建築設計者の日々是好日

建築家として感謝をもって生きる日々の記録

地区計画および景観、そしてまた耐久性と相続税

2008年02月22日 | まちづくりと景観

省エネの調査で湘南に行ったついでに、今は議員をしている前の事務所の同期に会いに行った
久しぶりの友は若い頃のイメージのままで現れた
お互い歳を食ったはずなのに、若い頃に戻ったように話が弾んだ

その市ではマンションの虫食いが激しく、地区計画を策定しようとしているとのこと
私のまちづくりの経験から、地区計画を成功させるためのいくつかのポイントと工夫を提案した
1、地区計画は地権者の権利を制限する意味合いがある。これを自分もやりたいというような気持ちにさせる仕組みが必要
2、形態や壁面線の指定をしても、指定前の土地利用と遜色のない利用が可能になるようにすべき
3、そのためには、用途指定の変更とセットで考えることがポイント
これらの組み合わせで、地区計画をかけても実質的に私権の制限にならないような施策が可能になると説明した

また、日本の地区計画はドイツの地区詳細計画をまねた部分がある
しかし、出来上がる街並みはドイツと日本では雲泥の違いがある
ここのところを政治家はもっと勉強してほしい

話は耐久性の話になり、「さくらガーデン」の長期戦略を説明した
そして、私の持論の「耐久性こそが省エネ、省資源、サスティナビリティ」と説明
ただ、耐久性の高いものを作っても、相続できないのであれば誰もそんなお金のかかるものを作ろうとはしない
国家として耐久性を言うのであれば、相続税の見直しが必須である
都市のストックをどのような方法で形成してゆくのかが問われるだろう
建築家は昔から言い続けていると思うが、首相が200年住宅を打ち上げる今こそ、良質なストックの形成を国策として税制も含めて整備してほしい

こんな話をして市役所を後にした
駅までの商店街にはシャッターが目立ち、その裏手には高層マンションが建設されつつある
早くしないと手遅れになると思いながら駅に向かった


最新の画像もっと見る

コメントを投稿