おばさんの落書き部屋

日々の出来事など思いつくまま

読書

2012-01-23 19:20:33 | 日記

2ケ月かかって有吉佐和子著4作の小説を読み終わった。
  「恍惚の人」
  「針女(しんみょう」
  「不信のとき」
  「華岡青洲の妻」

内、2作は若い頃読んでいたのだが、細部はほとんど忘れてしまっており、改めて読み直してみた。
年譜では「恍惚の人」は1972年の出版。
認知症の老人とその介護を扱っているが、平成の現代社会と様相は同じでまったく古くないテーマだ。
「不信のとき」は緻密に計算されたプロットで文庫本(上・下)2冊、浮気をする愚かな男性の
心理描写は読んでいてグイグイ引き込まれてしまった。
「華岡青洲の妻」は医者、青洲が麻酔を「犬」「猫」に替わり、人体実験を最初に青洲の母親が申し出る。
青洲の妻も自分から先にやってくれと譲らす、争いになる。
表面的には仲が良い嫁、姑と誰もが思っていたが、実は息子を巡って日常生活にも
陰湿な戦いが繰り広げられていて、嫁・加恵の心の動きが手に取るように表現されている。
加恵は人体実験の結果、麻酔薬のせいで視力を失うが、廻りの人々に敬われ、その後は
幸せで穏やかな生活を送る。
医学の進歩の陰には努力と、名もない人たちによって支えられ多くのドラマがあることを知る。

有吉佐和子の作品はテレビドラマや映画、舞台など映像化されたものも多いが、
読書の醍醐味はやはり文字や行間から伝わってくる余韻ある文章を味わえることだ。
残念ながら53歳の若さで亡くなっているが、驚くほど多くの作品を残しており、やはり「才女」と
呼ばれるに相応しい作家であり、出来るだけ多く彼女の作品を読み進めたい。

     
   

 


映画鑑賞「ロボジー」

2012-01-21 21:49:18 | 日記

サークル活動とミーティングを午前中に終え、午後からワーナー・マイカル・シネマズ大高へ
映画「ロボジー」を観に出かけた。

邦画より洋画好みの私は今一つ期待はしていなかったのだが、結構面白いストーリーだった。
題名「ロボジー」とはロボットの中に入っているおじいさんであり、能力がないのにロボット制作に
携わり悪戦苦闘する3人の社員と、仕事をリタイアし暇を持て余す老人とが織りなす
ドタバタを描いた物語だ。

ある家電メーカーの落ちこぼれ社員3人組が会社の宣伝目的で二足歩行の
ロボットの開発を社長命令で下されるが、制作途中でロボットが突然歩きだすという
アクシデントで、高いビルの窓から地上に真っ逆さまに墜落し大破してしまう。
日数迫ったロボット博までに完成出来ず、切羽詰まった3人はロボットの中に
サイズの合う人間(老人)を入れ、誤魔化して「ニュー潮風」と名付けて出品。
老人は「着ぐるみショー」の中に入るアルバイトとして採用されたものだった。
会場で偶然、事故に見舞われそうになった女性を助けた事から、危険も察知出来るセンサーが
組み込まれていると勘違いされ、踊りも出来る最新鋭のロボットは一躍有名になる。
子どもから大人まで人気の的となり騒がれるが、段々、ロボットではなく人間が中に
入っているのではないかとマスコミに疑われ始め、ハラハラさせられる。
結末はどうなるんだろうと・・・。
主演の老人を演じていたのはロカビリー歌手として昔、一世を風靡した「ミッキー・カーチス」
だったが、俳優名は「五十嵐信次郎」となっていた。

先日、ロボットを題材にした近未来SF映画「リアル・スティール」を見たばかりなので、
比較してしまうが、ストーリーはもとよりロボットのメカ自体もアメリカと日本の
発想の違いが如実に顕れていて興味深かった。

    ロボジー    

 

 

 


