遺伝屋ブログ

酒とカメラとアウトドアの好きな大学研究者です。遺伝学で飯食ってます(最近ちょっと生化学教えてます)。

こうなるとDもLもないんだけど

2022-08-28 23:21:33 | BIONEWS

今日は晴れ。北風がビュービュー入ってきてます。
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28日東海や関東は昼頃まで雨激しく降る所も西日本はカラッとした暑さ

明日8月29日(月)の天気
週明けは貴重な晴天、小笠原諸島は台風11号による雨風に注意(ウェザーニュース)

高気圧の位置が悪いっすねー。

地球上のアミノ酸が全部L型かというとそんなことないっす。
D型アミノ酸が腸内の病原菌や炎症を抑えることを発見 慶大ら(財経新聞)

〈以下引用〉
研究グループは、腸内細菌によって作られたD型アミノ酸が、強い殺菌作用を持つことに注目。D型アミノ酸が腸内環境を保つために役立っているのではないかと考え、腸内病原細菌の増殖にD型アミノ酸各種がどのような影響を与えるのかを調べた。
その結果、ほとんどのD型アミノ酸の添加で、マウスの腸内病原体の増殖が抑えられることが、試験館内の実験で明らかになった。
その中でも特に、病原細菌の増殖を抑えた2種類のアミノ酸、DメチオニンとDトリプトファンについて、病原菌に感染したマウスの生存率に影響を与えるかどうかを調査。するとDトリプトファンは、マウスの体内で細菌の増殖を抑えて生存率を上げることがわかった。さらにDトリプトファンが、細菌感染で生じる腸炎を抑えることも判明したという。
そこで、D型トリプトファンがマウスの腸内細菌にどのような影響を与えているのかを調べた。すると、増加する細菌と減少する細菌が存在することが判明。つまりDトリプトファンは腸内細菌の組成を変化させることで腸炎を抑えていると考えられた。

細菌類がその細胞の外側に分泌するネバネバの物質を構成するアミノ酸にはD型がけっこう見つかっています。納豆の「糸」の成分ポリグルタミン酸を作る分子グルタミン酸にはL型もあればD型も混ざってます。D型アミノ酸は使い道がないので排泄ということで細胞外にまとわりつかせているとか、D型に対しては分解できる酵素がないので、細胞を防御させるために細胞外にまとわりつかせているとか諸説あるんだけど・・・少なくとも納豆を美味しくするためではない。
分子式が同じといっても、光学異性体である以上立体構造では別モンです。ただ、側鎖の特徴的構造は同じなので、全体の立体構造の違いによって毒にでも薬にでも使えるってことなんでしょうか。記事に出てくるメチオニンとトリプトファンは側鎖構造がすごくユニークな存在です。D型のトリプトファンからは、インドールアクリル酸が生成されるそうです。アミンが外されて不飽和結合が生じる・・・こうなるとDもLもないんだけど・・・不飽和部分がシスなのかかトランスなのかは問題にならんのか? まあ、これが毒になる細菌もあれば、菌量が増える細菌もあるそうです。さらにアミンが外されたら、それがアンモニアになるじゃないかと思ったんだが、インドールアクリル酸の方を与えたマウスの実験で病原菌が減少して生存率が上がったとのこと。それじゃ、どういう病原菌を使ったんだろう? 原著論文を探して読めばいいんだけど、日曜の夜に酒飲みながらだから許して♪

本日のお酒:LUCKY DOG 旨味セッションIPA + 大慶 純米大吟醸 無濾過


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