皆様こんばんは。
本日は市ヶ谷で指導碁を行いました。
お越し頂いた方々、ありがとうございました。
さて、本日は第1回扇興杯女流囲碁最強戦の決勝が行われ、謝依旻女流本因坊が向井千瑛五段を白番2目半勝ちで破り優勝しました。
これで何と女流5タイトルを独占!
女流囲碁界始まって以来の快挙を成し遂げました。
アルファ碁、井山七冠、そして謝女流5冠・・・今年は驚かされる事が多いですね。
囲碁普及の観点からしても、今年はヒカルの碁以来の大チャンスと言えるでしょう。
この機会を逃してはいけませんね。
さて、それでは決勝戦を振り返って行きましょう。
向井五段、黒△と見慣れない手を打って行きました。
普通の感覚ですと2路左にツケますが、右下黒との間合いを意識したものでしょう。
しかし、上辺の挟みに先行されては成功したとは言えません、
黒△のカカリも方向が逆になっている感じで、左下の勢力を活用し難い状況です。
また、黒1から堂々と戦いを挑んだのも向井五段独特の打ち方です。
白の石数が多い所なので、まずサバキを考える棋士が多いでしょう。
黒5と利かしに行きましたが・・・
白1と単刀直入にハザマを衝いて入ったのが好手でした。
白7と押して左右の黒が息苦しく、白ますます好調になりました。
黒△と守った場面、ここで殆どのプロが真っ先に考える手は・・・
白1の切りです。
黒2、4と大石を逃げるしかなく、白5と先に伸びられて気分が良い進行です。
しかし実戦はこの図を選びませんでした。
黒△を動き出される心配をしたのでしょうか。
実戦は白1の曲げから3、5と一気の押し!
相手を先に伸びさせてしまうのは「車の後押し」と言って、良くないとされています。
しかし白7の大場に回れば分かりやすいという判断でしょう。
この白7の位置にも注目で、一路先のAまで行っても怖いことはありません。
このあたり、謝女流本因坊の優勢意識が感じられました。
ここで向井五段の黒1、3も独特の打ち方です。
見た感じは一貫性の無い打ち方で、謝女流本因坊もこれは行けると思ったのではないでしょうか。
しかし右辺を黒1と利かし、上辺白に黒3、5とプレッシャーをかけて行きました。
このあたりが向井五段の強い所です。
これを思えば・・・
早い段階で白1を利かしておくべきだったかもしれません。
後に3、5の先手も保障されて△に1眼確保、ほぼ生き形になります。
白1、3の対応も堅すぎる印象で、黒4となって黒石の連携が良くなって来ました。
結果、右下隅を利かして黒△に回っては形勢急接近しました。
ここからは息詰まるヨセ合いです。
双方にミスが出る中、黒が勝つチャンスもあったかもしれません。
しかし最後は謝女流本因坊が抜け出し、栄冠を手にしました。
強い謝女流五冠ですが、いつも良い碁が打てるわけではありません。
女流タイトル制覇が懸かった本局も堅さが見られ、向井五段の猛追を許しました。
しかし、苦労しても最後には勝ってしまうのが謝女流五冠です。
全冠制覇するような棋士には、単純な実力だけでない何かがあるのでしょうね。
本日は市ヶ谷で指導碁を行いました。
お越し頂いた方々、ありがとうございました。
さて、本日は第1回扇興杯女流囲碁最強戦の決勝が行われ、謝依旻女流本因坊が向井千瑛五段を白番2目半勝ちで破り優勝しました。
これで何と女流5タイトルを独占!
女流囲碁界始まって以来の快挙を成し遂げました。
アルファ碁、井山七冠、そして謝女流5冠・・・今年は驚かされる事が多いですね。
囲碁普及の観点からしても、今年はヒカルの碁以来の大チャンスと言えるでしょう。
この機会を逃してはいけませんね。
さて、それでは決勝戦を振り返って行きましょう。
向井五段、黒△と見慣れない手を打って行きました。
普通の感覚ですと2路左にツケますが、右下黒との間合いを意識したものでしょう。
しかし、上辺の挟みに先行されては成功したとは言えません、
黒△のカカリも方向が逆になっている感じで、左下の勢力を活用し難い状況です。
また、黒1から堂々と戦いを挑んだのも向井五段独特の打ち方です。
白の石数が多い所なので、まずサバキを考える棋士が多いでしょう。
黒5と利かしに行きましたが・・・
白1と単刀直入にハザマを衝いて入ったのが好手でした。
白7と押して左右の黒が息苦しく、白ますます好調になりました。
黒△と守った場面、ここで殆どのプロが真っ先に考える手は・・・
白1の切りです。
黒2、4と大石を逃げるしかなく、白5と先に伸びられて気分が良い進行です。
しかし実戦はこの図を選びませんでした。
黒△を動き出される心配をしたのでしょうか。
実戦は白1の曲げから3、5と一気の押し!
相手を先に伸びさせてしまうのは「車の後押し」と言って、良くないとされています。
しかし白7の大場に回れば分かりやすいという判断でしょう。
この白7の位置にも注目で、一路先のAまで行っても怖いことはありません。
このあたり、謝女流本因坊の優勢意識が感じられました。
ここで向井五段の黒1、3も独特の打ち方です。
見た感じは一貫性の無い打ち方で、謝女流本因坊もこれは行けると思ったのではないでしょうか。
しかし右辺を黒1と利かし、上辺白に黒3、5とプレッシャーをかけて行きました。
このあたりが向井五段の強い所です。
これを思えば・・・
早い段階で白1を利かしておくべきだったかもしれません。
後に3、5の先手も保障されて△に1眼確保、ほぼ生き形になります。
白1、3の対応も堅すぎる印象で、黒4となって黒石の連携が良くなって来ました。
結果、右下隅を利かして黒△に回っては形勢急接近しました。
ここからは息詰まるヨセ合いです。
双方にミスが出る中、黒が勝つチャンスもあったかもしれません。
しかし最後は謝女流本因坊が抜け出し、栄冠を手にしました。
強い謝女流五冠ですが、いつも良い碁が打てるわけではありません。
女流タイトル制覇が懸かった本局も堅さが見られ、向井五段の猛追を許しました。
しかし、苦労しても最後には勝ってしまうのが謝女流五冠です。
全冠制覇するような棋士には、単純な実力だけでない何かがあるのでしょうね。