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夢を生きる方々に学生がインタビュー

㈱スタンディングエッグ   安井 正典 社長

2008-09-08 07:00:00 | インタビュー記事

●日時 2008年8月12日 10:00~11:30 
●場所 株式会社スタンディングエッグ 本社 会議室
●スタンディングエッグのホームページは 
こちら
●インタビュアー 塾長 三潴 克彦 (みつまかつひこ)
    
 
●安井正典氏 プロフィール
愛知県名古屋市生まれ。埼玉工業大学卒業後、
名古屋に本社を置く製造業に入社。
関連法人で米国へ出向、帰国後に独立。
1989年に(株)スタンディングエッグを設立し、
代表取締役に就任。2004年、SOHOプラザ設立。
 
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「自分の存在意義を発揮できる起業家を輩出したい」
今回このように話してくださった方は、愛知県を中心に
起業支援を行う(株)スタンディングエッグの安井社長。
事業内容から創業時の思いを中心にお話を伺いました。
  

  
◆スタンディングエッグの事業内容を教えてください
 
一般的に企業が必要とする資源は「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」
だと言われています。しかし、ベンチャービジネス後進国と言われ
る日本では、起業を目指すアントレプレナー(起業家)に対して、
それらを支援する仕組みが整っていません。アントレプレナーが単独
で試行錯誤しているばかりで、ベンチャービジネスが前進していない
のが現状ではないかと思います。
    
そこで私達スタンディングエッグでは、アントレプレナーの皆様に
対して会社を発展させていくお手伝いを事業として行っています。
具体的には、起業や会社運営に関する各種セミナー、イベントの
開催、情報の提供、事業企画・独立開業のサポート、設立事業の
アフターフォロー、専門業者の紹介やコンサルティング、レンタル
オフィス運営などの面から支援させていただいています。
     
これらの起業家支援プログラムの中核に「SEユニット」というもの
があります。これは、起業家やあるいは起業したいと思っている
人達が集まって、3人1組でチームを作るものです。このプログ
ラムのメリットは、仲間が3人いることによって、事業に対する
意見交換をし、より発展的な事業を作り上げていくことができる点と
創業時の人財不足を解消できることです。「SEユニット」で作成
された事業プランを専門家集団が審査をし、最終審査で選ばれた
チームに対して起業資金の出資や融資を行います。この取り組み
は今年で3回目となりました。
  
  
◆起業を目指す人達はどのような方が多いですか
 
スタンディングエッグの門を叩いてくれる方々は、現在は男性が
圧倒的に多いですね。年齢は30代から40代が中心です。
女性の方ですと、最近は女性起業家も増えてきたとは思いますが、
実際にいらっしゃる方がまだまだ少ないです。もっと起業したいと
思っている女性の方々に起業支援を行う仕組みがあることを知っ
ていただきたいと思っています。学生さんはほとんどいませんが、
1人だけいらっしゃいます。
 
また、起業を目指される方は一度会社員となり、会社を辞めて創業
を目指す方が多いように思います。中には、商材やアイデアは決ま
っていないけど、起業に携わりたいと言って来られる方もいますの
で、そういった方々にも、もっと来ていただきたいと思っています。
経理や営業を得意とする方などは、例え創業時にアイデアなどが
無くても、チームを組み、自分の強みを生かして事業を発展させて
いっていただくケースもあるからです。
 
 
◆スタンディングエッグの名前の由来は何ですか
 
私が起業支援の会社をやりたいと思った時に、社名をいろいろ
考えていた時、ふとした瞬間に出てきたキーワードがスタンディング
エッグでした。卵には、アイデアとそれを実行していく起業家の
イメージが湧き、スタンディングはその卵を立たせる、つまり
アイデアや起業家を育てていくという意味を持たせ、この名前に
しました。
 
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◆安井社長が起業をしようと思ったきっかけは何ですか
 
前職で働いていた時に、アメリカのニュージャージーでSOHO向け
のプリンターの販売を行っていました。
特に当時驚いたことは、たくさんの一流大学卒の人がSOHOで
起業を目指している姿を見たことです。ニューヨーク大学のある
日本人教授がこのようにおっしゃっていました。
 
