市民意見広告運動事務局だより

9条の精神に立ちかえり、核のない社会を実現しよう!
5月3日の新聞に意見広告を載せよう! 

質問1 への答えとして 

2018年02月19日 13時36分08秒 | 非武装パンフ
質問1 太平洋への進出をねらう中国や核ミサイルを開発している北朝鮮への「抑止力」として軍事的備えは必要ではないか

に対し、神奈川県のKさんが学習会で使われたレジュメがこの40年くらいの北朝鮮の動きはがよくまとまっていてわかりやすいのでここにご紹介します。

北朝鮮と中国・・憲法9条でホントに大丈夫?
北朝鮮編

1.北朝鮮という国  
 (1)朝鮮民主主義人民共和国・・*約12万㎢(日本の1/3強)、人口2516万人(日本の約1/5)
※韓国は約10万㎢、人口約5050万人
(2)1910年~韓国併合で日本が支配。戦後南の大韓民国と分かれて北に建国(1948年)。
(3)キムイルソン金日成→キムジヨンイル金正日→キムジヨンウン金正恩による軍事独裁政治。反対者を収容所で虐待・奴隷労働・虐殺するなど。
 (4)一方で、国際連合に加盟し約160カ国と国交がある。未承認で国交なしは日本など約30カ国。
(5)GNI(国民総所得2014年、韓国銀行推定)は34.2兆ウォン(3.42兆円)・・日本は537兆円(神奈川県は30.2兆円)北朝鮮はその1/3程度を軍事費に注ぎ込んで核兵器やミサイル開発などにあてる。   ↑2013年

2.北朝鮮はなぜ核兵器やミサイルを開発するのか
 (1)朝鮮戦争('50~53年)・・武力統一をめざして北朝鮮が開始。韓国を助けアメリカ軍中心の国連軍が反撃し北朝鮮を追い詰める。中国人民志願軍が北朝鮮を助けて参戦。北緯38度あたりで休戦。
⇒その後軍事境界線(「北緯38度線」)を挟んで、北朝鮮軍と韓国軍が膨大な軍備を構えてにらみ合う。
※国連軍司令官マッカーサーによる核攻撃計画はトルーマン大統領が禁圧したが、北朝鮮はこの脅威を意識。
(2)緊張の緩和と激化・・*南北共同声明(1972年7/4)=対話と武力によらない自主的平和統一めざす
  *南北基本合意書(1991年12/13)=南北の和解・不可侵・交流・協力めざす
※このころ   *韓国、ソ連と国交樹立(1990年),中国と(1992年)⇒北朝鮮、自力防衛を決意
「冷戦終結」   ⇒NPT(核兵器拡散防止条約)から脱退声明(1993年3/12)。ノドン発射(5/29)。
*米クリントン政権は北朝鮮攻撃への協力体制を日本に要請(→日本準備なし)
  ※その後日本側で各種の有事法制準備が進められ1999年周辺事態法(現、重要               影響事態法),武力攻撃事態対処関連3法(2003年)、国民保護法(2004年)等制定
(3)1994年朝鮮半島核危機・・*6月北朝鮮、ヨンビヨン寧辺の原子炉から燃料棒取り出す(プルトニウム抽出へ)。
→米クリントン政権、寧辺核施設破壊の精密爆撃を計画。
  *6/17 キムヨンサム金泳三大統領が北朝鮮の大規模報復攻撃を理由に強烈に反対。
→カーター元大統領が平壌に行き金日成と会談。核開発凍結へ合意。
      ⇒10月エネルギー協定で見返りに米が軽水炉原発技術と重油を提供(米朝枠組み合意)。
 (4)米朝枠組み合意の決裂・・*軽水炉建設計画と米国の経済制裁解除の遅れ←米議会共和党、ブッシュ政権 →2002年10月北朝鮮は核開発の権利宣言。2003年1月NPT脱退宣言。
(5)6カ国協議(2003年8月~2008年12月)・・朝鮮半島の非核化と北東アジアの平和と安定をめざす          *アメリカ・中国・北朝鮮・日本・韓国・ロシアの外相などが北京で会合。
 *核放棄を迫る5カ国に北朝鮮が反発し、2006年から核実験、ミサイル発射を繰り返し中断。
(6)核実験とミサイル開発の今
*核実験・・2006年、2009年、2013年、2016年1月(水素爆弾?)、2016年9月、2017年9月(6回)
*長距離弾道ミサイル・・2006年7月、09年5月、12年12月、14年3月、16年2月、17年3,5,7,8,9,11月・・
  ※11/29ファソン火星15号=53分間、最高高度4475km、950km飛行→1万3千km飛行可能なICBM。
※移動式発射台の利用、複数同時発射、ロフテッド軌道、アメリカ全土に到達できる長距化。
 (7)北朝鮮のねらい・・「やられたらやり返す」力を示してアメリカが北朝鮮を攻撃しない保証を得る。   ※2001年、アルカイダをかくまったとしてアフガニスタンのタリバン政権を、2003年、大量破壊兵器を持っているとしてイラクのフセイン政権をアメリカ軍中心の多国籍軍が攻撃して滅ぼした=国際法上は明白な侵略行為。
・2002年アメリカのブッシュ大統領はイラン、イラク、北朝鮮を「悪の枢軸」と非難した。
※北朝鮮は一貫して、自国が攻撃されたら反撃すると主張。日本に対しては、北朝鮮を攻撃する在日米軍の基地に対しては反撃するとしている。(これは国際法上の個別的自衛権の行使)
(8)米韓合同軍事演習による圧迫 (今年は3月2日から)
*1976年に開始された米韓両国軍の合同演習。近年は実際の朝鮮有事を想定して20万人以上の兵力を動員した1ヶ月ほどの野外機動訓練となっている。北朝鮮首脳部を暗殺する韓国軍の「斬首作戦部隊」や、オサマビン・ラディンを暗殺した米海軍特殊部隊(SEALs)も参加している。→強烈な挑発

