皆様こんばんは。
まずはお知らせです。
この3か月間ブログ、Facebook、ホームページで情報発信を行ってきましたが、新たにTwitterを始めました。
主に幽玄の間で中継される対局について短文を投稿して行く予定です。
ブログと合わせて、ぜひご覧ください。
プロの対局を楽しむための一助になれば幸いです。
さて本日は木曜日、棋士の手合日です。
幽玄の間でも多数の対局が中継されました。
Twitterでもコメントを投稿しましたが、ブログでは具体的な図をご覧頂きましょう。
趙治勲名誉名人(黒)対伊田篤史八段戦です。
黒1はサバキのツケです。
白Aなどと受けて貰えれば中央に進出しやすくなります。
しかし、伊田八段白1とハザマを衝いて反撃しました!
私はアマの皆さんにはハザマを空けた形を作らないように指導しています。
プロがハザマを空ける時もありますが、その際は必ず用意があります。
両断された黒、どう凌ぐのでしょうか?
一方的に切られてはいけません。
まずは黒3、5と白を切断しました。
シノギの基本は相手の弱みを衝く事です。
白も最強手で応戦しました。
白1の一本で種石を助けてから白3、5!
黒の眼を奪って行きました。
黒大ピンチ!?
黒1、3と一杯に懐を広げても、スペースが足りません。
黒死んでしまいます。
黒3、5は常用の手筋で、コウに持ち込む事が出来ます。
しかしコウに負けると全部死ぬ事は変わらず、苦しい粘りです。
実戦、やはり白の弱みを衝いて行きます。
黒1が形の急所で、次にAと打たれると打って返しの筋があって白困ります。
そこで白1と打つ一手です。
黒2を利かされて団子になってしまいますが、ともかく黒の中央脱出を防ぎました。
黒はAもBもうまく行きません。
しかし、ここで黒は鮮やかな手筋を放ちます!
黒1、3のハネ切り!
これが白の弱みを的確に衝いています。
一見白Aと切られて取られそうですが・・・
白1と切ればそこで黒2を決行します。
黒8までAのシチョウとBが見合いで白潰れてしまいます。
よって白1と受けるのは仕方ありませんが、黒2が利くのがポイントです。
黒6まで無条件で生きる事ができました。
一方右側の4子も黒Aなど、白に弱点があるので攻められる石ではありません。
趙名誉名人の鮮やかなシノギでした。
もう1局、風間隼二段(黒)対武宮正樹九段戦をご紹介しましょう。
武宮九段が豪快な宇宙流で一世を風靡したのはご存知の通りです。
しかし、「武宮の白番」も派手さはありませんが非常に評価が高いのです。
黒△と打った場面です。
白は左上と右辺に強力な厚みを有しています。
しかし地は黒が多く、黒Aと打って白の眼を取って行く狙いもあります。
新鋭の風間二段、頑張っているように思われました。
白1は一本利かしとして、ここで白は3、5と唯一の弱石を補強しました。
地が足りない状況でさらに地のない手を打つとは
しかし、これで下辺の黒大石を大きく狙っているのです。
黒3と守りましたが、白4と急所に迫って追求します。
といっても、生きに苦労する石ではありません。
その後下辺を無事に生き、ヨセに入りました。
黒△の大きい所にも回って、やっぱり黒地が多いのでは?
しかし白3に回られて、白11まで進行すると・・・あれ?
中央に15目以上の白地が突如出現!
左辺を押した手、中央を攻めた石は一見ダメのような手でしたが、こうなってみると見事に働いています。
盤面勝負の形勢となりました。
武宮九段の白番にはこういう勝ち方が非常に多いのです。
手厚い打ち方を学びたい方には、武宮九段の白番がおすすめです。
まずはお知らせです。
この3か月間ブログ、Facebook、ホームページで情報発信を行ってきましたが、新たにTwitterを始めました。
主に幽玄の間で中継される対局について短文を投稿して行く予定です。
ブログと合わせて、ぜひご覧ください。
プロの対局を楽しむための一助になれば幸いです。
さて本日は木曜日、棋士の手合日です。
幽玄の間でも多数の対局が中継されました。
Twitterでもコメントを投稿しましたが、ブログでは具体的な図をご覧頂きましょう。
趙治勲名誉名人(黒)対伊田篤史八段戦です。
黒1はサバキのツケです。
白Aなどと受けて貰えれば中央に進出しやすくなります。
しかし、伊田八段白1とハザマを衝いて反撃しました!
私はアマの皆さんにはハザマを空けた形を作らないように指導しています。
プロがハザマを空ける時もありますが、その際は必ず用意があります。
両断された黒、どう凌ぐのでしょうか?
一方的に切られてはいけません。
まずは黒3、5と白を切断しました。
シノギの基本は相手の弱みを衝く事です。
白も最強手で応戦しました。
白1の一本で種石を助けてから白3、5!
黒の眼を奪って行きました。
黒大ピンチ!?
黒1、3と一杯に懐を広げても、スペースが足りません。
黒死んでしまいます。
黒3、5は常用の手筋で、コウに持ち込む事が出来ます。
しかしコウに負けると全部死ぬ事は変わらず、苦しい粘りです。
実戦、やはり白の弱みを衝いて行きます。
黒1が形の急所で、次にAと打たれると打って返しの筋があって白困ります。
そこで白1と打つ一手です。
黒2を利かされて団子になってしまいますが、ともかく黒の中央脱出を防ぎました。
黒はAもBもうまく行きません。
しかし、ここで黒は鮮やかな手筋を放ちます!
黒1、3のハネ切り!
これが白の弱みを的確に衝いています。
一見白Aと切られて取られそうですが・・・
白1と切ればそこで黒2を決行します。
黒8までAのシチョウとBが見合いで白潰れてしまいます。
よって白1と受けるのは仕方ありませんが、黒2が利くのがポイントです。
黒6まで無条件で生きる事ができました。
一方右側の4子も黒Aなど、白に弱点があるので攻められる石ではありません。
趙名誉名人の鮮やかなシノギでした。
もう1局、風間隼二段(黒)対武宮正樹九段戦をご紹介しましょう。
武宮九段が豪快な宇宙流で一世を風靡したのはご存知の通りです。
しかし、「武宮の白番」も派手さはありませんが非常に評価が高いのです。
黒△と打った場面です。
白は左上と右辺に強力な厚みを有しています。
しかし地は黒が多く、黒Aと打って白の眼を取って行く狙いもあります。
新鋭の風間二段、頑張っているように思われました。
白1は一本利かしとして、ここで白は3、5と唯一の弱石を補強しました。
地が足りない状況でさらに地のない手を打つとは
しかし、これで下辺の黒大石を大きく狙っているのです。
黒3と守りましたが、白4と急所に迫って追求します。
といっても、生きに苦労する石ではありません。
その後下辺を無事に生き、ヨセに入りました。
黒△の大きい所にも回って、やっぱり黒地が多いのでは?
しかし白3に回られて、白11まで進行すると・・・あれ?
中央に15目以上の白地が突如出現!
左辺を押した手、中央を攻めた石は一見ダメのような手でしたが、こうなってみると見事に働いています。
盤面勝負の形勢となりました。
武宮九段の白番にはこういう勝ち方が非常に多いのです。
手厚い打ち方を学びたい方には、武宮九段の白番がおすすめです。