「日本人はどうすれば一流の会社に入れるのか、と聞きに来るが、
アメリカ人はどうすれば一流の会社を作れるのか、と聞きに来る」
 
私は、この言葉を聞いて衝撃を受け、アメリカの現地の人達の自分
の存在意義を見出せる場所を自ら作り出していく姿勢に大きな感銘
を受けました。私がこの体験をしたのは、今から15、6年前ですが、
インターネットが登場する前の時期で、起業家達がネット事業に
対して熱気を帯び、まさにネット革命の前夜という雰囲気でした。
 
日本に帰国後、国内事業に携わる中、日本のSOHO事業の調査を
行う機会がありましたが、アメリカと日本のSOHO事業のギャップに
気づきました。まず、起業を目指す人自体が少なかったことと日本の
SOHOは税理士や会計士などの「○○士」の方々が支援する仕組み
が主であったことでした。つまり起業を目指す人達にとって、事業を
発展させていく全体の仕組み作りがアメリカに比べて大きく遅れを
取っていたのです。
 
そして、アメリカでの体験と日本の現状を見て、もっと日本でも
起業家を輩出したい、SOHO事業を活性化させていきたいという
思いを持って、1998年にスタンディングエッグを設立しました。
しかし、最初は周りからの反対も多く、また、創業時は数多くの
失敗をしました。しかし、試行錯誤を繰り返し、創業したいと思う
人達の気持ちを肌で感じることができました。そのお陰で現在の
スタンディングエッグがあると思います。
 
  
◆どのような学生生活を送られていたのですか
 
昔から、変わったことをするのが好きでしたね(笑)。大学に入っ
た時に「名声向上委員会」というサークルを設立しました。名前が
怪しいので、サークルで飲み屋に行くと、「何の集まりですか」と
聞かれることもしばしばありました(笑)。
 
私が入学した大学は設立間もない大学でした。だから、その大学
の知名度を上げるために作ったサークルです。大学側にはとても
喜ばれましたよ。集まった仲間達と「鳥人間コンテスト」に応募したり、
「アメリカ横断ウルトラクイズ」に出演したりといろいろやりました。
あれは本当に面白かったですよ。
 
このように具体的に何かを自分で作ってやる、といったことは
大学に入ってからだったと思います。高校ではアーチェリーを
やったりと、個人技が好きでしたね。団体行動は元来苦手で(笑)。
 
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◆将来の夢や理想の人生について聞かせてください
 

当社から輩出した方々が事業で成功して「スタンディングエッグ
があったから成功したんだよ」と言われるような会社になりたい
ですね。そのためには、まだまだ未熟な部分もありますので、
しっかりと起業家を支援できる会社作りを今後も行って行きたい
と思います。
  
また当社には「“人とは違う”そんな貴方を応援したい」という
キャッチフレーズがあります。この言葉のように、私自身も型破り
と言われる程の独創性を持ち、自分の信じた道を進んで行きた
いと思っています。
 
 
◆夢に向かって頑張っている人達に一言お願いします
 
起業家の支援の事業をやっていますと、今後、何が日本のコア
になっていき、世界と渡り合えるのか、と考えることが多くなりま
した。やはり日本は今まで高い技術力を世界に発信してきたと
思います。そうした歴史的な観点を持ち、今後を見据え、自分が
どのように歩んでいくか、何をやっていくか、ということをしっかり
考えていくことが大切だと思います。
  
  
◆本日は大変素晴らしいお話をありがとうございました
 

 
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安井社長はアメリカで起業家が育つ風土を見て、日本でも活性化
させていきたい、とお話してくださいました。日本で育った私はある
時期まで、働き方というのは会社に入社する、という選択肢しか
持っていませんでした。しかし、安井社長がおっしゃったように
起業という選択肢で自分の存在意義を見つる方法もあることを
改めて強く感じました。
   
安井社長のアメリカでの体験談や日本とのギャップや現状、今後に
ついてお話を聞かせていただいたことで、多くの可能性に目を向ける
ことができたように思います。本日はお忙しい中、素晴らしいお話を
聞かせていただきありがとうございました。
 
記事作成 水谷 翔 (起業家育成塾)
 
*****************************
   
ご紹介者様へ
  
安井社長をご紹介いただいた
セレンディップ・コンサルティング株式会社の
高村社長に、この場をお借りしてお礼申し上げます。
本当にありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
   
三潴 克彦 (起業家育成塾)

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