皆様こんにちは。
本日は昨日行われた対局から名場面をご紹介します。
なお対局の模様は幽玄の間でご覧頂けます。
彦坂直人九段対(黒)佐々木毅六段戦です。
黒1の打ち込みに対し、白2と根拠を奪って攻めて来ました。
黒はどういう方針で行きますか?
殆どの方は黒1と逃げてしまうでしょう。
しかし白6までと白は広い方に向かい、黒はダメ場を走っています。
しかも黒が安全を確保するまではあと何手か必要になるでしょう。
実戦、黒1は軽いおまじない、そして黒3が手筋です!
「サバキはツケから」の格言通りですね。
左下は白が圧倒的に強い場所なので、正面から戦ってはいけません。
白1と伸びてくれば黒2から捨てます。
増えた白地以上に黒地が盛り上がっています。
実戦は白1のハネでしたが、黒2の切り違いがこれまたサバキの手筋です。
やはり打ち込んだ石は捨て、外に勢力を築きました。
白の多い場所で五分の分かれを得ては黒満足です。
鮮やかなサバキでした。
もう1局は依田紀基九段(黒)対マイケルレドモンド九段戦です。
ここまで良い勝負に見えました。
しかし、白1と利かしに行った事から局面は激変しました。
黒1と受ければ右辺白がいくらか強化されるので、安心して白2の攻めに向かおうという事でしょう。
しかし黒は反発しました。
黒1!
通常ではあり得ないほどの踏み込みです。
しかし上辺の黒はガチガチに堅く、この堅さを最大限に利用する手でした。
実戦、白1から3と出られて取られそうですが、黒4とさらに踏み込みました。
白1と受ければ黒2、4でAとBが見合いとなり、白潰れです。
実戦は白1と戻りましたが、黒8までと渡りに成功しました。
白も1から隅を取り、黒8までの分かれとなりました。
後に黒Aの封鎖が先手です。
隅の黒地が白地に変わりましたが、上辺の黒は堅いので地だけの問題です。
一方黒は右辺に地と厚みを得ました。
元々右辺は黒の弱い石があった所だけに、大きな成果です。
この厚みが睨みを利かせており、白は下辺にも深く踏み込みづらくなっています。
本来白Bで黒を攻めたい所でしたが、Cと遠慮する事になりました。
手堅く打つのは立派な打ち方ですが、ただ堅いだけでは遅れてしまいます。
どこかで仕掛けてこそ堅さが生きて来ます。
依田九段の仕掛けのタイミングは皆様の参考になるでしょう。
明日7/23(土)は第1回13路盤プロアマトーナメントの準決勝と決勝が幽玄の間で行われます。
午後1時~準決勝
午後3時~決勝
となっております。
解説は私が担当します。
今回はシステム上解説が残らないため、ぜひリアルタイムでご覧ください。
お楽しみに!
本日は昨日行われた対局から名場面をご紹介します。
なお対局の模様は幽玄の間でご覧頂けます。
彦坂直人九段対(黒)佐々木毅六段戦です。
黒1の打ち込みに対し、白2と根拠を奪って攻めて来ました。
黒はどういう方針で行きますか?
殆どの方は黒1と逃げてしまうでしょう。
しかし白6までと白は広い方に向かい、黒はダメ場を走っています。
しかも黒が安全を確保するまではあと何手か必要になるでしょう。
実戦、黒1は軽いおまじない、そして黒3が手筋です!
「サバキはツケから」の格言通りですね。
左下は白が圧倒的に強い場所なので、正面から戦ってはいけません。
白1と伸びてくれば黒2から捨てます。
増えた白地以上に黒地が盛り上がっています。
実戦は白1のハネでしたが、黒2の切り違いがこれまたサバキの手筋です。
やはり打ち込んだ石は捨て、外に勢力を築きました。
白の多い場所で五分の分かれを得ては黒満足です。
鮮やかなサバキでした。
もう1局は依田紀基九段(黒)対マイケルレドモンド九段戦です。
ここまで良い勝負に見えました。
しかし、白1と利かしに行った事から局面は激変しました。
黒1と受ければ右辺白がいくらか強化されるので、安心して白2の攻めに向かおうという事でしょう。
しかし黒は反発しました。
黒1!
通常ではあり得ないほどの踏み込みです。
しかし上辺の黒はガチガチに堅く、この堅さを最大限に利用する手でした。
実戦、白1から3と出られて取られそうですが、黒4とさらに踏み込みました。
白1と受ければ黒2、4でAとBが見合いとなり、白潰れです。
実戦は白1と戻りましたが、黒8までと渡りに成功しました。
白も1から隅を取り、黒8までの分かれとなりました。
後に黒Aの封鎖が先手です。
隅の黒地が白地に変わりましたが、上辺の黒は堅いので地だけの問題です。
一方黒は右辺に地と厚みを得ました。
元々右辺は黒の弱い石があった所だけに、大きな成果です。
この厚みが睨みを利かせており、白は下辺にも深く踏み込みづらくなっています。
本来白Bで黒を攻めたい所でしたが、Cと遠慮する事になりました。
手堅く打つのは立派な打ち方ですが、ただ堅いだけでは遅れてしまいます。
どこかで仕掛けてこそ堅さが生きて来ます。
依田九段の仕掛けのタイミングは皆様の参考になるでしょう。
明日7/23(土)は第1回13路盤プロアマトーナメントの準決勝と決勝が幽玄の間で行われます。
午後1時~準決勝
午後3時~決勝
となっております。
解説は私が担当します。
今回はシステム上解説が残らないため、ぜひリアルタイムでご覧ください。
お楽しみに!