人権特別講演会「認知症になった波平」

2012-01-20 19:14:01 | 日記

千種生涯学習センターで13:30~人権特別講演会があった。
題して「認知症になった波平」  講師は中日新聞『老いの風景』の執筆者:渡辺哲雄氏
『老いの風景』は1994年から12年間にわたって500編も続いた読み切りの短編小説で
私も愛読していたが、この時世の高齢化社会の断片を切り取った物語に考えさせられることが
多かった。

ところで「波平さん」と言えば漫画サザエさんのお父さんだが、彼は最後は認知症になっていたんだっけ・・。
そう思いながら、講演を聞いていたがどうやら、講師が「羊頭狗肉」で興味を引くようにテーマにつけたものらしい。
波平さんの仕事は何? 生きがいは? 趣味は盆栽 髪型も変わらず家の中ではいつも着物、
外出のときは帽子にグレーの背広、同じかばんを持って出かける。
人とのつながりも余りなく、変化のない単調な暮らしをしていると認知症になりやすいということを
波平さんに置きかえられたようだ。

「認知症」は大きく二つに分けられ
     1.脳血管性 ・・脳の血管障害。脳梗塞や脳出血によっておこる認知症
     2.アルツハイマー型認知症・・脳の中に特殊変化が起こり、次第に脳が委縮し、痴呆になる

いつまでも呆けずに長生きをしたければ長生きをしているひとの真似をするのが良い。
政治家、実業家、芸術家、宗教家などに長生きが多いのはなぜか?
それは「欲」が強いからであり、一般的に「スケベジジイ」「ゴウヨクババア」は長生きをする。
高齢化社会の中、人生の「生涯現役」を実現するために必要なことは、人と人のつながりを大切にし、
生きがいを見つけて生き生きとした暮らしをすることと結ばれた。
お話は、テーマから暗い重たい内容かと想像していたのだが、直腸がんや胆のうを手術した時の
ご自分の体験も交え、ユーモアに溢れていて面白おかしく漫談を聞いているように
会場は終始、笑いの渦であっという間の2時間だった。

若い頃に一度読んだ有吉佐和子著「恍惚の人」を最近、再度読み直してみた。
細かい内容はほとんど忘れていたが、認知症の家族を抱える家庭は大変だと思った
のを思い出した。 
私は「恍惚」が「耄碌」の婉曲表現として使われるのを初めて知ったのがこの小説であるが、
認知症老人と介護をいち早く取り上げ(1972年発表)て問題提起しており、今日の社会でも
ますます高齢化が進む中、老後をどのように過ごすかは大きな命題だと思う。
 
   





第29回愛知県勤労者美術展へ

2012-01-19 22:39:17 | 日記

「あつたモーニングコンサート」の帰途、愛知県美術館ギャラリーへ立ち寄った。
県内在住、在勤の20代から90代の美術愛好家が応募した洋画、日本画、書、写真が
200点近く展示されているとのことだ。
部門ごとに愛知県知事賞・愛知県議会議長賞・中日賞・市長賞・全労済賞etc.と
作品横に審査結果が貼られており、どの作品も力作ぞろいだった。
今日は、一日、耳と目の保養ができた。

   


あつたモーニングコンサート Op.39

2012-01-19 21:58:38 | 日記

熱田文化小劇場・あつたモーニングコンサートへ出かけた。
今日はピアノ演奏で「朝井 大~ショパン名曲撰~」と題し、プログラムは
   変奏曲『パガニーニの想い出』
   ノクターン第 1番 変ロ短調 作品9-1
   ノクターン第13番 ハ短調 作品48-1
   幻想即興曲 嬰ハ短調 作品66
   ドイツ民謡『スイスの少年』による変奏曲
   ピアノソナタ第3番 ロ短調 作品58

クラシックに疎いのでアンコール曲の題名が分からなかったがどの曲も
美しいメロディで素晴らしい演奏だった。
ロビーでCD販売があり早速1枚買い求め、サインと握手をしてもらう。
朝から曇天であったが、帰りは小雨が降り出し肌寒い一日となった。
でも、チラシのキャッチコピーのとおりまさに“平日の朝に上質な音楽とトークを”気軽に
楽しむことが出来た。