アイデアリズム idealism daydream

嘘や夢であって欲しかった その12 裁判 (第一回口頭弁論) その2

前回から

2005/03/13

2005年3月8日のつづき

いやぁ、こんなに仰々しいと緊張するなぁ・・・

 書記官さんも裁判官さんも揃いました(ご多分に埋もれず裁判官さんは結局5分くらい遅刻したのだけれど)。もちろん傍聴人達も席に着きました。後は被告(相手)を待つだけです。

うーぬ・・・被告は来るンだろうか・・・

 前々からチラチラ思っていましたが、被告が出頭するのかどうなのか少し微妙な感じがしてました。
 もちろんこれは裁判所からの出頭命令なので"来るのは当たり前"なのですが、被告の日々の行動をつぶさに見ていた私は「もしかしたら、こういう大事な事でも自分のやりたいように平気ですっぽかす人なのでは?」と少し疑問があったのです。

 以前、私は内容証明郵便を3通出しましたが、ちゃんと被告が受け取ったのは2通でした。最後の1通は郵便局に保管された後、私の元へと返送されました。
 郵便局の人の話では「最初に配達して不在だった場合、不在通知書を置いて郵便は局へもって帰ります。1週間局で保管をして再び配達します。そこで再び不在だった場合はご自身へ返信するのですよ」と言われました。内容証明郵便は普通郵便とは違い、法律的な根拠が十分にあります。

 最後の1通について、私は被告に「必ず受け取ってください」と口頭でワザワザ釘を刺していました。最後の1通は私にとって不利な内容で、言い換えると被告にとって有利な内容でした。今から思えば私の中で無意識のうちに被告を心理的に試していたのかも知れません。

 結果は上記に書いた通りです。被告はたかだか「手紙を受け取る手間」さえ出し惜しみをしたのです。
 言い換えると被告は「借りたお金の事はいつも考えている、忘れた事は無い」と私にさんざん言っておきながら、被告にとって私の存在は結局その程度だったと言えるでしょう。

 私は有利な立場を手に入れましたが、同時に寂しくも感じました。手紙を受け取らないという憤りを感じつつも、心の片隅で被告を信じていたのかも知れません。

 また、今回の訴訟で私は4通の証拠書類を提出しました。最後の1通は少し遅れて提出しました。少額訴訟は第一回口頭弁論の期日までに予め証拠書類のコピーを原告・被告に郵送されるシステムになっています。
 しかし、最後の証拠書類は上記と同じく被告が不在だった為に結局裁判所に返送されてきたそうです。


 私は持ってきた書類を机に広げました。被告が来るのを待ちわびています。書記官さんが一旦外に出ました。どうやら被告を探しに行ったようです。

 書記官さんが間もなく戻ってきました。裁判官さんに「いない」と告げました。

 裁判官さんが「審理(ここでは"第一回口頭弁論")を開始する」と言いました。とうとう被告不在のまま審理が始まってしまいました。裁判官さんが訴状を読み上げられました。

「ところで年率は18%で間違いありませんか?」
「はい、18%です」
「さて、この平成17年1月1日(期限の利益喪失)から年率29.2%というところなのですが、法律では認められません。利息制限法により26.28%に減縮しますがいいですか?」

 私は一瞬言葉に詰まりました。減縮されてしまうと私が差額を負担をする事になります。29.2%から26.28%の減縮はわずか-2.92%ですが、金額に直すと年間では13,106円の差になります。もっとも、平成17年1月から全く支払いがされておらず、私が今まで何万円も負担してきたのですが・・・。

 結局、私は渋々了承しました。法律は従わないといけませんので。

 裁判官さんが私の了承を聞いて、即座に判決を下し、判決の主文と理由を読み上げました。

  1. 被告は原告に対し、金450,080円及び内金445,480円に対する平成17年1月1日から支払済みまで、年26.28%の割合による金員を支払え。
  2. 訴訟費用は被告の負担とする。
  3. この判決は仮に執行する事が出来る。

(中略)

  1. 被告は本件口頭弁論期日に出頭せず、答弁書その他の準備書面を提出していない。したがって被告において請求原因事実を明らかに争わないものとして、これを自白したものとみなす。

 要するに被告が来なかったので、遅延利息の計算は年率26.28%にしたものの、ほぼ私の言い分が全面的に認められたわけです。
 まぁ、訴状を提出した時に法律にのっとって引き直し計算したからスムーズに事が運んだというのもあるんですけれどねぇ・・・。今考えてみると、裁判官さんから判決が下されたというよりも、裁判所の受付の人から大まかな判決が既に下されていた・・・という感じがしないでもないんですけれど・・・。

 訴訟は以上終了です。審理が始まってから判決が下されるまでわずか10分足らずでした。早い・・・。


 審理が終わり、書記官さんが近づいてきました。

「どうも、**です」
「あ、こちらこそ」
「あの、早速なのですが、今日の判決を調書にして送らせていただきます」
「はい、ありがとうございます」
「大変申し上げにくい事なのですが、送料が若干不足しておりまして・・・1,500円程かかるのですが」
「えっ、そうなのですか?」
「はい。つきましては1,000円切手1枚と500円切手1枚を後で良いので頂けませんか?」
「は、はい。今すぐ買ってきます」
「恐れ入ります」

 私は急いで郵便局に突っ走り、切手を購入。簡易裁判所へとんぼ返りして切手を渡しました。

「恐れ入ります」
「いえ、こちらこそ済みませんでした」
「ただいま若干立て込んでおりまして、調書の送付は1週間くらい猶予を頂けませんでしょうか」
「分かりました」

(結局調書は2日後の3月10日に届きました)

つづく

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