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2008年・春「おたまじゃくし講座」(いけふくろう通信第493号)

2008-02-15 00:24:36 | イベント・お祭
ということで、やってきました毎年恒例のおたまじゃくし講座!
今回のテーマは、「聞こえない人の手話から学ぼう」

講師は、市川恵美子さん!

では、講座の内容をちょっぴりだけ紹介!

ちなみに、マイミクNさんのようにわかりやすい説明にはなりませんので、
あしからずご了承くださいませ。

<導 入>
今日は、「聞こえない人の手話から学ぼう」ということ。
では、聞こえない人の「いい手話」を真似てみましょう。
そのためには?
 →自然な手話を学ぼう
  →素材としては、読み取りビデオがgood
   →それを「真似る」ことで自然な手話を学ぶことができる!

<1>
「自然な手話を学ぶ」うえでの3つの大切なこと
1)厚かましさ
  →言葉通りの「厚かましさ」は当然だが、
   聞こえない人に積極的に声をかけること、
   聞こえない人がいる場所に積極的に顔を出すことも、
   「厚かましさ」の一つである

2)「気にしない感覚・こだわらない力」
  →細かな手話にひっかからない。
   (聞こえない人の)手話が必ずしも定位置で
   表現されるとは限らない。
   *ただし、手話学習者は意味なく変わった位置で
    表現をしないこと!
    例.手話が出来る人のように見せるために体から離れた手話

3)「自  信」
  →自分の中に密かにある自信が大切!
   決して人と比べてはいけません!


<2>
では、なぜ、「聞こえない人の手話」から学ぶことが重要なのか?
 →それは、聞こえない人は「見ている情報量が多い」から。
   →映像に残す力がある。
    日本語には訳しづらいが見ればわかる。
     →以上、2つが手話の同時性。
       例.先日(1/20)の「たくさん釣れた」のような表現
    *ただし、日本語に訳してしまうと表現できなくなるので、
     見てわかるだけでよい。

<3>
そこで、話は聞こえない人とのつきあい方が話題に!

聞こえない人と手話でお話をする際、私たち手話学習者はどうすればいいの?
→わかる手話だけ理解すればOK!
 →それはどういうこと?
  →小学校時代のテストであったような
   「(   )内に適切な言葉を埋めよ」のような感覚でいい。
   →そして、(   )内を推測し、徐々にその(   )を
    少なくしていけばよい。
    *細かいところにこだわらない!!その意味するところは?
     →わかる手話までもがわからなくなってしまうから。
    
   それから、けっして「早い、早いもう一回」と表現しないこと!
    →わかったところだけで会話すること。
   会話とは、会話をして、気持ちよく別れられればよいのであって、
   一言一句ていねいに言葉を理解する必要はない!
    *会話につまらないようにするには?
     →わかった手話から質問材料をたくさんつくっておくと良い!


<4>
ということで、いよいよ実際に聞こえない人の「いい手話」を真似ることに。
素材は、某センターの読み取りDVD第15巻の「生活の知恵」。

確か私は一度見たことがある、とはおもったものの、
まずは、ビデオ(51秒)を一度見ることに!

ほぉ~、こんな話だったか。ん?でも、わからないところがある……。
実際にシャドーイングをやってみるとなかなかできません。
それはなぜでしょうか? 解説は<5>で。

  ちなみに、手話を読み取るためにはどうすればいいのか?
・手話を日本語で理解しようとするスイッチを止める。
・何を話しているか(テーマ)を理解する。
・手話の技術を勉強するだけでは読み取れない。
  →しっかり読み取るためには、聞こえない人の理解、
   聞こえない人の生活状況、教育環境、労働環境を学び、
   知識として、頭に入れておくことが大切であり、必要。


というところで、休憩!

休憩時には、地元講習会の応用コースの方やサークルの方を発見。
あいさつ挨拶でした!

そして、さっき書き忘れましたが、市川さんの新刊書『手話通訳なるほど講座』も
販売されており、今日購入した方にはサインをしますとのこと。

すでに、一冊購入していたけど、迷わず購入。
そして、名前を書いてもらい、サインをいただくことに。
そこには、
「手話を学び 人と出会う 共に生きる」
というなんとも深みのあるお言葉をいただきました。
意味はとっても深そうだけど、なんとなくわかる気というのか、
なるほどと感じました。とってもありがたいお言葉。ありがとうございます!


