高橋靖子の「千駄ヶ谷スタイリスト日記」

高橋靖子の「千駄ヶ谷スタイリスト日記」

4月24日 アースデイの清志郎さん

2005-05-04 | 千駄ヶ谷日記
いつだったか、胸の中で、モンキーズじゃなくて清志郎さんの 「Day Dream Believer」が鳴り響いたまま、道玄坂を歩いていた。
そして何故か吸い寄せられるように立ち食いそばの「富士そば」に入ったのだ。そしたら、何たる奇跡、店の有線でその続きをやっていた。
その符合に、「うれしい、清志郎さんと私は見えない糸で結ばれて いる!」と思い込むことにした。
その後、その糸は、見えたり見えなかったりして、細々と繋がっている。
いくつかのCMの仕事もあったし、プロモーション・ビデオの仕事もあった。
いちばんすごい思い出は、私の誕生日(7月5日)と清志郎さんの日比谷の野音のコンサートが重なった時のこと。
事務所の方の配慮でステージ正面の真ん中あたりに「お誕生席」をつくっていただいて、私は10数人の友人達と誕生日コンサート(私だけの勝手な思い込みです)を楽しんだのだった。
野音のコンサートは始まりの時間が早い。夏のまだカンカン照りの余韻を残した時間から始まり、次第に夕方になってゆく。空が夕焼けに染まる頃は、公園からネグラに帰るカラスたちが、 ステージの上をかーかーと鳴
きながら飛んでゆく。
とっぷりと日が暮れてまもなくステージは終わったのだった。

さて、毎年行っている代々木のアースデイの野外コンサートに清志郎さんが初出演した。

私は相当ギリギリの時間に会場に入ったけど、満員にもめげず、後ろから徐々に前に進み、前から4、5番目ぐらいまで進出した。
ところが演奏が始まったとたん、みんなのウエーブでもみくちゃ。そこでトシを感じて(肋骨折ったりしかねない)右の方にずれた。
アースデイ初出演の清志郎さんも、オーディアンスもノリノリですっごく楽しい。
衣装のスーツも、誰が作ったのかしら?と、スタイリストとして、やきもちを焼きたいぐらい素敵だった。
演奏中、2度ぐらい、会場のいちばん前から、一番後ろまで往復する。こうしていろんなところで聴くのが好きなのだ。
私の印象では、清志郎さんはいつも自分自身のコンサートでは平和のメッセージをみんなに伝えている。でも、こういう誰かが企画 した催しに参加するのは、ほとんどはじめてなのではない
かと思う。
アースデイのステージで「Love and Peace 」、「愛し合ってるかい?」
という清志郎さんの言葉を聴くのはうれしいことだ。
最後の曲が終わりそうなころで、楽屋に向かって外にでた。
会場の中より、外で溢れたまま聴いている人たちのほうが何倍か多かった。こんなにひとがいっぱいなのに、外でそっと聴いている息子にばったり会う。
カメラマンの仲さん(知り合ったばかりの若い女性カメラマン)と目配せしてステージの裏に回る。 しばらくしたら、SUGIZOさんが出てきた。 「僕のステージは6時から」と
いうので、一度家に戻ってココ(犬)のえさと散歩をしてまた戻ることにした。
ところが夕方近く、急に風が冷たくなり、私の身体に潜在している風邪の症状もガッと現れ、SUGIZOさんを仕方なく断念した。

写真 (撮影・Yacco) 素敵なジャケットを脱ぎ捨ててからのスナップです。