建築設計者の日々是好日

建築家として感謝をもって生きる日々の記録

耐久性について(ストック社会のすすめ)

2008年02月21日 | 環境
先日、「ハマの空き家を活用する会」のオープニングパーティーに行ってきたことを書いた

私はH女史と「さくらガーデン」のプレゼンテーションをさせていただいた
4つのセッションがあり、最後の発表だったので時間を大幅にオーバーしてしまいご迷惑をおかけしてしまった
横浜市の木村さんごめんなさい
その木村さんとの立ち話で出た話
私;「耐久性こそが究極の省エネであり省資源、サスティナビリティではないか?」
「そして、耐久性こそが日本ではなく日本の個人を豊かにする鍵ではないか?」
このことは、「人間性豊かな集住体」で研究してきた過程で行き着いた結論だ

現在の日本人は日本という国家が上向きだったころにはあまり気にしないで済んできた自分の豊かさについて、将来の希望を描けなくなってきている
その大きな原因が過大な住宅ローンというのはあながち見当はずれではないだろう
姉歯の偽装マンションほどではないにせよ、30年にも満たないのではないかという粗悪な建て売りに何千万ものローンを組んでいるのがなんと愚かなことかと気がつき始めている

以前イタリアを旅行したときに知り合ったイタリア男性の話
「ローマ駅から3分のところで60㎡の賃貸住宅に30平方メートルのルーフバルコニーがついて家賃が3万円」
「建物は300年経っている」というのを聞いてわかった
イタリアはそのころ経済的にはひどい状態だったのにたいし、日本はバブルがはじける前で景気が良かった
しかし、そのイタリア男性は我々よりずっといい生活をしていた
良い生活というより、精神的にゆとりがあった
そう、イタリアに限らずヨーロッパのほとんどの国々は、日本に比べて都市のストックの蓄積があるのだ
これに日本は気がつかないか、消費は美徳とばかりにスクラップアンドビルドを進めていたのだ

日本政府も最近になってやっと200年住宅とか言い始めたが、社会構造の大きな転換が求められる
これは、相続税をはじめとする税制にも見直しが求められることになる
日本の政策は片手落ちというか、縦割りの弊害をもろにかぶるような事態になって実効性がなくなっても手当をしないで済ませている事例が見られる
話はそれるが、定期借地権を法制化した時、住宅取得の融資の際の担保設定をフォローしなかったために、定期借地契約があまり進んでいないというのもこの一例だ
「さくらガーデン」ではこれで非常に苦労した

今こそ「耐久性(ストック社会)」を社会のスローガンにして、豊かでサスティナビリティの高い社会構造を構築してゆくべきではありませんか
政治家や政策立案をしているキャリアの方々、聞こえていますか?

ちなみに私は、賃貸マンションを依頼いただくクライアントには、耐久性ある建築をお勧めしている
もちろんメンテナンスコストを含めて仕様の決定をしている
基本的にはスケルトンアンドインフィルシステムだ
そして、梁の貫通はゼロ、床や壁に配管を埋め込むのもゼロ
このためには階高が必要
つまり建築費が高いということになる
しかし、このようなストックが蓄積して行った先には、豊かな個人と守られた環境が待っているだろう

余談だが、建て替えが減るので建築設計も需要が少なくなって建築家ももっと少なくていい社会になっているかも?
しかし、建築家であればよりよい未来のために努力すべきだろう

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