<5>
休憩後、再開前に全通研・東通研の活動内容の紹介と東通研の会員募集案内があり、
再開することに。

そこで、市川さんが会員になることの大切さをおっしゃっていました。
確かに、手話を学び、技術を身につけ、通訳になることも良いけれど、
その他に大切なことは何?聞こえない人が置かれている状況を知ること。

たとえば、VIV(ヴィブ)問題や山梨県の老人ホーム問題は知ってますか?
という話題になり、手話通訳を目指すには、正しい情報と幅広い知識が必要です。
決して、手話だけを勉強すればいいものではない、ということを力説されていました。


さて、本題のシャドーイングに話を戻すと、なぜ、初見後にシャドーイングが
できなかったのでしょうか?
 →原因はいくつかあるようです。
  1)シャドーイングをしようとするあまり、手ばかりを見てしまい、
    表情や口形を見ないから。
    対処法:口を中心にみるようにして、シャドーイングをする。
  2)「タメ」や「ムダ」が多い、焦りがあるため、
    手話が早いと感じてしまう。
    対処法:意識をして、ムダな動きをなくす努力をする。
        例 文:あると思います。けれども
            「ある」→「思う」→「けれども」ではなく、
            「ある」(「思う」は表情)→「けれども」としてみる。
    *ムダな動きの例として、市川さんが以前、やっていたことを例示していただきました。
     「髪をかき上げる」、「めがねを上げる」、「そでをめくる」
     対処法:髪は「スプレーでかためる」、めがねは「思う」「考える」などの表現時に直す、
         そでは「バンド」で固定したそうです。(めがねの対処法には、みな爆笑!)
     というように、みんなから自分のクセを見つけてもらい、なくす努力が必要!


<6>
では、シャドーイングはどうすれば、良くなるのか?
 →基本的事項として、
  1)「テンポを合わせる」
  2)「落ち着く」
    ということをしっかりと自覚することでゆっくりとできるようになる。
    *シャドーイングの注意点→何度も見ていくうちに内容がわかってくると、
     日本語に置き換え、自分の手話が出てきてしまうので、それは気をつけること。
  3)補足として、指文字の表現→口形を見ながら、その近くで表現する。
  さらに、
  4)「その気になること」=芝居っぽくなれるか?ということ。
  5)「単語」を考えながらではダメ。
  6)「ジェスチャー」でやればOK!
  7)「手話」でやろうとしない。
  8)短い場合は、「ロールシフト」をしない。
  9)挫折感をもたないこと


それにしても、このビデオの方の手話はさすがといった感じです。
レンジフードと指文字で表現した後、料理をしてから、レンジフードを表現し、フードの枠も表現。
私たち手話学習者は、指文字の後は、いきなりレンジフードを表現しちゃいますよね。


といったところで、再び話は、聞こえない人との交流について。
ポイント→「楽しかった」
      次に会ってするときの手話がたのしくなるような気持ちで終わること。
 *手話が読み取れず、みんなが笑っていても自分が笑えないときはどう対処すればいい?
  →こんな時は、聞こえない人が苦労している気持ちがわかったと考える。

う~ん、思考が積極的、前向きですね!

<7>
つづいて、二つ目のビデオ(2分30秒強)でシャドーイングをすることになりました。
テーマは「田舎の思い出」。

じゃあ、見るのねと思いきゃ、いきなりシャドーイングをしましょうということに。(汗)
いざ、やっていみると、こっ、これは長い……。(^^ゞ

じゃあ、どうすればいいのか?
 →1)見る方に意識を向ける。自分の手に意識を向けないこと。
  2)わからなくてもわからないという表情をしないこと。

では、やってみましょう。
うん、確かに2回目の方が、緊張もせずに不完全ながらもできた。

そして、お隣さん同士で何を話していたのかをおおまかに手話で話してみましょうということに。
ゲゲッ、手話だけという顔をみんながすると、市川さん「声をつけても良いですよ」と。

酒話仲間で知り合った某マイミクさんとそのご友人2人、さらに自分も合わせて4人で、
どんな会話だったかを話し合うことに。

う~ん。ある手話を(1.川→成長する→亡くなる、2.川→おぼれる→亡くなる)と
読んでしまい、意見がまちまちに。でも、1の方が合ってる気がしました。

そして、最後に見ることに。
なるほど、1ですねぇ。おおまかにはわかっていたけど、こんな話だったんだと納得!


<8>
そして、シャドーイングの意味・価値を教えていただきました。
 →それは、集中力が鍛えられること。
  集中力を鍛えることで、シャドーイングや読み取りの際に
  「フッ」として、頭が真っ白になることがなくなる!

  ちなみに、通訳者になると聞き取り通訳が20分、
  読み取り通訳が15分の集中力が必要だそうな。←すごいなぁ~!


最後に、「読み取り」と「表現」は表裏一体だから、
単語を覚えるだけとか、読み取りだけをするというのはよろしくない、
ぜひ、感性も磨いてくださいねでした。

それから、最後の最後に、聞こえない人と会って話す際に、困らない手話を三つ伝授していただきました。

1.なるほど   2.へぇ~   3.わかった
 →これを組み合わせることで会話が弾み、質問もしやすくなり、
  双方向のコミュニケーションがとれるということです。

逆に、(なるべく)使ってはいけない手話。
1.わかったか?   2.ゆっくり   3.何?
 →う~ん、私、2と3をよくつかっています。
  これからは気をつけたいと思います。

ということで、たっぷりと市川さんの講座を聞き終えて、良い意味で疲れた後は、
吉祥寺の中華料理店でランチをしました!


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~ムッシュ・いけふくろう~


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