市民意見広告運動事務局だより

9条の精神に立ちかえり、核のない社会を実現しよう!
5月3日の新聞に意見広告を載せよう! 

佐藤達夫氏のこと

2018年02月27日 07時52分54秒 | 非武装パンフ
家庭で作る保存食を紹介した素晴らしい本「私の保存食ノート」を書いた佐藤雅子さんは日本国憲法の草案を作った官僚佐藤達夫氏の妻です。

2014年に文庫化された雅子さんの著書「季節のうた」に妻から見た当時のことが書かれていますので抜粋してご紹介します。


以下  季節のうた より

 昭和21年の3月4日の晩、これまでだまって家をあけたことのない主人が、いつまで待っても帰ってまいりません。物騒な時代のことで、私と娘たちは一睡もせず朝を迎えたのでございました。
 (略)
その日の夕方、所在だけはわかって安心したのでございました。
6日の朝、主人の帰りを待ちながら外に立ちつくしておりますと、坂道をはうようにしてのぼってくる主人の姿が見えました。とても人間の顔ではありません。GHQで一晩、首相官邸で一晩、二日二晩ぶっつづけの徹夜作業だったとのことでございました。(略)ずっとあとになつて、それが憲法起草のはじまりだったことを知りました、(略)蔵のなかで焼け残ったこたつのやぐらを机がわりに、お役所のしごとのつづきでございます。
(略)深夜大きなふろしき包みをかかえて、焼け跡の道を家に急ぐ主人が不審尋問にあって包みの中身を聞かれ、極秘の憲法草案を見せるわけにはいかず、ただ役所の書類だといい張ってやっと通してもらったということもございました。


以下   私の保存食ノート  より

戦後しばらくは蔵ずまいをしておりました。主人が憲法の草案を、この蔵の中で書いたことも思い出のひとつになっております。


 

最新の画像もっと見る