻そのもの。2回見ていますから、いまでも瞼にその場面が焼きついています。

古くて新しい古典歌舞伎。それを吉右衛門丈は見せてくれたのです。吉右衛門丈が熊谷直実を演じる今月の歌舞伎座・夜の部『陣門・組討』も傑作です(レビューは、こちら!)。この人なら、まだまだ古典歌舞伎の新しい側面を見せてくれそうです。

吉右衛門丈、身体に気をつけてがんばってください!応援しています!


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