3.北朝鮮への先制攻撃はきわめて危険
 ※米軍の北朝鮮先制攻撃に賛成47%、反対46%。アメリカでは63%、32% (17年12月読売世論調査)。
 (1)北朝鮮の攻撃力を破壊するのは困難 ↓200~300?
 *中距離弾道ミサイル(日本は射程内)ノドンは数百発。山中のトンネルなどに移動発射台で配備。
   アメリカと日本の偵察衛星計15機はそれぞれ1分ほど北朝鮮上空を通過するが移動目標は監視不能。
(2)ミサイル防衛はほとんど無力      ※→Jアラート避難訓練などまったく有害無益。
*イージス艦4隻は各8発のSM3ミサイルを装備→全弾命中しても8×4=32発しか対処できず
※SM3の模擬実験の迎撃実績は400km上空までだけ。さらに高いロフテッド軌道には無効?
  *2023年に配備予定の新型SM3ブロックⅡA(到達高度1000km)のイージスアショア(1箇所1000億円×2)も、さらに高いロフテッド軌道で攻撃されたら簡単に破壊されるおそれ大。
*基地防衛のPac3ミサイルは2基ずつ16箇所で、神奈川県では武山駐屯地(横須賀市)。1基の自走発射機に4発ずつ装填し、1度に2発ずつ発射する。→1箇所で4目標に対処する。射程距離が20kmなので武山の守備範囲はほぼ三浦半島だけ。 1マッハ=秒速約340m
  ※ロフテッド軌道でのミサイル落下速度はマッハ10程度に対しPac3の速度がマッハ5。移動発射台から撃たれたら軌道計算も不可能。当たったら奇跡で、はずれたPac3の落下による被害がむしろ心配。
 (3)東京へ核攻撃の場合 ※アメリカの北朝鮮専門研究機関「38ノース」レポートによる。
 *250ktの核ミサイルが東京中心部に落ちた場合。死者約70万人、負傷者約247万人に達する。   複数のミサイルが着弾した場合は死者は180万人以上。放射線による被害がその後広がる。
  ※横須賀、横田、岩国、佐世保、嘉手納、三沢などの米軍出撃基地には核ミサイル攻撃もありうる。 

(4)韓国の被害
  *北朝鮮地上軍102万人の2/3は非武装地帯周辺に展開し、口径240ミリと300ミリの多連装ロケット砲や170ミリ自走砲など600門を越える長射程火砲を集中配備している。→韓国総人口の半数2500万人を占めるソウル首都圏に着弾できる(「ソウルを火の海に!」)。300ミリロケット砲は射程250kmで韓国陸海空三軍統合本部のあるケリヨンデ鶏竜台や、ビヨンテク平沢市にある米軍主要基地も攻撃できる。
*釜山市のコリ古里原発を攻撃された場合は、韓国国内より西日本に巨大な放射能被害が降りかかる。
  ⇒米韓合同軍事演習などで北朝鮮を追い詰め、「攻撃される!」「攻撃された!」と思わせるのが危険。   「圧力」は有害無益。対話と交流を広げて戦争の芽をいち早く取り去ろう!
  ※「核兵器を有する国は、それを用いずして無条件降伏を受け入れることはないであろう。一方で、 その生存が直接脅かされていると信ずる時以外は、核戦争の危険を冒す国もないと見られる」 ヘンリー・キッシンジャー 『核兵器と外交政策』
※独裁政権への「制裁」や「圧力」は人民を苦しめ、生活のため独裁者への従属を強める面がある。


最新の画像もっと見る