遺伝屋ブログ

酒とカメラとアウトドアの好きな大学研究者です。遺伝学で飯食ってます(最近ちょっと生化学教えてます)。

遠回りの方が近道

2014-11-28 23:03:35 | BIONEWS
東の横綱は「青色LED」=西は羽生、錦織両選手―ヒット番付(時事通信) - goo ニュース
羽生SP5位、無良は1位 女子SPで村上3位、宮原4位 NHK杯(産経新聞) - goo ニュース
まだ2015年が終わるまで1ヶ月あるんですが・・・そろそろまとめにかかるニュースが出てきてます。まあ、なんといっても羽生君と錦織君やな。明るい話題としては・・・。どちらも故障が心配なので、無理しないでがんばって欲しい。特に、羽生君は五輪の裏シーズンなんやから、丸ごと休んじまってもええと思うよ。今回のNHK杯でも、彼がこけても他の日本選手がちゃんと1位になってしまう。フィギュアスケートに関しては、人材が超豊富な国になんだよなぁ。そう言う意味では、若いうちに国際的な規模で人材育成を行うことの重要性がよくわかると思います。

センター試験の上位成績者には、奨学金を支給する代わりに日本国内の大学受験を禁じてはどうだろうか? あかんか。

小保方氏の検証実験、30日に終了へ 結果を近く公表(朝日新聞) - goo ニュース
人材育成を語る上では、対極の例でありますが・・・やっとやめるんかい・・・この『検証実験』とやらで、本来検証すべきなのは「彼女がいったい何をやったのか」であります。論文を出した理研自体が、あの論文に記述した方法では多機能性幹細胞ができなかったことで、STAPそのものに関しては詰んでます。

iPS細胞で遺伝子変異を修復 筋ジス患者の細胞で成功(朝日新聞) - goo ニュース
こちらは順調。遺伝病は薬や手術でどうにかなるというものではないですが、筋ジストロフィーの患者からiPS細胞を作り、原因遺伝子の変異を修復して正常な筋肉細胞に変えることに、京都大などのグループが成功しました。この手法が全ての遺伝病に有効だとは思いませんが、特定細胞の変異遺伝子を修復することが有効なら治療の可能性があるように思えます。期待です。

「ウェルナー症候群」のiPS細胞…早老症の一種、広島大が成功(読売新聞)
こっちは、基礎研究的に面白い。iPS技術は細胞齢まで初期化しているのか、どうなんか興味あったんですが、細胞老化を引き起こす遺伝子変異を持った細胞をiPS化できたって・・・RecQ型へリカーゼをコードしているウェルナー遺伝子の細胞寿命に対する関与ってどこでなんだろ? このiPS細胞から体の元になる若い細胞を作製したところ、通常より早く分裂が終わるなど、早老症の特徴がみられたといいます。ゲノム安定性は低いんだろうなぁ。
酵母にはSGS1っていうウェルナーに対応する遺伝子がありましてな・・・自分でこの遺伝子つぶして実験に使ってたりしたんだが、この変異細胞はなかなか使い勝手が悪くて苦労した経験があります。なんかね、組み換えたDNAの導入がうまくいかんつーか、古典的な方法使っても胞子の生存率やらでちくとうまくいかん。
iPS技術は基礎研究でこそ有効に利用して欲しいと思ってます。薬を作るとか、治療に使うとかは余技でいいと思う。長い目で見ると、その方が逆に医療応用への近道な気がします。

本日のお酒:YEBISU PREMIUM BLACK + 立山 特別本醸造 + NOTO WINE NOUVEAU
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ここらでどか~んと | トップ | 時間は前に進むだけ。戻るこ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

BIONEWS」カテゴリの最新記事